フルバランス・フルディスクリートアンプへの長い道のり・・・また発振

ここで、BTLアンプの状態で周波数特性を測定してみたら、Unblanced のステレオアンプの状態と異なり、周波数特性が、150kHz あたりから ±0.5dB 程度波打っているのことが判明した。 2台ともなので、再現性がある。 なんてこったい。

下図の回路図で、 R5=100Ω、C4=4700pF としたのが、悪さしているので、元に戻すことにした。 その際、1台で不安定であったことを思いだし、R5=220Ω、C4=3300pF とゲインが下がる周波数を下げることにした。

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C9を 3pF 程度が適正で、5pF だと過剰補正気味だとのことであったが、1台でDCオフセットが不安定であったことから、C9は 5pF としたところ、DCオフセットが安定してとれるようになった。 視聴でも特に問題はなかった。

これにて、一件落着と思われたが、そうはいかなかったのだ。 我が家では、歪み率測定・・・WaveSpectraa 覚え書きに示したようにして、歪み率測定をしている。 測定には、サウンドカードの Juli@ xte を利用しているが、これにつないだで、歪み率測定をしようとしたら、1台でDCオフセットがとれない問題が再燃してしまった。 つないだ状態でオシロで確認したところ、50MHz 帯での微小発振が認められた。 正直困り果ててしまった。 

対策はもちろん超高域でのゲインを下げるしかない。 試行錯誤で、上図の C5 を増やしたら安定化の方向に働いた。 結果的に、220pF まで増やしたところで、安定してゆがみ率測定ができるようになった。

たかじんさんによれば、C5 は 100pF を超えるとスルーレートが下がるので、あまりよろしくないとのことだが、私の力量では、やむを得まい。 また、私の駄耳では、C5を増加させた対策での音質変化はよくわからなかった。

フルバランス・フルディスクリートアンプへの長い道のり・・・再度のインラッシュカレント対策

前項で完成と思いきや、思わぬところから、改良案が示された。 それは、たかじんさんのホームページで、VFA-01用のトランス電源についてのコメントからだ。 

私は、フルバランス・フルディスクリートアンプへの長い道のり・・・片チャンネル音出しまでに示したように、トランスの二次側にインラッシュカレント対策をとればよいと考えていた。 この方式のオリジナルは、フルバランス・フルディスクリートアンプへの長い道のり・・・構想編 に述べたように、お気楽オーディオキット資料館にある手法である。 Google で、ラッシュカレント対策 アンプ で検索すると、トランスの二次側に抵抗を入れておき、時間がたったところでリレーで抵抗をショートする形のページがたくさん出てくる。

たかじんさんのホームページで、ラッシュカレントに対する質問があり、上記のことをコメントしたら、たかじんさんから下記のようにご教示いただいた。 (太字、赤字は n’Guin)

たかじんさん wrote:
インラッシュ電流が厄介になるなのは、1次側に入れたヒューズが適切に働くかどうか、です。
トロイダルやRコアトランスの場合、EIコアに比べてインラッシュが大きくなります。安易にヒューズ容量を大きくすると、何か回路に問題が起きたときに保護できなくなります。
そこで登場するのがヒューズに直列にいれるスロースタート回路です。 抵抗とリレーを使うのは、お気楽さんのところで紹介されているのと同じです。1次側は電流値は小さく済みます。(2次側が1次側よりも電圧が低い回路の場合)
整流後のコンデンサの容量は、大きければ大きいほど整流ダイオードへの負担が増えますが、これはインラッシュ電流に耐えるダイオードを選択するのが適切です。 また1次側にスロースタートを入れると2次側にも影響があるため2次側のインラッシュ電流も下がります。
±電源をもつ回路で2次側に入れるスロースタート回路は2系統必要、かつ、大電流が流れるのでリレーの接点も傷みやすくなります。 それに対して1次側なら1系統のみでOK、かつ、2次側よりも電流は小さくなります。また、 万一、スロースタート回路が壊れたとき、ヒューズが切れるかONしないかのどちらかに落ち着きます。2次側スロースタート回路が壊れた場合は±電源のバランスが崩れ、最悪アンプ回路を壊してしまいます。
以上が一般的なインラッシュ電流対策の意味とスロースタート回路の位置です。(もちろん様々な理由により例外はあると思います)

