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無帰還A級ディスクリートヘッドホンアンプ HPA-1000 ・・・はらわた

左から、電源スイッチ、出力切り替え、ヘッドホン(XLR4)、NFB切り替え(LEDはNO-NFB時ON)ボリュームつまみ。
足はアルミ無垢(AFM44-20S)にした。
スピーカー出力は、バナナプラグ専用。 ほとんどたかじんさんのデモ機と同じ配置になっている。
中央の緑色の基板は、NFB切り替えのリレー用基板。 見ての通りで、各基板は数ミリ程度しかはなれていない。 QHコネクタのおかげでなんとか配線できている。

無帰還A級ディスクリートヘッドホンアンプ HPA-1000 ・・・再度のトラブルシューティング

最初に考えたのは、はんだ付け不良だ。 音を聴きながら絶縁物で部品をたたくと、はんだ付け不良がわかる。 どこも異常がない。 各部の電圧は正常だし・・・・。 万事休すか。

修正をあきらめて、風呂に入っているときに、左右で違うところとして、アースラインを思い出した。 MUSES72320 ボリューム基板は、入出力ともに左右別の GND端子がある。 これは、たかじんさんによれば、MUSES72323 自体が左右の GND を分けて、チャンネルセパレーションをよくする工夫をしているからとのことだ。 しかしながら、左右別のGND をそのまま入力端子につなぐと、音源で GND は一緒になるので、下図のように左右のRCAケーブルを通して、音源とHPA-1000 のSGNDで大きなループを形成してしまう。 これはノイズ対策上問題になる。

点線がアースループを示している

上記の問題を避けるために、下図のように、入力端子の GND をつなぎ、MUSES72323 基板の左チャンネルのシールド線を利用して、アース電位を供給していた。 こうすれば、上述のループは形成されない。

上図だと、アースラインのループは形成されないが、シールド線によるアース電位は、左チャンネルの信号により、影響を受けることになる。 もしかすると、信号が大きくなると歪み率があがるのはこのためかもしれないと、風呂の中で考えたのだ。 シールド線を通して入力端子の GND をつなぐのではなく、下図のように HPA-1000 の SGND から直接つなぐことにするのだ。 こうすれば、ループも形成されないし、チャンネル信号がアース電位に影響を及ぼすこともない。

結果は大成功で、全体的に歪み率が下がった。 たかじんさんのオリジナルより歪み率は今一つだが、NFB量が6dB 少ないことを考えれば妥当と思われる。 音質はぐっと変わった。 ダイナミックさが大幅に増した。 たった一本の配線の違いで、こんなに影響が及ぶことがあるという貴重な体験をした。 

無帰還A級ディスクリートヘッドホンアンプ HPA-1000 ・・・測定してみる

音が聴けるようになって、たかじんさんのコメント「高級ヘッドホンを駆動するならHPA-1000がおすすめです。 HPA-12からすると一つ上の階に上がったかのような景色が見られると思います。」が気になる。

確かに、HPA-12のA級ミニアンプ(27番のところ)で、ヘッドホンを駆動するより良いのだが、上流の音源次第であるように思えるし、一聴して上という感じがしない。 ブラインドで聴かされたら区別できない。 HPA-12のA級ミニアンプが思いのほか良いのだろうと思っていた。

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周波数特性は左右ともほとんど同じで、-3dB 点はおおよそ 270kHzだ。 位相回転も少なく、素晴らしい特性といえる。

ところが歪み率特性を図り始めたら、とんでもないことがわかった。ヘッドホンを考え、33Ω負荷にて測定したところ、1kHz での歪み率は、0.1mW では左右とも 0.07% と同じだが、10mW では左ch 0.17%、右ch 0.02% と差が開き始め、30mW では左ch 1.0%、右ch 0.07% と桁が違ってくる のだ。 1000mW 程度の定格出力であることを考えると、30mW でこんな歪み率になるのは、あきらかに異常といえる。

どこがおかしいのだろうか。 解決できるのだろうか。

to be continued…

無帰還A級ディスクリートヘッドホンアンプ HPA-1000 ・・・音が出るまで

HPA-1000 の入力端子は、はんだ付けではなく、2.54mm ピッチのヘッダピンにしておいたので、そこをショートするとハム音が消える。 外部から適当な音楽を流し込むときれいな音が流れることから、問題はMUSES 72323 ボリューム基板である。

