6G-A4全段差動アンプ・・・再度検討してみたら(続)

カスコードブートストラップ回路は、いろいろな利点と欠点があると、Raspberry Pi の DAC 製作でお世話になっているたかじんさんのページにもある。 欠点は部品点数が増えることと定電圧ダイオードを用いた場合に雑音が増えることがあげられていた。雑音が増えることについては、定電流ダイオード+抵抗にすることで逃げられるとのことで、私もやってみることにした。

たかじんさんの記事では、E101を用いていたが、当方の場合は、この回路が電源OFFのときに電解コンデンサの電荷を積極的に逃がす働きも兼ねているので、電流量は変えなかった。 E102の定電流ダイオードは、上下で 差が0.01mA以内の選別を行っている。 抵抗に並列するコンデンサは気持ちの問題との記載があり、私は付けなかった。

以上の対策で、周波数特性は改良されたが、下記の通りで理想からはほど遠い。

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どこが原因になっているかを探るために、Analog Discovery(FRAplus & measure)による計測を止めて、ファンクションジェネレータとオシロスコープで確認してみる。 カスコードブートストラップ回路の前段は、ハイカットフィルタ通りの周波数特性で問題なし。 さては、トランスの特性が悪い?
FX40-8 じゃだめなのかと思いつつ、スピーカー出力にて確認したら、あれっ・・・ 100kHz までほとんどフラットではないか。

何かの操作ミスで、FRAmeasure の測定器校正がおかしくなっていたらしい。 なんてこったい。 自動校正をして再度測定したら、とても良い特性で驚いた。 無帰還での周波数特性は、若干の波打ちがあるが、両チャンネルとも 1.5-200kHz(-3dB)程度であった。 残留雑音は、左チャンネルで 0.16mV、右チャンネルで 0.45mV と右チャンネルで少し多い。 まだ改良の余地があるようだ。

6G-A4全段差動アンプ・・・再度検討してみたら

現状の問題点は、超高域発振が起こって対処が必要なのに、高域の周波数特性が悪いことだ。

本アンプの前段は、カスコードブートストラップ回路で、高域特性は良いはず。 何が起こっているのだろうか? (普通のカスコード回路は、下図の定電圧ダイオードの下部がアースに接続されており、高周波増幅に用いられる。)

「カスコードブートストラップ 発振」で検索をかけたところ、シミュレーションで発振しやすいという結果を得たページを見つけた。 このページによると信号入力にハイカットフィルターをつけて高域の入力制限をすると良いとのことだ。 指示に従って、信号入力側の 発振止めの1kのあと(上図)に 56pF でアースすることにした。

また、カスコードブートストラップでは定電圧源のダイオード(上図の5.6V)に大容量の電解コンデンサを抱かせている作例はなかった。 よって、この電解コンデンサを除去し、定電圧ダイオードを LED 3個直列に変更した。 このようにしたところ、発振止めの 220 pF のコンデンサを 10 pF に減らしても、残留雑音が著しく悪化すること(>1mV)はなくなったし、歪み率特性も大きな変動はなかった。 少し前進かな。

to be continued…

6G-A4全段差動アンプ・・・なんとか完成に?

歪み率を測定したら、10 kHz の歪み率が著しく悪い。 これまでの経過から疑われるのは、やはり高周波発振だ。

現時点ではオシロスコープで各所をあたっても明らかな発振はない。 しかし、ハムのように聞こえるほど影響を与えた右チャンネルと、10kHz の入力で始めて発振がわかった左チャンネルの補正が同じでよいとは思えない。 当然、右チャンネルのほうは、より補正量が多くて妥当と考えた。

最初に右チャンネルから取り組んだ。 NFB抵抗を ON/OFF しながら、入力FET のソースからアースする補正コンデンサを 10 pF から増やしながら、WaveSpectra で雑音の様子を観察してみたが、0.01 μF (10000 pF)まで増やしても、10 pF と変わる様子はない。

手詰まりで、左チャンネルをチェックしてみたが、補正コンデンサ 10 pF だと、6W程度になると、発振してしまう。 左チャンネルが 10 pF でダメなら、より重篤だった右チャンネルが 10 pF でよいはずはない。 何を指標に決めたらいいのか?

