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アナログ対応のプリアンプを作ろう・・・特性とはらわた

フラットアンプの周波数特性は下記の通り。 実は左右とも全く同じである。 歪み率特性は省略。 なぜなら、WaveGene/WaveSpectra での測定の測定限界以下の部分がほとんどを占めており、100Hz / 1kHz / 10kHz ともに、0.01%の測定結果が長く続く。 測定した意味がないというか。

左チャンネル(クリックで拡大)
右チャンネル(クリックで拡大)

イコライザアンプのほうだが、RIAA偏差はもともとの基板が、20~20kHz で ±0.2dB 程度の偏差であり、そこからバランス化して、0 – 0.15 dB になるように調整している。 すなわち、RIAA偏差は問題にならないはず。 加えて、アナログ対応のプリアンプを作ろう・・・フォノイコライザーのサブソニックフィルターとバランス対応で示したように、15Hz以下はしっかり落としてある。

イコライザアンプのS/N比を測定してみた。 DENON DL-103 をつけて、ボリュームを最大にしたところでの雑音電圧は、左 0.40mV(rms)、右 0.33mV(rms) であった。 アンプは 69dB のゲインなので、入力換算では計算上左 0.12μV、右 0.14μV である。これをdbV換算すると左 -138.4dBV、右 137.0dBV である。 A-weighting補正なしの数字であることを考えると、すばらしいといいたい。 実際、フルボリュームにしても、ノイズは皆無だ。

はらわたは下図。 左側に電源部、右側にイコライザアンプ、その間に、VOL-12&VOL-01、SEL-12 と ClassAA フラットアンプが、所狭しと並んでいる。 シャーシアースはフラットアンプの左側の縦ラグで、アナログ用GNDから得ている。 なおタカチのケースはアルマイト加工してあるので、そのままではケースの各部品間の導通はない。よって下図のように、アルマイト塗装をはがしてきつくねじ止めして、確実にアースされていることを確認する必要がある。

天板のアースをとる前に撮影、クリックで拡大

SONY SRP-D2000互換のパワーディストリビュータと一緒に使用。 前面にTRSジャックとRCAジャックの入力3がある。右の黒いつまみはボリューム。 赤い押しボタンはメニューボタン。 一番右の黒の押ボタンが MC/MM切り替えで、その上にインジゲーターがある。

バランス型プリアンプは完成するか・・・できた~

歪み率特性を測定してみた。 測定は ESI juli@xte と WaveGene & WaveSpectra で行った。 ESI juli@xte は、アンバランスとバランス入出力を切り替えられるサウンドカードである。 よって、バランス入出力の本プリアンプの歪み率を測定可能である。 この組み合わせによる歪み率測定は0.005%程度が限界である。

測定結果は下記の通りで、最低歪み率は 0.01% を割っており、全ての周波数で歪み率は誤差の範囲内で揃っている。 左右差も誤差の範囲内である。 自画自賛であるが、実に優秀な結果といいたい。

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(クリックで拡大)

使ってみて、リモコンで入力切り替えが出来て、音量調節が出来るのはとても使い勝手が良い。 加えて、仕様的にも我が家にぴったりである。 Ch-1 に Soulnote sd2.0b のDAC出力、Ch-2 にRaspberry Pi + SB32+PRO DoP によるネットワークプレーヤー出力、Ch-3 には、Soulnote ph1.0 の LP プレーヤーのイコライザ出力がつながっている。

現時点では、出力に Soulnote ma 1.0 のバランス出力、あるいは Softone Model 7(出力管 KT-66)がつながっているが、いずれ自作のフルバランスパワーアンプをつなげたい。

上はネットワークプレーヤー
下が本プリアンプ

バランス型プリアンプは完成するか・・・またもトラブル発生

念のために、特性をチェックしてみたところ・・・

(クリックで拡大)

ボリュームが最大だと、500kHz 前後で 1 dB 程度のピークが出てくる。 面白いことに、電子ボリューム(VOL-12,  VOL-01)を 1 dB でもしぼるとこのピークは消える。

よく考えれば、電子ボリューム 1 dB 分の抵抗で、HPA-12 の入力回路に挿入された 100 pF との間でハイカットフィルターが働いたとわかるのだが、「トランジスタ回路は苦手・デジタル回路はわからない 」の先入観で、混乱してしまった。

実際、0 dB で使用することはないので、このままでいいかと考えたり、このままでは気持ち悪いと考えたり・・・・。 結局、たかじんさんの掲示板で相談してしまった。 なんと恥ずかしい。

結論として、HPA-12 の前に 1.8 kΩの抵抗で、このピークは消えましたとさ。

(左Ch:クリックで拡大)

(右Ch:クリックで拡大)

