PRT-03 Rev 1.1 基板の修正

ヘッドホンアンプ基板 HPA-1000 の電源/プロテクタ基板の Rev 1.1 に基板配線ミスがあるとのこと。 たかじんさんからの情報で、リレーの 6pin、11pin を独立させればよいとのことで、下記のようにしてみました。 

  1. 部品取り付け面では、すべての 6pin, 11pin がつながっている。 その間のレジストを数mm はがしておく。 はんだ面ではアースにつながっているところも同じ。 下図にその場所を示します。  
  2. 銅箔の中心にポンチを軽く打ち、3mm 程度のドリルの歯でぐりぐりと銅箔をはがす。
  3. テスターで、銅箔の前後のつながりが、確実に切り離されたことを確認する。
部品面(クリックで拡大)
はんだ付け面(クリックで拡大)

ようこそ、Hifiman Edition XS, Ratoc RAL-DSDHA2 & M-Audio MicroDAC 24/192

バランス改造した Philips SBC HP1000 のおかげで、久々に物欲大魔王がやってきた。 欲しいものは、新しいヘッドホンと市販品のヘッドホンアンプだ。 いずれヘッドホンアンプは作るだろうけれど、比較対象としての市販品が欲しい。 手元には、たかじんさんのヘッドホンアンプ HPA-12基板をミニパワーアンプ化したA級アンプがある。

最初に欲しくなったのは、たかじんさんのサイトに記事があった Fostex TH500RP だ。 なじみの Fostex の平面磁界駆動型とあって、なんとなく音の傾向が想像できるからだ。 イヤーパッドの交換でアコースティックギターが綺麗に鳴るとあれば、欲しくなって当然。 でも、すでに旧機種で後継機はない上に、推奨イヤーパッドもすでに手には入らない。 たかじんさんからのアドバイスは、とにかく試聴してみなさいとのことで・・・。 当然だよね。 ところが地方都市には、試聴できる場所がない。 東京出張した折にでもと、思っていた。 また、試聴するにしても、スマホの出力をそのままではだめだろう。 ポータブル DAC がいるよね。 でも、そのポータブル DAC を買うには、ヘッドホンがいるよね・・・ということで堂堂巡り。

ポータブルDAC の方を調べてみると、知らないメーカーばかり。 そんな折りに、DTM 機器で有名な M-Audio の MicroDAC 24/192 という機種を見つけた。 M-Audio は懐かしいメーカーだ。 Audiophile 24/96 というオーディオカード(DOS/V普及当時は高級サウンドカードをオーディオカードと呼んだ)を長らく使用した。 堂堂巡りから脱却する意味でも、まずは、MicroDAC 24/192 を購入。 M-Audio らしく 、かっちりとソリッドに音を出してくれる。 この機種を選んだもう一つの理由は、ハードウェアボリュームがついていることだ。 電子制御ボリュームの場合、DAC のビット落ちがある機種も散見されるからだ。

コロナウィルス感染症流行が理由で、東京出張はなかなかやってこない。 ところが、ヨドバシカメラ仙台店で、ヘッドホンコーナーがあって試聴可能であることがわかった。 いてもたってもいられず、早速試聴に出かけた。 スマホに Amazon Music HD のお気に入り曲をダウンロードして、MicroDAC 24/192 をつないでの試聴だ。 幸い、私のスマホは、MicroDAC 24/192 をフルに利用可能だ。  下調べはたかじんさんのサイトに出てくるヘッドホンあたりだ。 たかじんさんのサイトでは、平面磁界駆動型の Hifiman Arya の記事があり、とても良さそうだが、完全に予算オーバー。