オシロで動作することを確認していたのに、なぜだ? 壊してしまったかと、取り外してオシロで再確認すると、問題がない。 きちんとボリュームとして動作している。

ハムがでることから、アース関係だろうと思われることからアースの問題だと思われるが、電源を PRT-03 から取っている以上、アースはつながっているはず。 すぐに考え付いたのは、シグナル関係のアースがつながっていないのではと考え、HPA-1000 両基板の SGND間のアースをワニ口クリップでつないでみると、音は出るけどボリュームとしては機能していない。 たかじんさんのホームページでヘルプをもらおうかと思ったが、回路図片手に考えてみることにした。

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回路図を検討すること1週間、わかったことは次の通り。

  1. 電源のGNDは、信号ラインのアースにはつながっていない。
  2. 信号ラインのアースは、左右で分離している。
    → 現状の配線では、信号系のアースがつながれていないので、ハム音がでるのは当然。
    → PRT-03 に一点アースするのが低雑音の決め手であることから、信号ラインのアースは、HPA-1000 の SGND からループができないようにつなげばよい
  3. たかじんさんの説明ページでは、アッテネータとして使う時には、オペアンプの3番と6番をつないで使うように指示があるが、そうすると、MUSES72323 の R+ 信号と R(OUT)信号が混合されることになる。
    → MUSES72320 基板と同じ使い方をするなら、3番だけから出力を取り出せばよい。

以上が正解で、音が出始めた。 「めでたし、めでたし」と思ったが、本当のトラブルシューティングは、実はこれから・・・

to be continued…

無帰還A級ディスクリートヘッドホンアンプ HPA-1000 ・・・作成編

まずは電源部からということで、PRT-03 を作成した。 作成途上で、不具合情報があり、自分はパターンカットで対処。 作成前に不具合情報が手に入って対処できたのは大変ありがたい。

MUSES72323基板はアッテネータとして利用するため、オペアンプ部とそのパスコンの部分は実装しなかった。 0.65mm ピッチのMUSES72323 のはんだ付けは、今回は一回で成功。 過去の失敗が生きた。 発振器とオシロで動作確認して、作成完了。 組み立てが楽になるように、ボリューム部分は 2.54mm ピッチのヘッダピンをたて、QIコネクタで接続するようにした。 1.6mm ダイスでの圧着にもだいぶ慣れたせいか、今回は多用してしまった。

本体基板の作成は小さな表面実装部品がないから楽勝のはず・・・がそうはいかなかった。 いくつかの解決すべき問題がある。

  1. MUSES72323 基板はアッテネータとして使用するので、HPA-1000基板のすぐ近くに配置する必要がある。
  2. NFB回路をシャーシ前面のスイッチまで引き回すわけにはいかないので、リレーでショートさせることにする。 NFB回路の端子が、先のMUSES72323基板からの入力端子と極めて近いところにある。
  3. 終段とドライブ段のトランジスタは基板ごと固定となり、M3 のタップ霧が必要で、ステレオ分で10個も。
  4. ステレオ分の2枚の基板と PRT-03 の SGND と を太い線でつなぐ必要がある。

    つまり、位置決めはやり直しがとても難しい。

結局、たかじんさんのデモ機と同じ配置で、2枚の HPA-1000 基板の間に最小限に切り落としたリレー基板をおき、MUSES 72320 基板は側面に配置することとした。

幸いにして、一発で、HPA-1000基板は DCバランスがとれて、バイアス調整もすんだ。 NFB 量が少ないので、安定度は低めだが、しっかりおいこめた。

喜んで、MUSES72323 基板とつないで、テスト用スピーカにつないで音を確認しようとしたら、音が出ないどころか、強烈なハム音がでてくる。 なぜだ?

to be continued…

無帰還A級ディスクリートヘッドホンアンプ HPA-1000 ・・・構想編

アナログ対応バランス型プリアンプに利用したClassAA フラットアンプで、ヘッドホンに目覚めてしまった。 自作する前に、比較対象としてRatoc RAL-DSDHA2 と M-Audio MicroDAC 24/192を購入したわけだが、当然次は自作だ。

フルバランス・フルディスクリートアンプに利用したたかじんさんのVFA-01基板は、残留ノイズがとても少ないことから、これで作ることも考えたが、たかじんさんがパワーアンプ基板よりも大きい超弩級ヘッドホンアンプと称し、キット化された HPA-1000 を作ってみたくなるのは当然といえよう。