バランス型プリアンプは完成するか・・・トラブル発生

改良と調整のはずが、壊してしまった。

シグナルジェネレータとオシロであたってみると、セレクタ基板の SEL-12 で信号が途切れている。 VOL-12 の入力に触ってみるとノイズが発生するので、MUSES72330 が載っている VOL-12 と VOL-01 は無事だ。

たくさんの表面実装部品が載っている VOL-12 と VOL-01 が無事なのは朗報だ。 しかしながら、SEL-12 はマイコン制御でのセレクタ基板であり、デジタル部分が壊れていたら、私には直しようがない。 リレーを駆動しているトランジスタのベース電圧が明らかに異常であり、駆動トランジスタが壊れているのはすぐにわかった。

とりあえず駆動トランジスタを外して、マイコン制御の出力電圧をあたったところ、幸いなことにそちらは壊れていないことがわかった。 ほっとしつつ、駆動トランジスタを再度ハンダ付けして、おそるおそる電源をいれたところ、SEL-12 が正常に動作した。 よかった~。

さて、気を取り直して試聴したところ、当初はちょっと物足りない感じでがっかりしたが、コンデンサのエージングが進んだのか、音の粒立ちがよくなり、大規模な交響曲のトゥッティも滑らかで心地よい。 後は、特性のチェックだけだ。

追伸: 実は、再度の調整中に、また同じトラブルが起きた。

原因は、VOL-12、VOL-01、SEL-12 のデジタル系と HPA-12 のアナログ系の GND をつないでいなかったことにあることをたかじんさんに教えてもらった。 MUSES72330 の各種GNDが導通していないことから デジタル系、アナログ系の GND を分離して良いと考えた私のミスであった。

バランス型プリアンプは完成するか・・・改良を試みたが

さまざまな曲を1か月ぐらい聞いていたら、大規模な交響曲を聴いていると、トゥッティがうるさく聞こえることに気がついた。

また、たかじんさんの作成では、最低歪み率が 0.01 % を切っている。 本構成は2チャンネル合わせてバランス型にしているので、同じにはならないが、倍を大きく超えているのは、NFB量が足りないためかと思われる。

当初、HPA-12 のゲインを 5倍としたのは、私が作るアンプは低出力のものが多く、フルボリュームが 1V 未満のほうが使い勝手がいいだろうと考えたことや、学生の頃に作ったアンプでは、フラットアンプは 10倍 という固定観念があったためもある。 実際使ってみると、ゲインは有り余っているので、NFB量を増しても使い勝手に影響しない。

以上から、TIPS-12 の バイアスコンデンサを 10µFに増量することにした。Panasonic ECQE  メタライズドポリエステルフィルムコンデンサを用意した。 また、NFB関係をたかじんさんのオリジナルに合わせることにした。

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部品を入れ替えて試聴しようとしたら、なんと音が出ない。 壊れてしまった・・・

to be continued.

 

バランス型プリアンプは完成するか・・・配線と最初の試聴

配線にあたっては、ぺるけさんの平衡プロジェクト をひととおり熟読した。 一番参考になったのは、シグナルラインとアースラインの取り回しだ。 HOTとCOLDの2本のシグナルラインをしっかり捻って配線すれば、シールド線は不要というのは目から鱗だった。 それでよい理由は、平衡回路の基礎4・・・平衡回路の実装 に詳しい。 ぜひ一読されたい。 アースラインについては、ぺるけさんの作例 がとても参考になった。 あらためて、ぺるけさんに心から感謝申し上げたい。

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HPA-12 基板の TIPS集 の音質改善アイディアのほうは、

  • TIPS-10  電圧増幅部へのコンデンサ追加
  • TIPS-11  バイアス回路にコンデンサ追加

がある。 電圧増幅部のほうは、オーディオ用ハイグレード品電解コンデンサ MUSE KZシリーズ 1000µF 25V の追加とした。 バイアス回路のほうは、0.1µF~100µFとかなりの幅が指定されていたので、コメント欄でたかじんさんに伺った。

バイアス部のコンデンサは、音の雰囲気に影響がでます。
何も付けていないと、音数が多く聞こえるけど、音量を上げるとすこしうるさく感じる面もあります。

そこに、0.1~1uF程度のフィルムコンデンサを入れることで音が大人しくなってきます。

更に容量を増やして電解コンにすると、もっと大人しくなるのですが、何か音が物足りなくなってしまいます。

という訳で、好みで選択してください。とっかえひっかえしてみるのが良いと思います。

とご教示いただいたので、1µF のPILKOR 積層メタライズドフィルムをいれてみた。

さて、試聴してみると、プリアンプをいれたほうが、音数が増えた感じがして大満足。 しばらく、このままで聞いてみることにした。

特性的には、歪み率の最低が 0.03% 程度で、周波数特性は下記の通りですなお。 残留雑音は 0.05mV 程度であった。

 

