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バランス型プリアンプは完成するか・・・フラットアンプの設計

たかじんさんの設計したフルディスクリート・ヘッドホンアンプ HPA-12基板を用いて、回路としてFET入力純A級フルディスクリートヘッドホンアンプをベースにするとしても、各種の定数を決定する必要がある。 これまでに考えたのは、次の2点だ。

  • 貴重なストックから 2SK170 を初段に用いる
  • SEEPの終段はシングル

決めなければならないのは次の点だ。

  • 初段のゲートバイアス抵抗と高域カットのコンデンサ容量
  • 終段のエミッタ抵抗
  • 終段に流す電流量
  • ゲイン(NF抵抗とその補償コンデンサ)
  • Zobel ネットワーク
  • フラットアンプのあとのDCカットコンデンサ等

MUSES72320 のデータシートの使用例からみると、初段バイアスは 470kΩ がよさそう。 初段の高域入力制限はトライ&エラーだろう。 終段のエミッタ抵抗は高いほうが安定度が増すので、たかじんさんの設計の倍ぐらい? そのかわり電流は多めで。 ゲインは少し高めにしておくと使い勝手がいい? ヘッドホンやスピーカーを駆動するアンプではないので、Zobel は不要では? フラットアンプのあとのCRは、フィルムコンデンサの入手性を考えると 1~2.2μF程度か?

たかじんさんのホームページで相談してみたら、設計者のたかじんさんから、ご回答いただいた。 心から感謝。

  • 初段のゲートバイアス抵抗 470kΩはそれでいいが、高域カットのコンデンサは必須で 100pF
  • 終段のエミッタ抵抗が高いと駆動力に影響するそうで、オリジナルのままとする。
  • ゲインはあまり大きくしないほうが良い。
  • Zobel ネットワークを入れたほうが良い。 ゲイン次第だが、2SK170 はゲイン高めとのこと。
  • フラットアンプのあとのDCカットコンデンサは10μ程度で、その後のターミネートは22~47kΩ
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後は作ってみてのお楽しみ。

バランス型プリアンプは完成するか・・・電源部をどうするか

フラットアンプの HPA-12基板には電源部が最初から組み込まれている。 一方、MUSES72320基板のほうは電源部を作成する必要がある。 十分に Low Noise であることも要求したい。

お気楽オーディオキット資料館を探すと、TIの超低ノイズ電源レギュレータの TPS7A47 と TPS7A33 を用いた正負電源基板 TYPE-Iがあった。 これにしよう。 表面実装部品もあるが、比較的大きいこともあって、こちらは楽勝。

ダイオードはファストリカバリーダイオードの UF4007 として、電源コンデンサは、低ESR 低Z電解コンデンサ KZH 35V 2200μF を 3個並列とした。 TPS7A47 と TPS7A33の出力コンデンサは OS コンデンサを当てた。 このあたりは気休めだけど。

HPA-12 の電源のほうは、電流容量多めの UF2010 とした。 ショットキーバリアダイオードを使いたいところだが、電流容量多めのものは穴に入らない。 リップル除去用は KZH 4700μ ×2 でリップルフィルタ抵抗は大きめの 10Ω。 何しろフラットアンプでの使用なので、完全A級動作になるので。 終段のデカップリング用のコンデンサはたかじんさんの指定通りオーディオ用を用いた。 KZ を使いたいところだが、大きさの関係から、ニチコンの  FG 1000μF である。

電源ができたら、次はフラットアンプの設計だ。

バランス型プリアンプは完成するか・・・フラットアンプをどうするか

MUSES72320 の DATASHET にあるように、ボリューム部分が完成したら、その後にバッファ(フラットアンプ)を追加する必要がある。 たかじんさんの設計したフルディスクリート・ヘッドホンアンプ HPA-12基板(1枚でステレオ分)を利用することを考えた。 この基板は、次のようなバリエーションを作成できる。

  • 2SK2145を使ったDCヘッドホンアンプ(Rev2基板専用)
    トランジスタ選別なし。 DC安定度抜群の完全DCアンプ。
  • 2SK2145を使ったA級 DCヘッドホンアンプ(Rev2基板専用)
    トランジスタ選別なし。 TTA004B TTC004B A級 DCアンプ。
  • HPA-12 基本アンプ
    トランジスタ選別なし。  ローノイズ、押しの強い迫力サウンド。
  • FET入力 完全DCヘッドホンアンプ
    初段FET選別必要。 カップリングコンデンサレスで情報量が多い。 派手めなサウンド・大人サウンドの2種類を用意。
  • HPA-12ミニパワーアンプ
    トランジスタ選別なし。 1W+1Wのニアフィールドパワーアンプ。
  • サンスイ907サウンドを参考にしたチューニング
    初段トランジスタ選別必要。 音楽性と躍動感抜群のサウンド。
  • 純A級フルディスクリートヘッドホンアンプ
    トランジスタ選別なし。 ヤミツキになる悪魔のサウンド。
    FET入力 純A級ヘッドホンアンプを追加。 初段FET選別必要。