  • DENON AH-D1200 / 5200 / 7200 / 9200
    比較的優しい音色で楽しいが、もう少し分解能が欲しい。 何を聴いても同じように聞こえるところがある。 値段は正直で、リファレンスのピアノのキータッチの差は 7200 / 9200 でははけっこう良くわかった。 購入したいと思えるのは 9200 だが予算オーバー。
  • SONY MDR-CD900ST / MDR-M1ST
    SONY らしいモニター調の音色で端正な感じが良い。 しかしながら、リファレンスのピアノのキータッチの差は全くわからず。 購入候補にならず。
    後日、MDR-Z1R を TA-ZH1ES 試聴したが、これまたリファレンスのピアノのキータッチは全くわからず。 SONY とはやはり相性があまり良くないようだ。
  • AudioTechnica ATH-WP900
    明快でかっちりしたサウンド。 高域の明快さがあるのに、リファレンスのキータッチの差はわかりにくいが、SONY より良い感じ。 弦楽器のしなやかさの表現は、あまりじょうずではない。 女性ボーカルが際立って聞こえるのだが、色っぽい表現は苦手かもしれない。
  • Sennheiser HD 660S
    SONY の端正さを持ちつつも、楽器の差がよくわかる。 Steinway & sons と Bösendorfer の違いが一聴してわかるのも、とても好ましい。リファレンスのピアノのキータッチの違いもわかる。 バランス接続に最初から対応しているのもよい。 難を言えば、音が軽いというか弦楽器やピアノの低音の沈み込みがいまひとつか。
    後日、HD 820 を試聴して、難点が見事に解消されているのがわかった。 HD 800S だとちょっと不満が残るか。
  • AKG K712 PRO-Y3
    聴いていて楽しい。 鳴りっぷりが良い。 しかしながら分析的に聴くと、少々物足りないか。 例えば、リファレンスのピアノのキータッチの違いはよく聞き込まないとわからない。 バランス接続に対応していないのもマイナスポイント。
  • STAX SRS-3100
    昔聴いたSTAXの音。 きれいだが、蒸留水のようで面白みに欠ける。 AKG の直後に聴いたから、なおさらそう感じたのかもしれない。 期待が大きすぎたのかも。
  • Hifiman Edition XS
    予算的になんとか購入できる Hifiman の機種。 STAX を楽しくした感じに聞こえる。 少々明るすぎる音に聞こえるが、 Steinway & sons と Bösendorfer の違いもわかりやすい。リファレンスのピアノのキータッチの違いはよくわかるし、バランス接続にも最初から対応している。

当初は試聴のみのつもりだったが、物欲大魔王にまけて、Hifiman Edition XS を購入した。 次点というか、Sennheiser HD 660S には未練が残った。不思議と AKG K712 PRO-Y3 の良さも心に残った。 ヘッドホンで散財してしまったので、市販品のヘッドホンアンプは中古を探した。 バランス駆動と DSD再生、USB Audio Class2.0 対応を条件にして探していたら、Ratoc RAL-DSDHA2 を廉価に購入できた。 標準価格 ¥120,000 とのことだから、とんでもないモノではないだろうという予測の元に。

Ratoc RAL-DSDHA2 を Windows PC につないだら、勝手にドライバが組み込まれ、音が出た。 ところが、出てきた音は、とてもお粗末で、聴けたモノではない。 電源を入れっぱなしにして、エージングしても同じ。 安物買いの銭失いになってしまったと後悔しきりだったが、テスト用音源が必要で、横着して Android Tablet につないで音を出したら、端正なのに艶やかな音が出てきた。 驚いて、 Windows PC につないでみると 、またもひどい音に戻ってしまった。 キツネにつまされた思いで、RATOC のサイトを見たところ、Windows 10 用ドライバが準備されているではないか。 さっそく、指示通りにしてドライバを再導入したところ、Android Tablet と同じく良い音でなり出した次第。 Google 先生で検索してみると、同様のj事例がいろいろあるようだ。

ClassAA フラットアンプと PHILIPS SBC HPA1000 ヘッドホン

アナログ対応バランス型プリアンプのフラットアンプには、たかじんさんによる禁断の ClassAA ヘッドホンアンプを利用している。 当然ながら、ヘッドホンで聴いてみたくなる。 ところが、私自身はヘッドホンに余り興味がない。 大昔、大学生のころに STAX の入門機を持ってはいたが、ほとんど使わず、廃棄した覚えがある。

手元にあるのは、PHILIPS SBC HP1000 という太古のモデルのみである。 大好きな PHILIPS が高級ヘッドホンを出したのを知り、輸入専門店を通して購入したのだ。