よって、またしても回路変更。 SBRT20U100SLP を用いたブリッジダイオードは、IFSMが140Aだ。整流電圧は ±14V 程度で、巻き線抵抗は 0.03Ω程度なので、整流ダイオードに流れるインラッシュ電流は、500A程度に達する可能性があるのだ。 すなわち、インラッシュ電流に耐えられない可能性が高い。

現在、5Aのヒューズを用いているので、一時的な制限抵抗は、100V/5A で20Ωと仮定しよう。 このときの、二次側電流は計算上24A 程度になるはず。 整流ダイオードは余裕で耐えるであろう。 問題は、20Ωの抵抗の消費電力である。 定常状態では0.3A弱であることが測定してわかったので、消費電力は1.8W。 よって、10Wのセメント抵抗なら約5倍のディレーティングが得られるので大丈夫であろう。

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そして、この修正作業を行っているときに発見! 

破損したトランジスタのエミッタ抵抗が割れていた。 トランジスタを交換したときには、壊れていなかったのに。 このタイプの抵抗は巻き線抵抗にセメント被膜がついているので、発熱している間に巻き線の金属が膨張して割れていったものと思われる。 気がつけてよかった。

フルバランス・フルディスクリートアンプへの長い道のり・・・再調整

ここで、たかじんさんから、アドバイスがあった。

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C9を 3pF 程度が適正で、5pF だと過剰補正気味だとのことだ。 こういうところは、設計者でないとわからない ^^;)

また、C4/R5の位相補正は、2SK170でゲインが上がったところを、負荷抵抗の差動部分で殺してしまうのはもったいない対策とも言えるが、低域では依然ハイゲインの特徴が残るので、DCオフセット低減、PSRR向上が望めるそうだ。

そして、R5を小さくすれば、ゲインを下げる効果があるとのことで、今回の場合は、R5を100Ωまで下げる(その代わり、C4を同じ時定数になるように増やす)ことを勧められた。

現時点では、R5が220Ωで、C4を 2200pF 、C9を 5pFであったので、C9を 3.3pF に戻し、R5を100Ω、C4を4700pF としてみた。

この条件で、より安定して動作することがわかってきた。 すでに完成したはずのチャンネルも同じ条件に修正することにした。

周波数特性や位相特性はより一層素直になった。

喜んで視聴にすすんだが、なぜか音の方はつまらない感じに。 おとなしすぎる感じで、よく聞けばワイドレンジだが、ダイナミックレンジが狭まったような。

対策はいろいろあるが、最も簡単なのは、バイアス部のコンデンサ C6 の変更である。 バランス型プリアンプのフラットアンプでも、このC6 で音決めをしている。 今回の場合は、おとなしすぎる感じなので、100μF (音響用電解コンデンサ)から減らすことになる。 バランス型プリアンプのフラットアンプで採用した、10μF のフィルムコンデンサ(Panasonic ECQE)を利用することとした。

結果は大当たり。 ワイドレンジ感もダイナミック感もよい。 初段の 2SK170 らしいエレガントさも失っておらず、とてもよい感じだ。

これにて作成終了。 あとは特性を測って確認・・・とは問屋が卸さなかったりする。

… to be continued.

フルバランス・フルディスクリートアンプへの長い道のり・・・焼損

片チャンネル分が完成したから、もう片チャンネルは楽勝・・・とはなりませんでした。

完成した片チャンネルと同じくC4を 2200pF として、C9を 3.3pFとすればうまくいくはずだったのに、全くだめ。 スピーカー出力のオフセットが全く調整できない。 また発振かと思い、オシロで確認したら、ハムノイズが観測された・・・。 入力オープンが理由だったというわけ。

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そこで周波数特性を測ってみたところ、周波数特性はまずまずだが、位相特性がとんでもないことになっていた。 そして、これを測定中に焦げ臭いにおいがたちはじめた。 測定しているチャンネルを見ても、触っても異常がない。 なんと、測定していないチャンネルの終段トランジスタが焼損した。 入力をオープンのままにしていたため、あおりを受けて発振したのであろう。 なんてこったい。

幸い、交換するトランジスタ類は買い置きがある。 3段ダーリントンを盲目的に全て交換し、たかじんさんからのアドバイスもあり、抵抗値が変わっていないことも確認した。 全て交換して,問題は解決したが、入力オープン程度で焼損するようでは困る。