決め手はなかったが、現時点で、あきらかにおかしいのは歪み率特性なので、NFBをなしで 1 kHz と比較して悪化しない容量を探ることにした。

右チャンネルから始める。 47 pF まで変化なし。 一気に 220 pF にしてみたところ、歪み率は一気に改善。 0.1% を切る状況に。 220 pFで左チャンネルを調べてみると、なんと右チャンネルの方が歪み率は良い。 よって、補正コンデンサの容量は、両チャンネルとも  220 pF に決定した。

この状態で聴感にて、NFB量を決定したところ、6dB で良好に感じられた。 NFの微分補正コンデンサなしでの周波数特性は8~55kHz (-3dB)程度である。 高域の伸びは物足りないが、すなおな特性で、微分補正のコンデンサは不要だろう。

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この状態での歪み率特性は下記の通りで、常用域の 0.3 W未満は、どの周波数でも 0.1%を切る結果となった。

これで周波数特性が、もう少し良ければ完成でいいんだけどなぁ。 もう少し、初段ソースの補正コンデンサを減らしてみようか? それともいっそのこと、もっと広いケースにいれて飛びつき発振をもとから絶つ?

to be continued…

6G-A4全段差動アンプ・・・一難去ってまた一難

さて、NFB抵抗とNFB補正コンデンサも決定したので、歪み率を測定してみた。

まずはトラブルがあった右チャンネルから。 1kHz の歪み率は、最低で 0.07% 程度で、6AQ5PP 全段差動 より若干悪いが、0.1% を切っているのでまずまずか。 ところが、10kHz をとったところ、最低でも2% 以上となってしまう。 どうしたことか。 なんと、NFBをかけないときより悪化している。 また、WaveSpectra の表示が数秒に1回、規則的に乱れる。 超低域発振(モーターボーディング)か? 左チャンネルも測定してみると、こちらはもっと悪い。 右チャンネルの現象に加えて、10kHz では出力を上げると発振してしまう。 ただし超低域発振はない。

左チャンネルでの 10kHz 入力での発信周波数はおよそ 20 MHz であった。 右チャンネルのように雑音増加にはつながらなかったが、同じ発振だろうと考えて、同じ対策を取ったところ、発振は解決。 ただし歪み率は悪いまま。

超低域発振は増幅部と電源を介する正帰還と情熱の真空管のサイトににもある。 対策は「初段が、出力段のB電源電圧の変動の影響を受けにくくする」とのことなので、本アンプの場合は、C電源が怪しい。 掲示板でも指摘されていた。 エミッタフォロワが不安定性の問題となる。 ぺるけ師匠の 6AH4GT 全段差動アンプでは、C電源はAC 5V を半波整流で 220 μF X 2, 200Ω のパイ型フィルタであったので、LEDを定電圧源としたシャント型に変更した。 結果は、著しいハムの増加。 両チャンネルとも残留雑音が 2 mV を超えた。 仕方がないので、6.3V + 5V のヒータ電源を利用して、2段フィルタにしたが、残留雑音は 1 mV 止まり。 やけのやんぱちで、7905 の3端子レギュレータにしたら、雑音はもとにもどった。 ここでちょっと音を聴いてみると、やけに寸詰まりで、LM380 の ICアンプのような音。 仕方がないので、もとの 2SA1015 のエミッタフォロワに戻した。 高域特性が良くなるように、おまじないで OS コンをおごることにした。 やけのやんぱち。 ぺるけ師匠にあきれかえられるに違いない。

閑話休題。 どっちにしても、C電源は超低域発振の原因ではない。 他の原因はと思って、いろいろウェブで調べてみたら、OPT配線と信号ラインが近接すると、超低域発振(モーターボーディング)の原因になると。 どれどれと調べてみたら、OPT → 6G-A4(プレート)の配線が、グリッドの放熱線の近くを走っていた。 6G-A4 はふたつのグリッド電極(1番と5番)をつないで放熱する必要があるが、この放熱のための配線である。 おもむろに離してみたら、超低域発振(モーターボーディング)と思われる現象は止まった。

to be continued…