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ClassAA フラットアンプと PHILIPS SBC HPA1000 ヘッドホン

アナログ対応バランス型プリアンプのフラットアンプには、たかじんさんによる禁断の ClassAA ヘッドホンアンプを利用している。 当然ながら、ヘッドホンで聴いてみたくなる。 ところが、私自身はヘッドホンに余り興味がない。 大昔、大学生のころに STAX の入門機を持ってはいたが、ほとんど使わず、廃棄した覚えがある。

手元にあるのは、PHILIPS SBC HP1000 という太古のモデルのみである。 大好きな PHILIPS が高級ヘッドホンを出したのを知り、輸入専門店を通して購入したのだ。

●形式:セミオープン型
●ユニット:φ50mm
●再生周波数:5-40000Hz
●インピーダンス:32Ω
●感度(1mW):106db/mW
●許容入力:1500mW
●コード:4m、本体着脱式、LC-OFC
●プラグ:
●重量:330g

最適の音響と安定感を提供する室内用最高級HiFiヘッドフォン。 大口径50mmの高磁力ネオジウムドライバーにより、
パワフルな音響を楽しむことができる。 独特の調節可能なヘッドバンドは誰でも簡単に調節できる。 ヘッドフォンカバーはベルベット素材で、着け心地抜群。 

ClassAA回路は、たかじんさんご自身も「どう見ても、相当危険でヤバイ回路です。」とおっしゃっており、動作確認に最初からパワーアンプとスピーカーを使うのは、ちょっと躊躇があって、壊れても良いヘッドホンでスタートした次第。 もともとヘッドホンアンプだし。

ぺるけ師匠のサイトにも、たかじんさんのサイトにも、ヘッドホンのバランス改造記事がある。 GND の共通インピータンスによる悪影響が排除されるためで、ぺるけ師匠によれば、SONY MDR-7506 では、左右間クロストークは -36dB に達するそうだ。 私の PHILIPS SBC HP1000 でも状況は同じなので、改造してみた。 イヤーパッドはプラスティックの爪を注意深く引っ張ればとれるので、後はねじを外して分解するだけ。 2.5mm のステレオジャックを取り外し、穴を広げて3.5mm4極ジャックをホットボンドで固定して完成だ。

バランス改造した PHILIPS SBC HP1000

スマホで Amazon Music HD を一聴して驚いてしまった。 どんな曲を聴いても、音の鮮度があがり音数がふえ、雰囲気がよくわかるようになった。 自宅にて、MOTU M2 からのバランス出力 → 禁断の ClassAA ヘッドホンアンプ → PHILIPS SBC HP1000 で聴いて、完全にノックアウトされた。 最近、ヘッドホンやイヤホンの専門店ができたり、DAC付きのポータブル/据え置き型ヘッドホンアンプが数多く発売されているのは知っていたが、こんな世界があったとは。 新しいヘッドホンと市販品のヘッドホンアンプが欲しくなりましたとさ。

アナログ対応のプリアンプを作ろう・・・特性とはらわた

フラットアンプの周波数特性は下記の通り。 実は左右とも全く同じである。 歪み率特性は省略。 なぜなら、WaveGene/WaveSpectra での測定の測定限界以下の部分がほとんどを占めており、100Hz / 1kHz / 10kHz ともに、0.01%の測定結果が長く続く。 測定した意味がないというか。

左チャンネル(クリックで拡大)
右チャンネル(クリックで拡大)

イコライザアンプのほうだが、RIAA偏差はもともとの基板が、20~20kHz で ±0.2dB 程度の偏差であり、そこからバランス化して、0 – 0.15 dB になるように調整している。 すなわち、RIAA偏差は問題にならないはず。 加えて、アナログ対応のプリアンプを作ろう・・・フォノイコライザーのサブソニックフィルターとバランス対応で示したように、15Hz以下はしっかり落としてある。

イコライザアンプのS/N比を測定してみた。 DENON DL-103 をつけて、ボリュームを最大にしたところでの雑音電圧は、左 0.40mV(rms)、右 0.33mV(rms) であった。 アンプは 69dB のゲインなので、入力換算では計算上左 0.12μV、右 0.14μV である。これをdbV換算すると左 -138.4dBV、右 137.0dBV である。 A-weighting補正なしの数字であることを考えると、すばらしいといいたい。 実際、フルボリュームにしても、ノイズは皆無だ。