ここでもたかじんさんからアドバイスがあり、入力にボリュームをつけないなら、入力抵抗を 4.7~10kΩ 程度にしたほうよいとのこと。 47kΩにしてあるのは、その前に10kΩ程度のボリュームをつけることを想定しているそうだ。 トランジスタアンプだとそんなものかと軽く考えたが、よく考えてみると、このアンプとペアになるプリアンプは、スピーカー負荷が普通に可能な HPA-12 である。 8Ω負荷が可能なアンプからの入力抵抗が47kΩっていうのは、いくらなんでも高すぎる。 4.7kΩだって高いぐらいだ・・・。

さて、ここで気を取り直して、再度 C4と C9を取っ替え引っ替えしてみたところ、C4を 2200pF 、C9を 5pFで、まずまずの周波数特性をえるることができた。

BTL化した周波数特性も、すでに完成した片チャンネルとほぼ同じだ。 これにて、とりあえず、視聴してみる。 リファレンスの「シューマニアーナ 8」(FOCD9328)シューマン:ピアノ・ソナタ 第3番 ヘ短調 Op.14 の冒頭の数十秒で、ピアノのキータッチ饒辺かがわかるかどうかを聴いたところ、一聴して合格。 これにて完成か・・・

… to be continued.

フルバランス・フルディスクリートアンプへの長い道のり・・・片チャンネル音出しまで

PRT-01 の修理が終わって、正式の電源で電源ON!

なんと、全く動作しない。 ラッシュカレント対策のリレーがONにならない。

あれっと思ったら、リレーに電圧がかかっていない。 そう。 終段のアイドリング電流を 0.5A/ch なので、1A 流れているので、ラッシュカレント対策の抵抗(5Ω)で 、2個の抵抗をあわせると10V の電圧降下が生じて、リレーが動作しなくなったわけだ。

ここまできて、5Ωの抵抗に1A の電流が流れるので、たった数秒とはいえ、5W のセメント抵抗に、5Wの電力を食わせる形になっているので、ここも問題。 そもそも 5Ω/5W としたのは、お気楽オーディオキット資料館の作例にあわせただけで、何も考えずに定数を決定したむくいがきたのだ。

出力電圧は±14V 程度であり、使用しているダイオードはSBRT20U100SLP を用いたブリッジダイオード で、最大電流は40Aなので、2Ω/5W (最大で 7A)に変更した。 また下図のように、電源部を再構成して、確実にリレーに電圧がかかるようになおした。

ここを修正して、やっと片チャンネルがとりあえず完成した。 あとは、同じものをつくればいいだけ・・・とほっとした。が、実はこの後がたいへんだったのだ。

フルバランス・フルディスクリートアンプへの長い道のり・・・PRT-01の修理

壊してしまった PRT-01 。 故障半導体は、PanasonicのAPV1121S だ。 ところが、DIGIKEYでも欠品中。 どうしようかと思っていたところ、たかじんさんから、同等品のAPV2121Sを教えていただき、付け替えて修理完了と思っていたところ、付け替えても動作しなくなってしまった。

APV2121Sではだめなのか? それとも・・・・

たかじんさんから、次のアドバイスをいただいた。

APV2121SもAPV1121Sも感度が違うだけで、基本的には一緒です。APV2121Sの方が感度が低い型式になります。おそらく選別して型式を分けているだけです。

LEDが付かなくなってしまったのは、別のところに要因があると思われます。以下のポイントの電圧を確認してみててください。

  1. LEDをON/OFFしているQ9のベース電圧を確認(R9-R10が繋がっているノード) LEDのタイミングで電源電圧から0.6Vほど下がるのが正常です。
  2. まったく変化ない場合、アンプの出力のオフセット電圧を確認。電源ONから1秒後くらいには0.5V以下に下がっていると思います。
  3. アンプのオフセット電圧に異常がなく、Q9がONにならない場合は、Q1~Q4、Q5~Q8のあたりの動作がおかしいです。

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盲目的にQ1~Q4を交換してなおらず、これはまずいと考えて電圧をあたったところ、D1(定電圧ダイオード)がショートモードで壊れていた。 2021年の年末はマルツが30日からお休みだったため、年明けに速攻で交換したが、これまたなおらず。

困ってしまい、トランジスタのBE電圧が0.6V 程度になるはずということでチェックをしていったところ、Q6が壊れていることが判明して、これを交換して動作するようになった。