●形式:セミオープン型
●ユニット:φ50mm
●再生周波数:5-40000Hz
●インピーダンス:32Ω
●感度(1mW):106db/mW
●許容入力:1500mW
●コード:4m、本体着脱式、LC-OFC
●プラグ:
●重量:330g

最適の音響と安定感を提供する室内用最高級HiFiヘッドフォン。 大口径50mmの高磁力ネオジウムドライバーにより、
パワフルな音響を楽しむことができる。 独特の調節可能なヘッドバンドは誰でも簡単に調節できる。 ヘッドフォンカバーはベルベット素材で、着け心地抜群。 

ClassAA回路は、たかじんさんご自身も「どう見ても、相当危険でヤバイ回路です。」とおっしゃっており、動作確認に最初からパワーアンプとスピーカーを使うのは、ちょっと躊躇があって、壊れても良いヘッドホンでスタートした次第。 もともとヘッドホンアンプだし。

ぺるけ師匠のサイトにも、たかじんさんのサイトにも、ヘッドホンのバランス改造記事がある。 GND の共通インピータンスによる悪影響が排除されるためで、ぺるけ師匠によれば、SONY MDR-7506 では、左右間クロストークは -36dB に達するそうだ。 私の PHILIPS SBC HP1000 でも状況は同じなので、改造してみた。 イヤーパッドはプラスティックの爪を注意深く引っ張ればとれるので、後はねじを外して分解するだけ。 2.5mm のステレオジャックを取り外し、穴を広げて3.5mm4極ジャックをホットボンドで固定して完成だ。

バランス改造した PHILIPS SBC HP1000

スマホで Amazon Music HD を一聴して驚いてしまった。 どんな曲を聴いても、音の鮮度があがり音数がふえ、雰囲気がよくわかるようになった。 自宅にて、MOTU M2 からのバランス出力 → 禁断の ClassAA ヘッドホンアンプ → PHILIPS SBC HP1000 で聴いて、完全にノックアウトされた。 最近、ヘッドホンやイヤホンの専門店ができたり、DAC付きのポータブル/据え置き型ヘッドホンアンプが数多く発売されているのは知っていたが、こんな世界があったとは。 新しいヘッドホンと市販品のヘッドホンアンプが欲しくなりましたとさ。

6R-HH2 全段差動ミニワッターを平衡入力に改造・・・完成

最終回路図(クリックで拡大)

最終回路図を上に、周波数特性を下に示す。 
周波数特性では、60kHz 付近にわずかなふくらみがあるが、NFC を増減させると、500kHz前後のふくらみが急激に盛り上がってくるので、これで最終特性とした。

左チャンネル 周波数特性 (クリックで拡大)
右チャンネル 周波数特性 (クリックで拡大)

歪み率特性は、バランス入力改造前と測定環境が異なるので比較できない。 理由は不明だが、これまで使用してきた ESI juli@Xte にて、低歪みでの測定ができなくなってしまい、Motu M2で測定したためだ。 しかしながら、最低歪み率は左右ともに0.1%を大幅に下回っており、良好な特性といえるだろう。

残留雑音は、A-weight なしで、左チャンネル 0.048mV、右チャンネル0.049mV であった。また、ON-OFF法によるダンピングファクタは、11.8(1kHz)であった。

聴感上は、7DJ8 と 6R-HH2 との真空管の差が目立たなくなったようだ。 どちらもバランス化する前の 6R-HH2 に近い。 微妙なニュアンスの表現がどちらもうまくなった。 自分の好みでは、6R-HH2 のほうが圧倒的に良い。 リファレンスのピアノのキータッチの差が一層わかりやすいうえに、ダイナミックレンジが上がった感じがする。もともとはミニワッターとして使用されていなかった 6R-HH2 が使えるかどうかのプロジェクトだったわけだが、バランス入力化してみると、低出力という難点はあるものの、デスクトップオーディオ用途では、むしろ推奨されるべき真空管であるように思えてきた。 ただし、この評価はバランス入力プリアンプと Tangent Evo4 の環境によるもので、使用機器との相性がよいのかもしれない。 いずれにせよ、バランス改造は正解だった。