以上のなかで、私の目算は、FET入力 純A級ヘッドホンアンプだ。 貴重なストックである 2SK170 の差動入力で、SEEPの終段はパラレルではなく、シングルで十分と考えた。

電源トランスには、HPA-12 用に特注されたRコアトランスを用いる。 電流容量としては、今回の目的なら、HPA-12基板2枚に供給できるが、1枚に1個のトランスをあてがう。 もともと25-33VA に用いるコアを 20VA のみ利用している余裕があるトランスで、余裕がありすぎるぐらいだ。 ここは私の主義であって、電源に余裕をもたせると音質が向上する(という思い込みか)と考えている。

あとは、詳細に設計して組み立てて動作確認と、ケーシングだ。MUSES72210 (VOL-12 + VOL-01 + SEL-12)の電源をどうするかも考える必要がある。

バランス型プリアンプは完成するか・・・MUSES72320 のハンダ付けにチャレンジ

表面実装部品にチャレンジ で示したように、表面実装部品のハンダ付けに成功した後、たかじんさんのSSOPのハンダ付け方法 に従って、MUSES72320 のハンダ付けにチャレンジした。

  1. ランド部でハンダ線を溶かす。
  2. ICに向かってコテを動かしてハンダを流し込む。
  3. コテ先を一度、ICの足の先端部分に少しだけ乗り上げる。
    そのまま、またランド側へとすべらせるようにコテ先を戻す
  4. これを3~5本くらいやったら、一旦、コテ先をクリーニング。  そのタイミングで ICの上を指で押さえて、熱を冷やす。

思ったより簡単・・・と思ったが、念のために写真を撮って拡大してみると・・・ブリッジだらけ、その上、ほこりがいっぱいついている。 あぶない、あぶない。

アルコールで掃除して、ハンダ吸い取り線で、ブリッジを解除して再確認したところ。

さて、動作するか・・・ 緊張の一瞬・・・・

ボリューム部分OK! ばんざ~い。

このあと、LCDパネルは動作したものの、有機ELのパネルが動作しなくて、だいぶ苦戦したけど、たかじんさんから、有機EL用のマイコンでも、LCDパネルが動作することを教えてもらい、有機ELパネルの不良と分かったとさ。

PT3 新規導入覚え書き

デスクトップPCの使用頻度が減って、長らくそのままにしておいたが、アンプ作成などの趣味が再開して、再度利用するようになっていた。 おかげで、Core i7 2600 で過ごしていたが、さすがに古すぎるようだ。 ZOOM で背景フィルターを使えないので新調することにした。

  • CPU: Intel Core i7 11700
    本当は、Core i5 11500 のつもりだったが在庫なし
  • Mother: Asus TUF GAMING H570PRO
    USB 3.2 Gen2 2X2 が使えるので
  • RAM: CFD W4U3200CM-8GR (DDR4 PC4-25600 8GB 2枚組)
  • SSD: CFD PG4VNZ CSSD-M2M1TPG4VNZ
    PCI Express 4.0 が使えて最速!

後は旧機から転用。 ケースは相当古い。 品番わからず。 電源は Enermax の Platimax シリーズ。

順調にくみ上げたが、PT3 がうまく動作せず、1日はまった。 旧機から TVTest などをコピーしたから、そのまま動くはずだったのに。 以下はその覚え書き。


「BonDriverの初期化ができません」のエラーで、TVTest  が止まる。 デバイスマネージャーでは、問題なく認識されているのに。 デバイスドライバの削除・再インストールや、PCI-E スロットの位置を変えてもダメ。

PT3 を差し替えて壊したのかもと思い、旧マザーにつけると何ら問題なく動作するので、問題はソフトウェア的な部分に限られる。 TVTest などのソフトウェアは当然白で、デバイスマネージャー上の認識は新旧共に同じなので、BIOS にあたりをつけた。

Advanced メニューの PCI Subsystem Setting に、Above 4 GB Decoding というのをみつけた。 TVtest にせよ、 Bondriver にせよ 32bit アプリケーションなので、PT3 のファームウェアとやりとりできないのだろうと考えた。 Disabled  に設定した。 これがビンゴで「BonDriverの初期化ができません」 のエラーは消えた。