専用トランスのTRS-1000を使うのは当然だ。 TRS-1000の仕様はこちら。 キットでは電子ボリュームPGA2311基板が利用可能で、たかじんさんもHPA-1000で使うことを考えた電子ボリュームだ。 しかしながら、へそ曲がりの私としては、たかじんさんの最新作の電子ボリューム基板である MUSES72323 基板を、アッテネータとして用いることを考えた。 バランス型プリアンプアナログ対応バランス型プリアンプで MUSES72320 を利用して好結果を得ていることもその理由だ。

たかじんさんは、NFBはいらない。no-NFBしか聴かない。というあなたへという記事を出されており、鈴木哲さんが設計したSOULNOTEのアンプを愛用してきた私は、この部分にも惹かれた。  当然、no-NFB に向けた定数変更をしたうえで、3dB の NFB をかけた状況でも使えるようにしよう。

トランジスタは、たかじんさんのオリジナルでは初段に BC550C、次段以降に2SC1845 / 2SA992 であった。 BC550Cはすでに入手不可能、そしてその代替えの BC549もタッチの差で、共立エレショップで品切れになってしまい、入手できなかった。 たかじんさんによれば、初段は hFEが高い 2SC2240BL が望ましいとのことで、次段以降2SC2240 / 2SA970 でも可とのことだった。 次段以降には、GRランクを使うことにした。 終段のトランジスタは指定通り TTC004B / TTA004B を用いることにした。 2SK170/2SK117 などでもよいとのことだったが、VFA-01 で、たかじんさんの指定外の 2SK170 を使って大変苦労したこともあり、今回はオリジナルに近いトランジスタを用いることにした。 抵抗類はタクマンが指定されていたが、ほとんど入手できないことから、手持ちのKOA を利用した。

設置場所を考えると小さい筐体にしたかったが、残留ノイズを減らすためにというたかじんさんからのアドバイスにより、ケースはタカチHY88-43-23SSを利用することに。 たかじんさんのデモ機のタカチで使用された OS88-26-43SS でないのは、OS88-26-43SS が高価だったため。

専用の電源・保護回路基板である PRT-03 では、出力インピータンス切り替えが可能で、出力を切り替えることができる。 せっかくの無帰還A級ディスクリートアンプで、 8Ω: 4500mW(500mWまでA級)の出力が得られるそうなので、1出力はミニワッターとして使えるように、スピーカー出力の端子を出すことに・・・

to be continued...

PRT-03 Rev 1.1 基板の修正

ヘッドホンアンプ基板 HPA-1000 の電源/プロテクタ基板の Rev 1.1 に基板配線ミスがあるとのこと。 たかじんさんからの情報で、リレーの 6pin、11pin を独立させればよいとのことで、下記のようにしてみました。 

  1. 部品取り付け面では、すべての 6pin, 11pin がつながっている。 その間のレジストを数mm はがしておく。 はんだ面ではアースにつながっているところも同じ。 下図にその場所を示します。  
  2. 銅箔の中心にポンチを軽く打ち、3mm 程度のドリルの歯でぐりぐりと銅箔をはがす。
  3. テスターで、銅箔の前後のつながりが、確実に切り離されたことを確認する。
部品面(クリックで拡大)
はんだ付け面(クリックで拡大)

ようこそ、Hifiman Edition XS, Ratoc RAL-DSDHA2 & M-Audio MicroDAC 24/192

バランス改造した Philips SBC HP1000 のおかげで、久々に物欲大魔王がやってきた。 欲しいものは、新しいヘッドホンと市販品のヘッドホンアンプだ。 いずれヘッドホンアンプは作るだろうけれど、比較対象としての市販品が欲しい。 手元には、たかじんさんのヘッドホンアンプ HPA-12基板をミニパワーアンプ化したA級アンプがある。

最初に欲しくなったのは、たかじんさんのサイトに記事があった Fostex TH500RP だ。 なじみの Fostex の平面磁界駆動型とあって、なんとなく音の傾向が想像できるからだ。 イヤーパッドの交換でアコースティックギターが綺麗に鳴るとあれば、欲しくなって当然。 でも、すでに旧機種で後継機はない上に、推奨イヤーパッドもすでに手には入らない。 たかじんさんからのアドバイスは、とにかく試聴してみなさいとのことで・・・。 当然だよね。 ところが地方都市には、試聴できる場所がない。 東京出張した折にでもと、思っていた。 また、試聴するにしても、スマホの出力をそのままではだめだろう。 ポータブル DAC がいるよね。 でも、そのポータブル DAC を買うには、ヘッドホンがいるよね・・・ということで堂堂巡り。