6R-HH2 全段差動ミニワッターを平衡入力に改造・・・トラブルシューティング

前段回路の基板を取り出し、実験用電源につないで、電圧測定をしてみると、両チャンネルともバイアス調整ができない。 どこかが壊れているのだろう。 電圧をチェックしてみると、ひとつを除いて2SC2240GR の BE間が 0.6V前後から大きく外れていた。 これは壊れていると考えて交換したところ、当初正常だった側ではバイアス調整は可能となった。 最初に異常になった側はバイアス調整が出できない。 ぺるけ師匠が頒布してくださった貴重な 2SK117 の異常がないことを願って、発振器で入力しながら、オシロであたってみたら、なんと 2SK117 に信号が届いていない。 どこで途切れたかを探すとグリッド帰還抵抗であった。 はんだ付け不良である。 はんだを吸い上げて、再はんだしたら、バイアス調整が可能になった。 オシロで調べた限り、発振はしていなかった。

先の失敗の経過では、当初正常動作していたチャンネルも、壊れていったところから、何らかの設計不良があると考えざるを得ない。 ここでぺるけ師匠の平衡プロジェクトの記事を確認すると、FET差動バランス型ヘッドホンアンプが、この改造と同じタイプ(第1案)であることがわかった。 よく比較してみると、RNF の先のスピーカー(ヘッドホン)側を抵抗でアースに落としている。 第2案の場合は、NFの基準抵抗がアースに落ちている。 失敗した改造案では、2SK117 のゲートの電位はアッテネータを通してのみアースに接続されている点が大きく違っていた。 想像するに、スピーカーあるいはトランスからの逆起電圧が加わった際に不安定になったのではないだろうか。

(クリックで拡大)

恐る恐る、電源をいれてみる。 何も起こらないことを確認して音を出してみると、問題ないように見える。 加えて、バイアス調整もきちんと働く。 よかった~。

さっそく、Analog Discovery で周波数特性などを図ってみると、NF量が上記の案では、NFが十分かかっていないことがわかって、NFR を 27kΩに変更して、NFC の調整をしてみた。

NFCなし(黒)では、500kHz の盛り上がりが目立つ。この盛り上がりは 10pF(橙)でも改善しないが、22pF(青)ではだいぶ解消される。 しかし容量を増やして 47pF(緑)とすると、また盛り上がりが目立つようになる。 グラフの生データをみると、NFCなしでは可聴帯域の 15kHz付近 で0.3dB程度盛り上がり、 10pF(橙)でも改善しない。 47pF(緑)ではさらに目立つ結果となった。 つまり、22pFが最適値だ。

(クリックで拡大)

6R-HH2 全段差動ミニワッターを平衡入力に改造・・・改造失敗

(クリックで拡大)

さっそく上記のように考えて、改造してみた。 5kΩの4連ボリュームはないので、この部分はアッテネータにしてある。 音出しをしながら、NFが正しくかかることを確認してバイアス調整をしたところ、片チャンネルで調整がうまくできない。 そうしているうちにバイアス調整ができないチャンネルの音が出なくなり、あれっと思っているうちに、煙がでてきた。 急いでコンセントを引っこ抜いて、焼損した場所を特定しようとしたが、どこもない。 電源電圧を確認しながら電源を入れると正常である・・・ どうしたのだろうかと考えているうちに、また煙が出て、トランジスタ側の電圧が出なくなった。

よく見ると2SK3067のゲート抵抗が焼損していた。 ゲート抵抗と2SK3067 を交換して、正常側だけつないで電圧測定をして、故障側の参考にしようとしていたら・・・ なんと、ヒューズが切れてしまった。 今度は、真空管側の2SK3067 が焼損していた。

こうなると、すべてダメということになる。 ぺるけ師匠のページには、前段回路が類似している6DJ8全段差動ミニワッターでは原因不明の発振に見舞われたとある。 やはりだめなのか。 この日は電源回路のすべての半導体を交換して、正常な電圧がでるのを確認して、寝た。 少し頭を冷やさないと。

6R-HH2 全段差動ミニワッターを平衡入力に改造・・・改造にむけて

電気工作作業部屋用のアナログ対応のプリアンプが完成した。 このプリアンプはバランス出力なので、この部屋で使っている6R-HH2全段差動ミニワッターを平衡入力に改造することにした 。