はらわたは下図。 左側に電源部、右側にイコライザアンプ、その間に、VOL-12&VOL-01、SEL-12 と ClassAA フラットアンプが、所狭しと並んでいる。 シャーシアースはフラットアンプの左側の縦ラグで、アナログ用GNDから得ている。 なおタカチのケースはアルマイト加工してあるので、そのままではケースの各部品間の導通はない。よって下図のように、アルマイト塗装をはがしてきつくねじ止めして、確実にアースされていることを確認する必要がある。

天板のアースをとる前に撮影、クリックで拡大

SONY SRP-D2000互換のパワーディストリビュータと一緒に使用。 前面にTRSジャックとRCAジャックの入力3がある。右の黒いつまみはボリューム。 赤い押しボタンはメニューボタン。 一番右の黒の押ボタンが MC/MM切り替えで、その上にインジゲーターがある。

アナログ対応のプリアンプを作ろう・・・やらかしたこと

今回もいろいろやらかしました。

  1. MUSES72320 のはんだ付け失敗
    バランス型プリアンプで経験しているから余裕のはずだった MUSES72320のはんだ付け。 VOL-01基板で方チャンネルの音が出ないことから、繰り返しているうちに両チャンネルともダメになった。 たかじんさんのホームページの注意書きのうち、「時間にして、1~1.5秒で行って帰ってくる。  これを3~5本くらいやったら、一旦、コテ先をクリーニング。  そのタイミングで ICの上を指で押さえて、熱を冷やす。」を忘れていたため。 気が付かずに、2枚壊してしまった。
  2. パスコンのコンデンサの極性間違い
    完成したと思って、ClassAA フラットアンプの前段(V-AMP)のオペアンプをとっかえひっかえして、好みのオペアンプを探していた時に、イコライザ部分のパスコンの頭が膨らんでいることに気が付いた。 極性の間違い。 12V のところに25V品を使っていたためか、簡単には壊れなかった模様。
頭が膨らんだ MUSE KZ

ちなみに、ClassAAフラットアンプのオペアンプは、OPA827 DUALにが良かった。 MUSES01 は音数が多くてきれいだけど、冷たい感じがしたので却下。 OPA827 はこれから多用しそうな予感。 OPA1655D も気になっている。 なお下記は、平衡入力に改造された6R-HH2全段差動ミニワッターと Tangent Evo4 で試聴したときの印象である。

  • OPA2604・・・リファレンス(フォンテック FOCD3438)の冒頭のピアノのキータッチがでないので却下。
  • OPA2134・・・リファレンスはかろうじて合格だが凡庸。 廉価に済ませたいなら、とても良い選択。
  • MUSES 01・・・リファレンスはかろうじて合格。 音数の多さはOPA2134より良い。
  • OPA627DUAL(NFJ)・・・リファレンスを合格。 音数が少ないが、質の良いラックストーンを思わせる。 これもありかと。
  • OPA827DUAL(秋月)・・・リファレンスをゆうゆう合格。 音数が多く、ダイナミックレンジがよい。
  • LME49720・・・リファレンスを合格。 音数が多く繊細な感じがたまらない。 これはこれであり。 廉価に済ませるなら、きわめて良い選択。

アナログ対応のプリアンプを作ろう・・・フォノイコライザーのMC/MM切り替え

アナログ対応のプリアンプを作ろう・・・フォノイコライザーに示した基板は、MC/MMの切り替えをジャンパで行う。 ジャンパのピンヘッダにピンソケットで配線してスイッチで切り替えればよいと気軽に考えていた。

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回路図をみるとわかるように、ジャンパの一端は、入力ラインに直接つながっている。 MC/MMの信号ラインを長々と、前面の切り替えスイッチまで引き回すのはどうかと思う。 ノイズを引く原因になりかねない。 実際、バラックで実験しても、信号ラインを引き回すとS/N が悪化する。 いっそのこと、MC/MM切り替えは、筐体を開けてジャンパで切り替えとも思ったが、切り替えのたびに外部配線を外して・・・という手間をかけては、カートリッジを交換するのがおっくうになってしまう。 よって、前面スイッチでリレーを駆動して、リレー切り替えと考えた。 リレーは当然、オムロンのG6Aシリーズしかありえない。 シグナルにも対応できる、金クラッド接点を用いているからだ。 なぜかは、たかじんさんの記事「オーディオ用リレー」に詳しい。 