ポータブルDAC の方を調べてみると、知らないメーカーばかり。 そんな折りに、DTM 機器で有名な M-Audio の MicroDAC 24/192 という機種を見つけた。 M-Audio は懐かしいメーカーだ。 Audiophile 24/96 というオーディオカード(DOS/V普及当時は高級サウンドカードをオーディオカードと呼んだ)を長らく使用した。 堂堂巡りから脱却する意味でも、まずは、MicroDAC 24/192 を購入。 M-Audio らしく 、かっちりとソリッドに音を出してくれる。 この機種を選んだもう一つの理由は、ハードウェアボリュームがついていることだ。 電子制御ボリュームの場合、DAC のビット落ちがある機種も散見されるからだ。

コロナウィルス感染症流行が理由で、東京出張はなかなかやってこない。 ところが、ヨドバシカメラ仙台店で、ヘッドホンコーナーがあって試聴可能であることがわかった。 いてもたってもいられず、早速試聴に出かけた。 スマホに Amazon Music HD のお気に入り曲をダウンロードして、MicroDAC 24/192 をつないでの試聴だ。 幸い、私のスマホは、MicroDAC 24/192 をフルに利用可能だ。  下調べはたかじんさんのサイトに出てくるヘッドホンあたりだ。 たかじんさんのサイトでは、平面磁界駆動型の Hifiman Arya の記事があり、とても良さそうだが、完全に予算オーバー。

  • DENON AH-D1200 / 5200 / 7200 / 9200
    比較的優しい音色で楽しいが、もう少し分解能が欲しい。 何を聴いても同じように聞こえるところがある。 値段は正直で、リファレンスのピアノのキータッチの差は 7200 / 9200 でははけっこう良くわかった。 購入したいと思えるのは 9200 だが予算オーバー。
  • SONY MDR-CD900ST / MDR-M1ST
    SONY らしいモニター調の音色で端正な感じが良い。 しかしながら、リファレンスのピアノのキータッチの差は全くわからず。 購入候補にならず。
    後日、MDR-Z1R を TA-ZH1ES 試聴したが、これまたリファレンスのピアノのキータッチは全くわからず。 SONY とはやはり相性があまり良くないようだ。
  • AudioTechnica ATH-WP900
    明快でかっちりしたサウンド。 高域の明快さがあるのに、リファレンスのキータッチの差はわかりにくいが、SONY より良い感じ。 弦楽器のしなやかさの表現は、あまりじょうずではない。 女性ボーカルが際立って聞こえるのだが、色っぽい表現は苦手かもしれない。
  • Sennheiser HD 660S
    SONY の端正さを持ちつつも、楽器の差がよくわかる。 Steinway & sons と Bösendorfer の違いが一聴してわかるのも、とても好ましい。リファレンスのピアノのキータッチの違いもわかる。 バランス接続に最初から対応しているのもよい。 難を言えば、音が軽いというか弦楽器やピアノの低音の沈み込みがいまひとつか。
    後日、HD 820 を試聴して、難点が見事に解消されているのがわかった。 HD 800S だとちょっと不満が残るか。
  • AKG K712 PRO-Y3
    聴いていて楽しい。 鳴りっぷりが良い。 しかしながら分析的に聴くと、少々物足りないか。 例えば、リファレンスのピアノのキータッチの違いはよく聞き込まないとわからない。 バランス接続に対応していないのもマイナスポイント。
  • STAX SRS-3100
    昔聴いたSTAXの音。 きれいだが、蒸留水のようで面白みに欠ける。 AKG の直後に聴いたから、なおさらそう感じたのかもしれない。 期待が大きすぎたのかも。
  • Hifiman Edition XS
    予算的になんとか購入できる Hifiman の機種。 STAX を楽しくした感じに聞こえる。 少々明るすぎる音に聞こえるが、 Steinway & sons と Bösendorfer の違いもわかりやすい。リファレンスのピアノのキータッチの違いはよくわかるし、バランス接続にも最初から対応している。