ぺるけ師匠の平衡プロジェクト平衡型6N6P全段差動プッシュプル・ミニワッターにあるように、NFBのかけ方が異なるだけなので、改造は容易だろうと考えた。 考え方としては下記の二通りがあり、第1案のメリットは挿入損失が小さい(-1dB)ことがあげられる。第2案での挿入損失は -6dB と大きい。そのかわり、第1案の場合、NF抵抗が390kΩと大きく固有の浮遊容量が大きく、NFBが安定にかからないかもしれない。第2案はこの点が改良されており、ぺるけ師匠は、平衡型6N6P全段差動プッシュプル・ミニワッターでは、第2案を採用している。

第1案(クリックで拡大)
第2案(クリックで拡大)

我が家の場合は、ぺるけ師匠がご使用のような真空管式プリアンプはないので、入力インピータンスを下げても問題がない・・・というか、下げたほうが様々な点で有利である。 Multichannel 環境で愛用している SOULNOTE sa1.0 も XLR環境の入力インピータンスは 10kΩである。 よって、我が家では、入力インピータンスを下げたうえで、第1案でいってみることにした。 

(to be continued…)

アナログ対応のプリアンプを作ろう・・・特性とはらわた

フラットアンプの周波数特性は下記の通り。 実は左右とも全く同じである。 歪み率特性は省略。 なぜなら、WaveGene/WaveSpectra での測定の測定限界以下の部分がほとんどを占めており、100Hz / 1kHz / 10kHz ともに、0.01%の測定結果が長く続く。 測定した意味がないというか。

左チャンネル(クリックで拡大)
右チャンネル(クリックで拡大)

イコライザアンプのほうだが、RIAA偏差はもともとの基板が、20~20kHz で ±0.2dB 程度の偏差であり、そこからバランス化して、0 – 0.15 dB になるように調整している。 すなわち、RIAA偏差は問題にならないはず。 加えて、アナログ対応のプリアンプを作ろう・・・フォノイコライザーのサブソニックフィルターとバランス対応で示したように、15Hz以下はしっかり落としてある。

イコライザアンプのS/N比を測定してみた。 DENON DL-103 をつけて、ボリュームを最大にしたところでの雑音電圧は、左 0.40mV(rms)、右 0.33mV(rms) であった。 アンプは 69dB のゲインなので、入力換算では計算上左 0.12μV、右 0.14μV である。これをdbV換算すると左 -138.4dBV、右 137.0dBV である。 A-weighting補正なしの数字であることを考えると、すばらしいといいたい。 実際、フルボリュームにしても、ノイズは皆無だ。

はらわたは下図。 左側に電源部、右側にイコライザアンプ、その間に、VOL-12&VOL-01、SEL-12 と ClassAA フラットアンプが、所狭しと並んでいる。 シャーシアースはフラットアンプの左側の縦ラグで、アナログ用GNDから得ている。 なおタカチのケースはアルマイト加工してあるので、そのままではケースの各部品間の導通はない。よって下図のように、アルマイト塗装をはがしてきつくねじ止めして、確実にアースされていることを確認する必要がある。

天板のアースをとる前に撮影、クリックで拡大

SONY SRP-D2000互換のパワーディストリビュータと一緒に使用。 前面にTRSジャックとRCAジャックの入力3がある。右の黒いつまみはボリューム。 赤い押しボタンはメニューボタン。 一番右の黒の押ボタンが MC/MM切り替えで、その上にインジゲーターがある。

アナログ対応のプリアンプを作ろう・・・やらかしたこと

今回もいろいろやらかしました。

  1. MUSES72320 のはんだ付け失敗
    バランス型プリアンプで経験しているから余裕のはずだった MUSES72320のはんだ付け。 VOL-01基板で片チャンネルの音が出ないことから、繰り返しているうちに両チャンネルともダメになった。 たかじんさんのホームページの注意書きのうち、「時間にして、1~1.5秒で行って帰ってくる。  これを3~5本くらいやったら、一旦、コテ先をクリーニング。  そのタイミングで ICの上を指で押さえて、熱を冷やす。」を忘れていたため。 気が付かずに、2枚壊してしまった。
  2. パスコンのコンデンサの極性間違い
    完成したと思って、ClassAA フラットアンプの前段(V-AMP)のオペアンプをとっかえひっかえして、好みのオペアンプを探していた時に、イコライザ部分のパスコンの頭が膨らんでいることに気が付いた。 極性の間違い。 12V のところに25V品を使っていたためか、簡単には壊れなかった模様。
頭が膨らんだ MUSE KZ

