たかじんさんによる Blue Snow DAC には、HDMI入力がある。 このHDMI入力は、Blu-lay や DVD に対応した入力(以下、HDMI/MHL と記す)ではなく、DAC内部のI2S接続に対応している、たとえば、たかじんさんによる North Fox Digi (Raspberry pi からの I2Sデジタル出力基板)を使うと Raspberry pi で再生した音楽をHDMI ケーブル経由で I2S接続で鳴らすことができる。 私が作成した Blue Snow DAC でも North Fox Digi で、動作確認していた。
さて本題だが、HDMI/MHL から I2S 信号を取り出すコンバータがあることをTOPPING D90 MQAでI2S入力 – 根布産業代表のブログで知った。 これを使えば、CD → I2S over HDMI → Blue Snow DAC と伝達できるので、原理的に SPDIF経由よりジッターの影響が少なくなるそうだ。 このあたりの詳細な説明は、たかじんさんの記事「SPDIFとHDMI-I2S接続のジッターを比較」にある。 コンバータの入手先は記事では、ebay であったが、もとはといえば Ali Express のようだ。 使い方は簡単で、下図で、AUDIO PATH を AMP にあわせればよい。TVは、HDMI INPUT をそのまま HDMI OUTPUT に出力するモードで、DOUは Multi Ch に対応するらしい。 DC5Vの電源入力は、必要に応じて使えばよいと記事がある。
さて、最初の実験には、Pioneer の DVD Player DV-610AV を用いた。 これは電気工作部屋で SACD を聴くために購入したものだが、いわくつき(?)の後継機にあたるもの。 DV-610AV → I2S over HDMI → Blue Snow DAC で音出しを確認。 DV-610AVの設定は初期設定のままで、CDの音出しはOKであった。 さて、比較対象は、Soulnote cd 1.0 をトランスポートモードで用いた SPD-IF である。
一聴して、DV-610AV → I2S over HDMI の HDMI接続のほうがダイナミックレンジが高く、音数が多いのがわかる。 単独で聞けば気にならないのだが、HDMI接続に比べると、SPD-IF接続は単調に聞える。 HDMI接続のほうは、広大なホール感がわかる感じといったらわかってもらえるだろうか。
ここで、比較対象を Soulnote cd 1.0 のバランス音声出力としてみる。 このようにしてみると、音質の傾向が異なるものの互角な感じ。 以前に示したリファレンスでは、ピアノのキータッチの差は、どちらもよくわかる。 Soulnote cd 1.0 のほうが、やや優しい感じ。 それに対して、CD → I2S over HDMI → Blue Snow DAC では、ピアノの弦の胴なりの表現が巧みで、ダイナミック。 甲乙つけがたい。 ちょっと聞くと、CD → I2S over HDMI → Blue Snow DAC のほうが、ダイナミックだけど、やや荒削りな感じだ。
いずれにせよ、HDMI 出力可能なユニバーサルプレーヤ、I2S over HDMI コンバータと Blue Snow DAC を組み合わせることで、高級CDプレーヤ並みの音が出せることは収穫だ。 Blue Snow DAC の HDMI入力は、DSD信号を受け付けないので、DV-610DVの初期設定で、HDMI出力を PCM 信号に限るようにセットすると、SACD を 88.2KHz の PCM として音出しも可能だ。 これまた収穫だが、DSD入力が可能なDAC と組み合わせると、SACD も高音質で聴けるかもしれない・・・
Blue Snow DAC は電源からIV変換までの全てが ALL IN ONE の基板なので、あまり独自の工夫はないが、私なりにまとめてみた。 基板本体の部品は、手に入らない部品を除いて、たかじんさんの指定通り。 Panasonic の PMLCAP は、音質向上(音数が自然に増える感じ)が出るようなので、オプション箇所も全ていれた。