切り替えるべきは、MCと書かれたNF抵抗と、カートリッジの負荷抵抗とした。 R2の47.5kΩのジャンパはショートしておいて、R1の100Ωをリレーでショートすることとした。 C1/C2は、我が家がラジオの強電界地域にあることから、100pF をジャンパでショートしておくことにした。

また、ジャンパを引き回すコネクタにシールド線を用いて、信号側がホット、アースに近い側をコールドとした。 NFB側がうまくいくか心配だったが、交流的にアースされていることが奏効したようだ。

昔の高級プリアンプは、入力切替などの表示に、当時出まわり始めたLEDが用いられていた。 本機でも、MC/MM切り替えをLEDで表示することとした。 昔はLEDは赤しかなかったので、MC青/MM赤とフルカラーLEDで表示することにした。 ここで問題発生。 デザインの都合上、小さな押しボタンスイッチを用いたいのだが、アルターネートは2Pしかないのだ。 MM のときに、どうするのやら・・・ ヒントはたかじんさんの PRT-03 基板にあった。 下図のように、2PスイッチOFFになると、ONになるトランジスタをいれる回路だ。 例によって、これを置くスペースもないので、TNF11-16に組んで、底板を切り取ったSW-20(小型プラケース)にはめ込み、ホットボンドで、前面に貼り付けましたとさ。

※ デジタル用電源(±12V)より分岐 ※ リレーは別基板
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アナログ対応のプリアンプを作ろう・・・電源をどうするか

電源を考えた時に、以前に作ったバランス型プリアンプとは異なる難しさがある。 ひとつは、MCカートリッジ対応のためにノイズ対策を厳重に考える必要があることだ。 もうひとつは、Unbalanced-Balanced 変換基板 でも苦労したように、スペースがないことだ。

バランス型プリアンプでは、デジタルアッテネータの部分と、2つのフラットアンプの電源を、すべてトランスを分けることができた。 今回は不可能だが、せめてデジタル部分とアナログ部分ぐらいはわけたい。 また、ノイズ対策を考えると Rコアトランスを使いたい。 既製品があるわけではないので、特注品となるが、やむを得ないと思っていたところ、ヤフオクに 12V 2回路のRコアトランスが2個セットで出品されたので、手に入れた。 コアの大きさから 30VA 程度と考えられ、このプリアンプには十分だ。

ぺるけ師匠の私のアンプ設計&政策マニュアルのアース回路の解説にあるように、電源ラインにある電解コンデンサには、リップルフィルタとして働いているものと、信号電流の帰路として働くものがある。 このふたつを区別しておくことが大切で、ローカルの基板にもコンデンサを置くことが結構大切だと私は考えている。

たかじんさん設計の Blue Snow DAC でも、デジタル部分とアナログ部分でトランスが分けられており、トランスの近くにリップルフィルタと三端子レギュレータがある。 アナログ部分では、部品近くにローカルのリップルフィルタ&コンデンサが配置されている。 今回はこのパターンをそのまままねすることにした。 お気楽オーディオさんの TypeJ電源基板を利用した。 ショットキーバリアダイオードで整流後、デジタル用では日本ケミコンの105℃低インピーダンス・高リプル電流品で低Z のKZH電解コンデンサの並列使用、アナログ用では、オーディオ用ハイグレード品電解コンデンサ MUSE KZ 電解コンデンサの並列使用とした。LM317/337 で定電圧化後のパスコンには、MUSE KZ と OSコンデンサを併用した。スペースの関係で、チャンネルごとにイコライザ関係部分と ClassAA フラットアンプには、CRとトランジスタによるリップルフィルタをいれ、それ以外には電源供給部にパスコンをいれた。 これらの電解コンデンサはすべて MUSE KZ を使った。 おかげで、MUSE KZ 1000μF 25V の在庫をかなり使うことができた。

ローカルリップルフィルターとパスコン

アナログ対応のプリアンプを作ろう・・・Unbalanced-Balanced 変換基板

このプリアンプは、電気工作作業部屋に置くので、いろいろな入力があったほうがよい。 ところが、とにかく場所がない。 当初、たかじんさんの アンバランスTOバランス変換基板 BLA-01を用いるつもりであったが、95mm × 65mm と大きく、これを乗せるスペースはない。 よって、Unbalanced-Balanced 変換には、できるだけ小さくユニバーサル基板で組むことにした。