当初は試聴のみのつもりだったが、物欲大魔王にまけて、Hifiman Edition XS を購入した。 次点というか、Sennheiser HD 660S には未練が残った。不思議と AKG K712 PRO-Y3 の良さも心に残った。 ヘッドホンで散財してしまったので、市販品のヘッドホンアンプは中古を探した。 バランス駆動と DSD再生、USB Audio Class2.0 対応を条件にして探していたら、Ratoc RAL-DSDHA2 を廉価に購入できた。 標準価格 ¥120,000 とのことだから、とんでもないモノではないだろうという予測の元に。

Ratoc RAL-DSDHA2 を Windows PC につないだら、勝手にドライバが組み込まれ、音が出た。 ところが、出てきた音は、とてもお粗末で、聴けたモノではない。 電源を入れっぱなしにして、エージングしても同じ。 安物買いの銭失いになってしまったと後悔しきりだったが、テスト用音源が必要で、横着して Android Tablet につないで音を出したら、端正なのに艶やかな音が出てきた。 驚いて、 Windows PC につないでみると 、またもひどい音に戻ってしまった。 キツネにつまされた思いで、RATOC のサイトを見たところ、Windows 10 用ドライバが準備されているではないか。 さっそく、指示通りにしてドライバを再導入したところ、Android Tablet と同じく良い音でなり出した次第。 Google 先生で検索してみると、同様のj事例がいろいろあるようだ。

ClassAA フラットアンプと PHILIPS SBC HPA1000 ヘッドホン

アナログ対応バランス型プリアンプのフラットアンプには、たかじんさんによる禁断の ClassAA ヘッドホンアンプを利用している。 当然ながら、ヘッドホンで聴いてみたくなる。 ところが、私自身はヘッドホンに余り興味がない。 大昔、大学生のころに STAX の入門機を持ってはいたが、ほとんど使わず、廃棄した覚えがある。

手元にあるのは、PHILIPS SBC HP1000 という太古のモデルのみである。 大好きな PHILIPS が高級ヘッドホンを出したのを知り、輸入専門店を通して購入したのだ。

●形式:セミオープン型
●ユニット:φ50mm
●再生周波数:5-40000Hz
●インピーダンス:32Ω
●感度(1mW):106db/mW
●許容入力:1500mW
●コード:4m、本体着脱式、LC-OFC
●プラグ:
●重量:330g

最適の音響と安定感を提供する室内用最高級HiFiヘッドフォン。 大口径50mmの高磁力ネオジウムドライバーにより、
パワフルな音響を楽しむことができる。 独特の調節可能なヘッドバンドは誰でも簡単に調節できる。 ヘッドフォンカバーはベルベット素材で、着け心地抜群。 

ClassAA回路は、たかじんさんご自身も「どう見ても、相当危険でヤバイ回路です。」とおっしゃっており、動作確認に最初からパワーアンプとスピーカーを使うのは、ちょっと躊躇があって、壊れても良いヘッドホンでスタートした次第。 もともとヘッドホンアンプだし。

ぺるけ師匠のサイトにも、たかじんさんのサイトにも、ヘッドホンのバランス改造記事がある。 GND の共通インピータンスによる悪影響が排除されるためで、ぺるけ師匠によれば、SONY MDR-7506 では、左右間クロストークは -36dB に達するそうだ。 私の PHILIPS SBC HP1000 でも状況は同じなので、改造してみた。 イヤーパッドはプラスティックの爪を注意深く引っ張ればとれるので、後はねじを外して分解するだけ。 2.5mm のステレオジャックを取り外し、穴を広げて3.5mm4極ジャックをホットボンドで固定して完成だ。

バランス改造した PHILIPS SBC HP1000

スマホで Amazon Music HD を一聴して驚いてしまった。 どんな曲を聴いても、音の鮮度があがり音数がふえ、雰囲気がよくわかるようになった。 自宅にて、MOTU M2 からのバランス出力 → 禁断の ClassAA ヘッドホンアンプ → PHILIPS SBC HP1000 で聴いて、完全にノックアウトされた。 最近、ヘッドホンやイヤホンの専門店ができたり、DAC付きのポータブル/据え置き型ヘッドホンアンプが数多く発売されているのは知っていたが、こんな世界があったとは。 新しいヘッドホンと市販品のヘッドホンアンプが欲しくなりましたとさ。