めでたし、めでたし。 これで、片チャンネル分完成のはずだったが・・・。

フルバランス・フルディスクリートアンプへの長い道のり・・・発振

VFA-01と PRT-01とを、ひとつひとつ部品を確認しながら、抵抗はテスターで測りながら、すこしずつ組み立てた。 組み立て後、再確認してから、12VのDCアダプターを使って動作確認を行ったところ、(Unblancerdの、普通の)スピーカー出力のオフセットが全く調整できない。 +Vcc あるいは -Vcc の電圧出力になってしまう。 終段のアイドリング電流調整もきかない。

オシロで出力を確認してみると、30MHz 帯で発振していた。すぐに考えついたのは、オーバーオールのNFBの微分補正コンデンサ C9 (3.3pF)の増量だ。 ところが 220pFまで増やしても、発振周波数が下がるだけで発振自体は止まらない。 万事休す。

たかじんさんのホームページでコメントで相談したところ、初段の差動回路の負荷抵抗間にはいっているCRのコンデンサC4を増やせばよいとのこと。先のC9とC4を丸ピンソケットに変更して、いろいろさしてみることにした。 C4を所定の 1000pF から1500pF に、C9を 5pF にしたら、発振は止まった。 終段のアイドリング電流調整もできるようになった。

困ったことに、この調整途中で、保護回路基板のPRT-01を壊してしまった。 LEDの点灯(オフセット電圧等が正常のときに点灯)の有無にかかわらず、音が出るようになった。 ドライバを壊してしまったということだろう。

このときのVFA-01単体の(Unbalanced の)アナログディスカバリーでの周波数特性は下記の通りで、まずまずの結果と考えた。

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ところが、BTL アンプとして動作確認をしたら、また発振が始まった。 C4を 2200pF として、C9を 3.3pF としたところ、BTLでも動作するようになった。 このときの周波数特性は下記でまずまず。

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これで、PRT-01 をなおせば、片チャンネル分が完成する。

フルバランス・フルディスクリートアンプへの長い道のり・・・構想編

部品集めをして放置プレイを5年ほどたって、やっと作り始め。

アンプ部については、全く自信がないので、基本的には、たかじんさんの指定通りとするが、初段のFETだけは、2SK170 をチョイス。バランス型プリアンプは完成するか・・・フラットアンプの設計と同じ理由である。 初段のFET以外は、全てたかじんさんの指定通りとした。

電源部は、Soulnote 風に比較的少用量の電解コンデンサの並列使用である。 お気楽オーディオキット資料館のシンプル電源基板 を利用することとした。 プラス・マイナス電源それぞれに8個の電解コンデンサを使える。 ここでは、105℃低インピーダンス・高リプル電流品の長寿命品である KY 型 4700μF 25V を利用することとした。

ここで大問題に気がついた。 電源の 300VA トランスだが、巻き線の抵抗が低すぎてはかれない。 どう計測しても、0.05Ω以下。 よって、瞬間のピーク電流として、300A 以上流れることが予測される。 手持ちの D15XBN20 のせん頭サージ順電流は200A なので、かんたんにふっとぶことだろう。 秋月電子のサイトを見ていたら、SBRT20U100SLP を用いたブリッジダイオードを見つけた。 1個あたりのせん頭サージ順電流は180A であり、放熱への配慮も断然よい。 しかしながら、これを用いたとしてもラッシュカレント対策を行う必要があろう。

ウェブでみていたら、キットを用いた対策例をみつけた。 キットはアマゾンで購入できる。 同じものを購入して組み立てようとしたが、部品不良がないことの確認をしていたら、リレーの導通がないことがわかった。 しかも2組とも。 キットを使うのはあきらめて、自分で組むことにした。

なんとも古典的な回路だが、電源ON後2秒程度でリレーが動作する。

ケースは、タカチのケースで、側面が放熱器になっている HYシリーズから、HY88-43-23SS を選択した。 たかじんさんが、電源なしで HIT23-7-18SS を使っていたので、余裕があるだろうと考えたが、実際にはキツキツでけっこう配置に困ることになった。 理由は、トランスの二次配線が異様に硬くて太い単線のため取り回しがむずかしく、電源部全体として、配置に苦戦したからだ。

電源さえできれば、初段を除いて同じ部品構成なので、普通の(Unbalanced の)ステレオアンプとしては、問題なく動作するだろうというもくろみであったのだが・・・・。