ちなみに、ClassAAフラットアンプのオペアンプは、OPA827 DUALにが良かった。 MUSES01 は音数が多くてきれいだけど、冷たい感じがしたので却下。 OPA827 はこれから多用しそうな予感。 OPA1655D も気になっている。 なお下記は、平衡入力に改造された6R-HH2全段差動ミニワッターと Tangent Evo4 で試聴したときの印象である。

  • OPA2604・・・リファレンス(フォンテック FOCD3438)の冒頭のピアノのキータッチがでないので却下。
  • OPA2134・・・リファレンスはかろうじて合格だが凡庸。 廉価に済ませたいなら、とても良い選択。
  • MUSES 01・・・リファレンスはかろうじて合格。 音数の多さはOPA2134より良い。
  • OPA627DUAL(NFJ)・・・リファレンスを合格。 音数が少ないが、質の良いラックストーンを思わせる。 これもありかと。
  • OPA827DUAL(秋月)・・・リファレンスをゆうゆう合格。 音数が多く、ダイナミックレンジがよい。
  • LME49720・・・リファレンスを合格。 音数が多く繊細な感じがたまらない。 これはこれであり。 廉価に済ませるなら、きわめて良い選択。

アナログ対応のプリアンプを作ろう・・・フォノイコライザーのMC/MM切り替え

アナログ対応のプリアンプを作ろう・・・フォノイコライザーに示した基板は、MC/MMの切り替えをジャンパで行う。 ジャンパのピンヘッダにピンソケットで配線してスイッチで切り替えればよいと気軽に考えていた。

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回路図をみるとわかるように、ジャンパの一端は、入力ラインに直接つながっている。 MC/MMの信号ラインを長々と、前面の切り替えスイッチまで引き回すのはどうかと思う。 ノイズを引く原因になりかねない。 実際、バラックで実験しても、信号ラインを引き回すとS/N が悪化する。 いっそのこと、MC/MM切り替えは、筐体を開けてジャンパで切り替えとも思ったが、切り替えのたびに外部配線を外して・・・という手間をかけては、カートリッジを交換するのがおっくうになってしまう。 よって、前面スイッチでリレーを駆動して、リレー切り替えと考えた。 リレーは当然、オムロンのG6Aシリーズしかありえない。 シグナルにも対応できる、金クラッド接点を用いているからだ。 なぜかは、たかじんさんの記事「オーディオ用リレー」に詳しい。 

切り替えるべきは、MCと書かれたNF抵抗と、カートリッジの負荷抵抗とした。 R2の47.5kΩのジャンパはショートしておいて、R1の100Ωをリレーでショートすることとした。 C1/C2は、我が家がラジオの強電界地域にあることから、100pF をジャンパでショートしておくことにした。

また、ジャンパを引き回すコネクタにシールド線を用いて、信号側がホット、アースに近い側をコールドとした。 NFB側がうまくいくか心配だったが、交流的にアースされていることが奏効したようだ。

昔の高級プリアンプは、入力切替などの表示に、当時出まわり始めたLEDが用いられていた。 本機でも、MC/MM切り替えをLEDで表示することとした。 昔はLEDは赤しかなかったので、MC青/MM赤とフルカラーLEDで表示することにした。 ここで問題発生。 デザインの都合上、小さな押しボタンスイッチを用いたいのだが、アルターネートは2Pしかないのだ。 MM のときに、どうするのやら・・・ ヒントはたかじんさんの PRT-03 基板にあった。 下図のように、2PスイッチOFFになると、ONになるトランジスタをいれる回路だ。 例によって、これを置くスペースもないので、TNF11-16に組んで、底板を切り取ったSW-20(小型プラケース)にはめ込み、ホットボンドで、前面に貼り付けましたとさ。

※ デジタル用電源(±12V)より分岐 ※ リレーは別基板
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