いろいろ調べてみて、目を付けたのは、ぺるけ師匠の OPアンプを使ったバランス型ヘッドホンアンプ  である。 特徴は、オペアンプを反転型として利用しているところにある。反転型の良さはたかじんさんの記事に詳しい。 ぺるけ師匠は、OPA2143 を使っているが、OPA2134 は手元に数個しかなく、入手難であるため、MUSES8920 を利用した。 MUSES01が大好きな私ではあるが、あまり使わないところに高価な MUSES01 を使う気にはさすがにならない。 回路図は以下の通り。 ぺるけ師匠の設計だけあって、実に安定。 特性は、DC ー 70kHz(-3dB)で、最小歪み率は WaveGene/WaveSpectra では測定限界以下。

この他、電源供給部に、MUSES KZ 電解コンデンサがパソコンとして入っている。

この基板で苦労したのは、とにかく小さく組むこと。 思考実験を繰り返し、Takachi TNF34-49( 34 x 49mm)に組み上げた。 裏面にも抵抗を配置しないと間に合わない。 BLA-01基板の1/4の面積ですますことができた。 でも、二度とやりたくない・・・。

バランス入力・アンバランス入力が自動で切り替わるように、TRS入力端子は2回路の独立スイッチ付き。 TRSに差し込むと、TRS入力に切り替わる。 小林電機商会で入手した。

アナログ対応のプリアンプを作ろう・・・ClassAA フラットアンプ

とにかく場所がない。 先のバランス型プリアンプでは、フラットアンプとして、たかじんさんの HPA-12 を使い、それぞれに専用トランスをつけた。 場所がない以上、オペアンプで作成することになるが、少しでも音質的に有利になるようにしたい。

目を付けたのは、たかじんさんによる禁断のClass AA ヘッドホンアンプである。 ClassAA とは、Technics が開発した疑似A級アンプ方式だ。 電圧増幅と電力増幅を別々のオペアンプに行わせるので、単なるオペアンプ一発よりも、低歪み率で高ドライブ能力を誇る。 動作原理は、たかじんさんが、テクニクス ClassAA回路とはテクニクス ClassAA回路の実際 のページに詳細な解説をしてくださっている。

ClassAA フラットアンプ

上図の実験(ただし CNF なし)で、-3dB が 900kHz と極めて優秀な周波数特性を示した(下図)。 位相補正を加えた上で、この回路に決定だ。 最終的には位相補正は、6.8pFが最適であった。

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なお、実装して、VOL-12/01 基板につないでみたところ、上図の回路のままだと発振してしまった。 バランス型プリアンプは完成するか・・・またもトラブル発生と同じかもしれない。 HPA-12基板と比較して、この ClassAAフラットアンプが圧倒的に広帯域であることを考えると、当然かも知れない。 先の例にならって、入力に 1kΩ ー 220pF のハイカットフィルタをいれたら、安定しましたとさ。

アナログ対応のプリアンプを作ろう・・・フォノイコライザーのサブソニックフィルターとバランス対応

出典: https://www.analog.com/jp/products/lt1115.html

フォノイコライザーは上記の回路で、この出力を平衡出力にすることと、サブソニックフィルターをいれることが目標だ。

最初のアイディアは、オペアンプによる unbalance-balance 変換回路を付加し、その後に CR型の 6dB/Oct のハイパスフィルターをいれるというアイディアだ。 比較的シンプルと言えるが、フィルタ特性は良くない。

アクティブフィルターにするというのも可能性としてはあり得る。 実際に計算してみるとわかるが、アクティブフィルターにすると低域特性が波打ったり位相がとんでもないことになったりということで、どんなアクティブフィルターにするかという設計思想の問題が多数出てくるようだ。 本格的なアクティブフィルターをつくることにすると、間違いなくそれだけでオペアンプ2回路を要するし、設計もいろいろ大変だ。 周波数特性を優先すると、位相特性が悪化したり、波形応答が悪化したりとといったジレンマが生じる。 回路規模がだいぶ大きくなることは必定だ。

unblance-balance変換回路後に、CR型のハイパスフィルター程度しか自分では設計できないなぁと思い始めたが、unbalance-balance 変換に優秀なライントランスを使うというのはどうかと思った。 優秀なライントランスなら、イコライザー出力程度の電圧なら、10Hz-100kHz 程度を 0~-1dB 程度 の周波数特性を保証できる。 サブソニックフィルターは考えなくてもそうなる。 手元に、TAMURA TAM121115 150Ω:600Ω とちょうど良いトランスもあるので実験してみた。