フルバランス・フルディスクリートアンプへの長い道のり・・・妄想編

我が家のメインシステムは、長らく Soulnote ma1.0 をパワーアンプとして利用しており、バランス入力のセレクタ付きプリアンプを完成させた。 そうなれば、次はパワーアンプである。

Soulnote ma1.0 はフルバランスアンプであり、sa2.0 がそのシングルエンド版であることはよく知られている。 よって、Multi-Ch システムでは、ma1.0 をフロントチャンネルに使用して、センターチャンネルは sa2.0 をBTL で利用している。 フルバランスアンプをディスクリートで作るのは、簡単ではない。 なぜなら、BTL接続で4Ω負荷を保証するためには、単独のアンプとしては、2Ω負荷を保証する必要があるからだ。 当然ながら、アンプの電源は大電流を流せるように余裕を持たせる必要がある。 その代わり、BTLで出力が単独アンプの4倍になるので、低出力アンプで十分である。

一般に2Ω出力を可能にするには3段ダーリントンとせざるを得ないだろうが、発振・暴走の可能性が高くなる。 トランジスタアンプの設計経験がない私には無理だろうとずっと思っていたが、new_western_elec  の たかじんさんが  VFA-01 の基板配布を始めたときにこれだと思った。

 ■VFA-01のスペック (±20V電源のとき)

+出力  10W(8Ω), 20W(4Ω), 40W(2Ω)
ノンクリップ

3段ダーリントンで、2Ω負荷が8Ω負荷の4倍の出力と理屈通りになっているからだ。 もちろん、私の場合は、4Ω負荷で10W程度の出力があれば十分すぎる。 BTLで40Wになるからだ。 保護回路基板もセットになっているのもうれしい。

作成にあたって最も問題になるのは、私自身の経験。 ディスクリートの本格的アンプを組むのは、学生時代の金田式以来。 およそ40年ぶりである。 ここの記事にはしていないが、おなじたかじんさんの HPA-12 を用いた A級パワーアンプで、発振・焼損させた経験から、オシロスコープや発振器を買い換えた経緯がある。 作りあげられるかどうかが大きな問題である。

まずは部品集めから。 使用するトランジスタを確保するところから。 確保したのは2016年の初頭。 当時は、 2SK30A, 117, 170 は入手できるところが少なくなり始めたころ。 たかじんさんの指定トランジスタを必要個数の倍以上確保した。 なぜ倍以上かは書かなくてもわかるよね・・・失敗して壊してしまう可能性が高いから、 そして、実際やらかしましたとさ。

そしてトランス。 Soulnote ma1.0 がステレオで 700VA のトランスを使っていることから、その同等トランスを・・・・ということで探しても見つかりませんでした。 たかじんさんの記事では、12V3A × 2回路とのことでしたが・・・

Soulnote ma1.0 に近づけることから、Block トロイダルトランス,1次:115 V ac, 230 V ac,2次:2 x 12V ac,電力:300VA RKD 300/2×12 に決定。 このことから、モノラルアンプにすることもほぼ決定。 二次巻き線のあまりの太さと取り回しのしにくさに驚いたのは、なんと2021年の秋だとさ。

バランス型プリアンプは完成するか・・・できた~

歪み率特性を測定してみた。 測定は ESI juli@xte と WaveGene & WaveSpectra で行った。 ESI juli@xte は、アンバランスとバランス入出力を切り替えられるサウンドカードである。 よって、バランス入出力の本プリアンプの歪み率を測定可能である。 この組み合わせによる歪み率測定は0.005%程度が限界である。

測定結果は下記の通りで、最低歪み率は 0.01% を割っており、全ての周波数で歪み率は誤差の範囲内で揃っている。 左右差も誤差の範囲内である。 自画自賛であるが、実に優秀な結果といいたい。

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使ってみて、リモコンで入力切り替えが出来て、音量調節が出来るのはとても使い勝手が良い。 加えて、仕様的にも我が家にぴったりである。 Ch-1 に Soulnote sd2.0b のDAC出力、Ch-2 にRaspberry Pi + SB32+PRO DoP によるネットワークプレーヤー出力、Ch-3 には、Soulnote ph1.0 の LP プレーヤーのイコライザ出力がつながっている。

現時点では、出力に Soulnote ma 1.0 のバランス出力、あるいは Softone Model 7(出力管 KT-66)がつながっているが、いずれ自作のフルバランスパワーアンプをつなげたい。

上はネットワークプレーヤー
下が本プリアンプ

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