ところが、音が少し出て、すぐに TVTest がフリーズしてしまう。Windows のイベントビューアーによると、INTEL のグラフィックドライバがエラーを出している。 マイクロソフト 基本ディスプレイアダプターに変えてもダメ、INTEL のドライバをか得てもダメ。 「アプリケーションのグラフィックスハードウェアへのアクセスはブロックされました」のエラーが出るようになった。

ここで気がついたのは、MPEG2 デコーダーが旧機と違うからかもと気がついた。 https://bepokuma.com/windows-10-tvtest-microsoft-dtv-dvd-video-decoder/ が無難かと思っていたが、ググってみると、TVTest の作者が作成している、TVTestVideoDecoder.ax を見つけ。 あるウェブページでは TVTest と同じフォルダにいれるだけでよいとあったが、動作しなかった。 説明書きによると、

regsvr32 TVTestVideoDecoder.ax

を管理者権限で実行する必要があるとのこと。 これでぱっちり動作するようになった。 めでたし、めでたし。

バランス型プリアンプは完成するか・・・表面実装部品にチャレンジ

2020年のコロナウィルス騒ぎで時間が取れた私は、本ホームページにあるように、アンプの制作を久々に始めた。たかじんさんのホームページでは、我が家のサブシステムに使用している HPA-12 基板の改訂バージョンである HPA-1000基板 がリリースされていた。 バランス型プリアンプの作成に必要な半導体や各種部品は死蔵されており、恥ずかしながら表面実装部品のハンダ付けに失敗していることをコメントに書き込んだところ、曲がりのピンセットがあるとよいことを教えてもらった。

2014年のときと大きく異なるのは、はんだごてもだ。 Goot のステーションタイプの RX-701AS を思い切って購入していた。

基板を固定する冶具(Aven 17010 Adjustable Circuit Board Holder by 24-Hours)も手に入れて、準備は万端。

マルツから、表面実装部品を多めに取り寄せて作業を再開したところ、無事に表面実装部品をとりつけることができた。 コツを覚えれば、結構簡単で、曲がりのピンセットで表面実装部品を軽くおさえ、はんだごてにちょっとハンダをつけて、部品の脇のプリント面を滑らせるようにすると、簡単に仮止めできる。 前もってハンダを載せておいて、溶かしてから仮止めするやり方もあるようだが、力の入れ加減を間違うと表面実装部品がピンセットから飛んで行ってしまう。 仮止めさえうまく出来れば、もう片方のハンダは簡単。 ただし、横着せずにピンセットで固定しておくこと。

次は、MUSES72320 のハンダ付けだ。 0.65mm ピッチのハンダ付けは成功するか?

バランス型プリアンプは完成するか・・・挫折からのスタート

我が家のメインシステムは、長らく Soulnote ma1.0 をパワーアンプとして利用しており、マルチチャンネル&AVシステムとの兼用でもあるため、平衡入出力のセレクター(AudioDesign AudioDesign HAS-3LB)とアッテネーター(SPL Volume2)を利用していた。 できるならば、バランス入力がたくさんあるプリアンプが欲しいのだが、適当な製品がない。

Soulnote / Fundamental には該当する製品はないし、3つ以上のバランス入力があるプリアンプと言えば、Accuphase C-3900 ぐらいしか選択肢がない。 200万円を超えるプリアンプはとても購入できないうえに、私自身はあまり Accuphase の音質が好きではない。 ピアノのキータッチの違いのような表現をうまく出しているデモに出会ったことがないからだ。

そんなおりに、ネットワークプレーヤーなどでお世話になっているたかじんさんから、バランス対応入力セレクター付きMUSES72320電子ボリューム基板(VOL-12)が発売された。 バランス対応基板(VOL-01)を追加することで、3バランス入力のプリアンプを作成できる。 さっそく購入したのは良かったのだが、あっという間につまずいた。

表面実装部品のコンデンサ、抵抗(1608サイズ)の半田付けがうまくいかない。 細い先端の半田ごてを準備してトライしたが、あっというまに、部品がぴちっと飛び跳ねて、どっかに行ってしまった。 MUSES72320 の 0.65mmピッチの半田付け以前で失敗してしまったのだ・・・。

2014年の秋ごろに挫折からスタートしたバランス型プリアンプは果たして完成するのか?