LT-1010CT は出力電流 ±150mA とかなり強力なので、そのままドライブできるのではとつないでみたところ、イコライザーのNF素子と両方の負荷はさすがに重すぎるようで、波打った周波数特性になってしまった。

オペアンプ一段のバッファ(LME49720)をかませてみると、低出力インピータンスでのドライブになるためか、数10kHz に急峻なピークが現れた。 これを是正するために試行錯誤したところ、R=680Ω/C=1000pF のローパスフィルタを一次側に挿入し、二次側の負荷抵抗を3.9kΩとしたところ下図の特性(オリジナルのEQアンプからの偏差)を得た。

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20 – 20kHz はほぼフラットで、8- 300kHz(0~3dB) と理想的な特性とといえる。  この解決策の問題点は、トランスを利用するため場所をとるということに尽きる。

アナログ対応のプリアンプを作ろう・・・フォノイコライザー

アナログ対応プリアンプなので、フォノイコライザーも必要だ。 スペースファクタの問題から、ディスクリートは無理なので、オペアンプによる回路にならざるを得ない。 使用するカートリッジも、Denon DL-103、Shure V15-TypeIV、Philips GP-422Z/II、GP-922ZとMC型もMM型もあってさまざまだ。 気楽に楽しむという点からは、MM型を常用する可能性も高い。 MM型にしておいて、MCヘッドアンプ・トランスを利用するのも良いが、スペースファクタを考えると内蔵がありがたい。

フォノイコライザでは、RIAA特性を得るために、50Hz(3180μS)から 500Hz(318μS)まで +6dB/oct の低域ブーストを行ったうえで、2.12kHz(75μS)から上の周波数では -6dB/oct の減衰を必要とする。CRによるハイカットフィルターを用いる場合は、フィルターを低インピータンスドライブかつ高インピータンス受けが必要なため、2段の増幅器を重ねる必要があり、S/N比の悪化が問題となる。 その一方で、上記の時定数をNF回路で行う場合には、低域と高域でNF量が数十dB異なる上に、そのインピータンスが低いため、その対応が必要という面倒くさいことになる。 もちろん、そういううるさいことを言わなければ、オペアンプ1本に適当な時定数のNFをかければ、音は出るのだが・・・。

今回の目的には、さらに、MC/MMの両対応が望ましい。 検索エンジンで調べてみると、MC/MM 切り換え機能付きのCR型イコライザーアンプが結構多い。 Linkman(マルツ)の LV3-PE はサブソニックフィルターもついており、仕様も悪くない。 欠点は単電源であることなので、改造すれば使えなくはない。 さらに調べてみると Analog Device 社の超低ノイズ、低歪み、オーディオ・オペアンプ(とメーカーが称している) LT1115 のデータシートには、今回の目的にぴったりの使用例が掲載されていた。

出典: https://www.analog.com/jp/products/lt1115.html

これはよい。 上記の回路が今回の目的に合致するうえに、高速±150mAパワー・バッファ LT1010CT でNFB回路を強力にドライブしており、オペアンプ1本のNF型とは段違いの制動能力が期待できそうだ。 実際、この回路を試した方が、色気があって情報量が多く、かかったコストの低さからは信じられない音と評している。

作成する上での困難さは中途半端な値の抵抗を要することだが、GOOGLE で検索をかけたら、ありがたいことに完成基板として売っていた~!

さっそく取り寄せて、バラックで聴いてみると、本当に低ノイズで音質的にもいい感じだ。 問題点はサブソニックフィルターをどうするかと、unbalance – balance 変換をどうするかだ。

to be continued….