バランス型プリアンプは完成するか・・・MUSES72320 のハンダ付けにチャレンジ

表面実装部品にチャレンジ で示したように、表面実装部品のハンダ付けに成功した後、たかじんさんのSSOPのハンダ付け方法 に従って、MUSES72320 のハンダ付けにチャレンジした。

  1. ランド部でハンダ線を溶かす。
  2. ICに向かってコテを動かしてハンダを流し込む。
  3. コテ先を一度、ICの足の先端部分に少しだけ乗り上げる。
    そのまま、またランド側へとすべらせるようにコテ先を戻す
  4. これを3~5本くらいやったら、一旦、コテ先をクリーニング。  そのタイミングで ICの上を指で押さえて、熱を冷やす。

思ったより簡単・・・と思ったが、念のために写真を撮って拡大してみると・・・ブリッジだらけ、その上、ほこりがいっぱいついている。 あぶない、あぶない。

アルコールで掃除して、ハンダ吸い取り線で、ブリッジを解除して再確認したところ。

さて、動作するか・・・ 緊張の一瞬・・・・

ボリューム部分OK! ばんざ~い。

このあと、LCDパネルは動作したものの、有機ELのパネルが動作しなくて、だいぶ苦戦したけど、たかじんさんから、有機EL用のマイコンでも、LCDパネルが動作することを教えてもらい、有機ELパネルの不良と分かったとさ。

バランス型プリアンプは完成するか・・・表面実装部品にチャレンジ

2020年のコロナウィルス騒ぎで時間が取れた私は、本ホームページにあるように、アンプの制作を久々に始めた。たかじんさんのホームページでは、我が家のサブシステムに使用している HPA-12 基板の改訂バージョンである HPA-1000基板 がリリースされていた。 バランス型プリアンプの作成に必要な半導体や各種部品は死蔵されており、恥ずかしながら表面実装部品のハンダ付けに失敗していることをコメントに書き込んだところ、曲がりのピンセットがあるとよいことを教えてもらった。

2014年のときと大きく異なるのは、はんだごてもだ。 Goot のステーションタイプの RX-701AS を思い切って購入していた。

基板を固定する冶具(Aven 17010 Adjustable Circuit Board Holder by 24-Hours)も手に入れて、準備は万端。

マルツから、表面実装部品を多めに取り寄せて作業を再開したところ、無事に表面実装部品をとりつけることができた。 コツを覚えれば、結構簡単で、曲がりのピンセットで表面実装部品を軽くおさえ、はんだごてにちょっとハンダをつけて、部品の脇のプリント面を滑らせるようにすると、簡単に仮止めできる。 前もってハンダを載せておいて、溶かしてから仮止めするやり方もあるようだが、力の入れ加減を間違うと表面実装部品がピンセットから飛んで行ってしまう。 仮止めさえうまく出来れば、もう片方のハンダは簡単。 ただし、横着せずにピンセットで固定しておくこと。

次は、MUSES72320 のハンダ付けだ。 0.65mm ピッチのハンダ付けは成功するか?

バランス型プリアンプは完成するか・・・挫折からのスタート

我が家のメインシステムは、長らく Soulnote ma1.0 をパワーアンプとして利用しており、マルチチャンネル&AVシステムとの兼用でもあるため、平衡入出力のセレクター(AudioDesign AudioDesign HAS-3LB)とアッテネーター(SPL Volume2)を利用していた。 できるならば、バランス入力がたくさんあるプリアンプが欲しいのだが、適当な製品がない。

Soulnote / Fundamental には該当する製品はないし、3つ以上のバランス入力があるプリアンプと言えば、Accuphase C-3900 ぐらいしか選択肢がない。 200万円を超えるプリアンプはとても購入できないうえに、私自身はあまり Accuphase の音質が好きではない。 ピアノのキータッチの違いのような表現をうまく出しているデモに出会ったことがないからだ。

そんなおりに、ネットワークプレーヤーなどでお世話になっているたかじんさんから、バランス対応入力セレクター付きMUSES72320電子ボリューム基板(VOL-12)が発売された。 バランス対応基板(VOL-01)を追加することで、3バランス入力のプリアンプを作成できる。 さっそく購入したのは良かったのだが、あっという間につまずいた。

表面実装部品のコンデンサ、抵抗(1608サイズ)の半田付けがうまくいかない。 細い先端の半田ごてを準備してトライしたが、あっというまに、部品がぴちっと飛び跳ねて、どっかに行ってしまった。 MUSES72320 の 0.65mmピッチの半田付け以前で失敗してしまったのだ・・・。

2014年の秋ごろに挫折からスタートしたバランス型プリアンプは果たして完成するのか?