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Class AA Circuit

ClassAA フラットアンプと PHILIPS SBC HPA1000 ヘッドホン

アナログ対応バランス型プリアンプのフラットアンプには、たかじんさんによる禁断の ClassAA ヘッドホンアンプを利用している。 当然ながら、ヘッドホンで聴いてみたくなる。 ところが、私自身はヘッドホンに余り興味がない。 大昔、大学生のころに STAX の入門機を持ってはいたが、ほとんど使わず、廃棄した覚えがある。

手元にあるのは、PHILIPS SBC HP1000 という太古のモデルのみである。 大好きな PHILIPS が高級ヘッドホンを出したのを知り、輸入専門店を通して購入したのだ。

●形式:セミオープン型
●ユニット:φ50mm
●再生周波数:5-40000Hz
●インピーダンス:32Ω
●感度(1mW):106db/mW
●許容入力:1500mW
●コード:4m、本体着脱式、LC-OFC
●プラグ:
●重量:330g

最適の音響と安定感を提供する室内用最高級HiFiヘッドフォン。 大口径50mmの高磁力ネオジウムドライバーにより、
パワフルな音響を楽しむことができる。 独特の調節可能なヘッドバンドは誰でも簡単に調節できる。 ヘッドフォンカバーはベルベット素材で、着け心地抜群。 

ClassAA回路は、たかじんさんご自身も「どう見ても、相当危険でヤバイ回路です。」とおっしゃっており、動作確認に最初からパワーアンプとスピーカーを使うのは、ちょっと躊躇があって、壊れても良いヘッドホンでスタートした次第。 もともとヘッドホンアンプだし。

ぺるけ師匠のサイトにも、たかじんさんのサイトにも、ヘッドホンのバランス改造記事がある。 GND の共通インピータンスによる悪影響が排除されるためで、ぺるけ師匠によれば、SONY MDR-7506 では、左右間クロストークは -36dB に達するそうだ。 私の PHILIPS SBC HP1000 でも状況は同じなので、改造してみた。 イヤーパッドはプラスティックの爪を注意深く引っ張ればとれるので、後はねじを外して分解するだけ。 2.5mm のステレオジャックを取り外し、穴を広げて3.5mm4極ジャックをホットボンドで固定して完成だ。

バランス改造した PHILIPS SBC HP1000

スマホで Amazon Music HD を一聴して驚いてしまった。 どんな曲を聴いても、音の鮮度があがり音数がふえ、雰囲気がよくわかるようになった。 自宅にて、MOTU M2 からのバランス出力 → 禁断の ClassAA ヘッドホンアンプ → PHILIPS SBC HP1000 で聴いて、完全にノックアウトされた。 最近、ヘッドホンやイヤホンの専門店ができたり、DAC付きのポータブル/据え置き型ヘッドホンアンプが数多く発売されているのは知っていたが、こんな世界があったとは。 新しいヘッドホンと市販品のヘッドホンアンプが欲しくなりましたとさ。

アナログ対応のプリアンプを作ろう・・・ClassAA フラットアンプ

とにかく場所がない。 先のバランス型プリアンプでは、フラットアンプとして、たかじんさんの HPA-12 を使い、それぞれに専用トランスをつけた。 場所がない以上、オペアンプで作成することになるが、少しでも音質的に有利になるようにしたい。

目を付けたのは、たかじんさんによる禁断のClass AA ヘッドホンアンプである。 ClassAA とは、Technics が開発した疑似A級アンプ方式だ。 電圧増幅と電力増幅を別々のオペアンプに行わせるので、単なるオペアンプ一発よりも、低歪み率で高ドライブ能力を誇る。 動作原理は、たかじんさんが、テクニクス ClassAA回路とはテクニクス ClassAA回路の実際 のページに詳細な解説をしてくださっている。

ClassAA フラットアンプ

上図の実験(ただし CNF なし)で、-3dB が 900kHz と極めて優秀な周波数特性を示した(下図)。 位相補正を加えた上で、この回路に決定だ。 最終的には位相補正は、6.8pFが最適であった。

(クリックで拡大)

なお、実装して、VOL-12/01 基板につないでみたところ、上図の回路のままだと発振してしまった。 バランス型プリアンプは完成するか・・・またもトラブル発生と同じかもしれない。 HPA-12基板と比較して、この ClassAAフラットアンプが圧倒的に広帯域であることを考えると、当然かも知れない。 先の例にならって、入力に 1kΩ ー 220pF のハイカットフィルタをいれたら、安定しましたとさ。