アナログ対応のプリアンプを作ろう・・・妄想編

気軽に使えるLPプレーヤーが欲しいの記事にあるように、新たにKENWOOD KP-9010 を手に入れた。 これに使えるカートリッジとしては、いまさらながら Audio Craft AC-3000 用ストレートアームパイプを入手 の記事で示した Philips GP922Z (このカートリッジは未使用品も含めて数本ある)だけではなく、Denon DL-103、Shure V15-TypeIV、Philips 422Z/II がある。

ところが、現在手元にある動作可能フォノイコライザーアンプは、メインシステム用の Soulnote ph1.0 しかない。 すなわち、新たなフォノイコライザーアンプを作る必要がある。 バラックとしては、過去に使用していた2SK-117 MCヘッドアンプ真空管式CR型 SRPPイコライザがあるが、現時点で聞いてみると明らかにS/N比の点でも音の鮮度の点でも見劣りする。 当時使用していたのは、6G-A4 single アンプなどで、6R-HH2全段差動アンプ6G-A4全段差動アンプのように残留雑音 0.数mV なんて低雑音のアンプではなかったのだ。 すなわち、6R-HH2全段差動アンプに組み合わせられる新しいプリアンプ、それもMC/MM対応フォノイコライザー内蔵のアンプが欲しい。
(最初から、そのつもりだったんでしょ・・・・)

電気工作の作業部屋には、現在、6R-HH2全段差動アンプ と音源の MOTU M2 オーディオインターフェースがある。 スピーカーは、Tangent EVO4である。 メインシステムを置いているリビング兼用15畳と異なり、たかだか4畳半の狭い部屋であり置くスペースもあまりない。 しかしながら満足できない音のプリアンプでも困ると思ったときに、バランス型プリアンプに用いた、たかじんさんの MUSES72320ボリューム基板(VOL-12/VOL-01/SEL-12)のことがふと浮かんだ。 これらの基板は自分が作成に失敗したときのことを考えて配布終了になる前に予備を購入しておいた。 もう手に入らないので非常に貴重な基板だ。 非常に貴重な基板ではあるが、このまま死蔵するのはあまりにもったいないのではないか。 私には貴重な基板だが、その価値がわからない人にはただのゴミだ。 そもそも主要なパーツである MUSES72320 でさえも、後継品の MUSES72323 が発売された以上、いつ手に入らなくなってもおかしくない。 よって、アナログ対応のプリアンプにもこの基板を使おうと決めた。 実を言うと、デスクトップオーディオでの使用なので、すぐ手の届くところだから、普通のロータリースイッチ+アルプス RK27ボリュームでいいじゃないかとも思ったのだが。

電気工作の作業部屋で使うプリアンプなので、これから作成するさまざまな装置につなげることも重要だ。 メインシステムのバランス型プリアンプのようにバランス入力(平衡入力)専用のシステムというわけにはいかない。 アンバランス入力(不平衡入力)でも使えるようにしておきたい。このように考えると、MUSES72320ボリューム基板(VOL-12/VOL-01/SEL-12) を用いる以上、入力は3系統に限られるので、次の3系統の使い方になる。
1: MC/MMフォノイコライザーで平衡出力
2: バランス出力のMOTU M2 or ESI juli@ 用
3: 作成中の機材にも用いるバランス/アンバランス対応入力

ここまで決まると、おのずと決まってくることがある。 バランス型プリアンプのようにフラットアンプにディスクリートの基板(HPA-12)を用いたり、それに対して左右独立したトランスを使ったりということは無理ということだ。 さらにフォノイコライザーアンプを付け加えるとなったら、どれだけ大きなケースが必要になるのか・・・ということだ。 すなわち、フラットアンプにせよ、フォノイコライザーアンプにせよ、オペアンプを使ったタイプで満足できるものを作るという制約でもある。 置き場所の制約から、数多くのトランスを使う(バランス型プリアンプでは3つ)のも難しいだろう。

ここまで妄想がすすむと、何を考えていくべきかがはっきりしてくる。 ひとつは、バランス型プリアンプと似た構成であり、良質のフラットアンプがいるということ。 この点については、たかじんさんのサイトにヒントがあって、禁断のClassAAヘッドホンアンプをフラットアンプとして採用するのが一案。 次に考えるべきは、バランス/アンバランス対応入力を実現するためのアンバランス→バランス変換基板も必要と言うことだ。 これも、たかじんさんののアンバランスTOバランス変換基板 BLA-01 を使えばいいので心配はない。問題は MC/MMフォノイコライザーアンプである。 どんな構成にすべきかたかじんさんのサイトにはヒントがない。 平衡出力を得るために一工夫が必要なことも大きな問題だ。  そして、デスクトップオーディオで用いることから、超低域のカット・・・サブソニックフィルターをいれておくことも音が濁らないようにするために必要というわけで、問題は山積みだ、

to be contined…