 

6R-HH2 はミニワッターの夢を見るか・・・はらわた

外観とはらわた。

入力端子は使用場所の都合で前面にある。 もう少し右側にすれば良かった。 つまみはとりあえずの手持ち。 前面と後面だけヘアライン加工した。

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トランスの側面(左下)にリップルフィルターをつけた。 中央左は前段用の定電圧電源。 真ん中左の端子板は、ヒータ電圧切り替えのため。 ショートすると、7DJ8用になる。

左下の緑色の基板は、定電流回路。 当初は抵抗一本で大丈夫だと思っており、場所がなくて苦労した。

出力トランスからのスピーカー接続ラインは、近づけると超高域の飛びつきがあって安定度が悪くなる。 エーモンの配線止め金具で固定して離してある。

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前段はサンハヤトの AT48D で両チャンネル分。 2SK117には2mm のスズメッキ線を渡して接着して熱結合させた。 熱結合があるほうがバランス安定度がよくなる。 信号ラインは距離が短いのでシールド線を使っていない。

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6R-HH2 はミニワッターの夢を見るか・・・完成

最終回路図は下記の通り。

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周波数特性は下記の通りで、6~90kHz (-3dB) 程度である。左右差がないので、代表して左 Ch を示した。

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歪み率特性は下記の通り。 7DJ8全段差動ミニワッターとほぼ同様な結果である。 高域の暴れは 14kΩの出力トランスでもあり仕方ないか。 5%歪み率で 0.7W 程度と、7DJ8前段差動ミニワッター の 0.9W に比べて若干少ない。 残留雑音は 左Ch 0.043mV、右Ch 0.038mVと7DJ8 に比べておおよそ半分程度である。

方形波(矩形波)のオシロも記載しておく。

100Hz

1kHz

10kHz

10kHz 負荷なし

10kHz 0.1μF負荷

10kHz 1μF負荷

0.1μF のコンデンサ負荷では発振気味のリンキングが認められるが、基本的に安定していることがわかる。

肝心かなめの音質だが、7DJ8全段差動ミニワッターが小出力を感じさせないピラミッド型の雄大な音に対して、6R-HH2全段差動ミニワッターは優しさを感じさせる音だ。 もちろん、全段差動ミニワッターらしく、出すべき音はしっかり出してくれる。 14畳のリビングにある Dynaudio Contour 3.3 をしっかり鳴らしてくれる。 ピアノコンチェルトを聴くと、雄大なオーケストレーションの表現では 7DJ8全段差動ミニワッターに一日の長があるが、ピアノのキータッチの違いといった雰囲気感の表現は 6R-HH2全段差動ミニワッターのほうが上手だ。Altec Mini Monitor 8A での試聴では、7DJ8 全段差動ミニワッターは相性が悪いらしく、何を聴いても明るく澄み切ってしまうが、6R-HH2全段差動ミニワッターはこのあたりも上手だ。 ちなみに、7DJ8 全段差動ミニワッターは、ぺるけさんの トランス型 DAC だと静けさの表現も得意だが、Soulnote sd2.0 だと静けさの表現がいまひとつのようだ。 6R-HH2全段差動ミニワッターではこういう相性問題は少ないようだ。

トータルでみて、ミニワッターを思わせないピラミッド型の雄大な音が7DJ8全段差動ミニワッターの長所だが、6R-HH2全段差動ミニワッターでは、雄大さの代わりにおしとやかさを身につけたように思える。 6R-HH2は、全段差動ミニワッターとしても十分に存在価値がある真空管であるといいたい。

追伸: ちょい聴きだが、6R-HH8 もなかなかよい。 7DJ8 と 6R-HH2 の中庸といったところ。 このミニワッターは、アンプ作りなどの作業部屋の tangent EVO4  を鳴らすたに作ったが、ぺるけ師匠が愛用していたことをたったいま知った。 ちなみに、Monitor Audio の R95HD/R45HD も単身赴任先で使っている。 みんなおんなじこと考えるのね…..

7DJ8 全段差動ミニワッター

さて、出力段を定電流化した7DJ8全段差動ミニワッターだが、聴感から、NFBは 11dB ほどかけることとした。 微分補正コンデンサの容量決定は、下記の周波数特性から 470pF に決定した。70kHz 前後の盛り上がりが補正されているのがわかる。

(クリックで拡大)

歪み率特性は下記の通り。5%歪み率で 0.9W とれている。 本家に比べるとやや歪み率が高いが、NFB量が少ないためかもしれない。 残留雑音は 左Ch 0.081mV、右Ch 0.075mVと十分に低い。

さて、本番は 6R-HH2 だがどうだろうか。

to be continued…