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Gustard A22 / Blue Snow DAC の HDMI入力 で SACD を聞こう

Gustard A22 の HDMI入力 を設定しよう にて、Pioneer DV-610AV → I2S over HDMI基板 → Gustard A22 の HDMI 入力をへて、DSD 信号で再生可能になったと報告した。 その後、これがうまく働かないときもあって、困ってしまった。 具体的には、DSD信号ではなく、88.2kHz PCM 信号で入力されてしまうのだ。 どうやら、HDMI OUTPUT にモニタがつながっている必要があるようだ。 HDMI negotiation がなされなければ、DSD信号で出力できないのだろう。

だからといって、確実にモニタをつなぐのは大変だ。小さなモニタを買おうかとも思ったが、見もしないモニタを置くのか。 ちょっと調べてみたら、HDMI ダミープラグというのがあることが分かった。 本来はサーバなどの映像出力に差し込んでおくと、サーバからはモニタがあるようにみえる。 この仮想画面に対して、リモートデスクトップなどで接続すれば、モニタレスで運用できるわけだ。

HDMI OUTPUT に差し込んであるのが、HDMIダミープラグ

これは良いと思って購入してつないだが、うまくいかない。 なぜだ。 これは初期設定がモニタごとに変わるためのようだ。 リモコンで初期設定画面を操作して、HDMI出力を自動(DSD)にセットする必要がある。 実際のモニタで練習しておき、盲目的にセットアップして解決した。

Blue Snow DAC だと、COMBO384 入力しか、DSD出力は受けられないので、PCMに変換して受けることになる。 Pioneer DV-610AV だと 88kHz PCM になってしまうが、SONY UBP-X800M2 であれば、176.4kHz PCM に出力できるという記事があり、Blue Snow DAC向けに、買っちゃいました。 そうして、Blue Snow DACの SPD-IF入力を取り外し、I2S over HDMI 入力基板を内蔵させちゃいました。

右上が I2S over HDMI 基板

電源コネクタを無理やりはがしとって、そこに OSコンも載せましたとさ。 なお、こちらのほうは、PCM変換をしているので、HDMIダミープラグは不要でした。

追伸: 試してみたら、Blue Snow DAC でも、COMBO384入力からなら、DSD入力可能でした。 ただし、MUTE端子(11番)を GND に落として、MUTEを解除する必要がありました。

I2S over HDMI コンバータの基板は・・・後編

予備のコンバータではうまくいったのに、なぜだ・・・。 よく見ると、予備の基板は何やらおかしい。 下の写真に示すように、ICのひとつが白い接着剤で固められている。 先に細工した基板では、この白いのがない。

予備の基板

どうやら、外見上同じに見えるコンバータであるが、上記の細工がしてあるものと、していないものがあるということのようだ。 今回、私は予備のコンバータが、Gustard DAC-A22 にぴったりだったという幸運をひきあてていたようだ。

先に行った細工は無駄で、単にショートしておくだけで、SACD再生時の左右が正常化するようだ。 念のために、 DENON オーディオ・チェックSACDを購入して、再確認しておこうと思う。

ここまでくれば、トランス式電源を作っておけば、一通り完成だ。 説明書きには、HDMIケーブル経由の電流で間に合えば不要とのことだが、DSD出力ができなくなるので電源は必須だ。 消費電流を図ると動作時で 150 mA 程度だった。 高周波特性が悪い、逆に言うと電源ノイズが漏れにくい EIコアのトランスを用いて、5V 0.5A 程度あればいいだろうと考えて、マルツに HT-1205 (12V 0.5A)を買いに行ったら、なんと¥2,500 強。 1000円程度で買えていたのに。 

回路は上記の通り。 整流後の電解コンデンサは、超低ESR、超低インピータンスで、105℃品の KZHを2個。 I2S over HDMI コンバータを上に置くことを考えて、ケースをタカチ MB7-5-10 にしたので、多数並列は断念。 三端子レギュレータのパスコンは、お好みの PILKOR(旧 Philips 系)として、OSコンを追加。 OSコンは出力端子にはんだ付け。 スペースの関係で縦ラグを使った配線・・・

この電源は、予想通り、作成して動作確認時はとんでもない音。 KZH電解コンデンサも、OSコンも、初期エージングがとても大切。 48時間つけっぱなしにして、聴ける音になった。 これで、電気工作部屋でも、CD/SACD を満足いく音で聴けるようになった。 めでたし、めでたし。

ところで・・・
左右チャンネルをいれかえるためにDIGIKEY から取り寄せた OMRON G6A-274P 5V は届いたけど、部品箱直行になったとさ。 全然、めでたくなんかないじゃないか。

I2S over HDMI コンバータの基板は・・・前編

CD(PCM入力 over HDMI)で左右が誤った出力になってしまう。 USB入力などの他入力と異なる結果になってしまうことから、力業で左右を変えるしかないかと考えた。 このコンバータは、5Vの電源を使うので、5Vのリレーで手動で左右を入れ替えるわけだ。

こういうときのリレーは当然ながら、OMRON G6A を使いたい。 理由は、金クラッド接点だからだ。 ところが、マルツにもモノタロウにも在庫がない。 モノタロウなら、G6A-234の在庫があったが、長期ストック品(>7年)であり、あまりうれしくない。 ネット上で調べてみると、なぜか DIGIKEY には大量に在庫がある。 DIGIKEYは¥6,000 以上なら、送料無料だ。 他に買いたいものを探さないと、相当割高になってしまう。 定電流ICの LM334Z は、全段差動アンプの前段には好都合だが、秋月電子では1個570円(2023年2月)と結構いい値段で購入をためらっていた。 DIGIKEY だと、在庫は少ないが、カットテープ品が1個160円だった。 まとめ買いするともっと安くなる。 これ幸いと、30個まとめ買いすることにした。

届くまでの間に、I2S over HDMI コンバータを分解してみた。

ねじを外してみると下記の基板がでてくる。 右側に OP1 OPTION との記載がある。

(クリックで拡大)

基板の裏をみると・・・

上記を見てわかるように、DSD入力の時の左右が変わる。 試しに、予備のコンバータの OP1 OPTION をはんだでショートしてから試してみると、CDのときの左右が入れ替わった。 ここをスイッチで切り替えられるようにして、切り替えの状態をLEDで表示できるようにしてみた。

OPTIONのところに、AWG28の電線をはんだ付けした。

基板用のトグルスイッチならなんとか余白につくので、無理やり上記のように配線してみた。 SACDの左右がスイッチで入れ替わるのを確認できた。 ところが、CDを再生してみるとおかしい。 左右が入れ替わっていない。 予備の基板ではうまくいったのに・・・

to be continued….

Gustard A22 の HDMI入力 を設定しよう

Gustard A22 のHDMI入力の設定には、PHASE INVの項目がある。 バランス出力であれば、2番ホットか、3番ホットかを設定できる。位相チェックということになる。

どうやったら、この位相チェックができるのだろうか。 たかじんさんからのアドバイスでは、DA変換後のアナログ出力をみると分かりやすいとのことであった。 残念ながら、入力信号と出力信号の両方をオシロで見てチェックというわけにはいかないようだ。

100Hz のサインウェーブを0.01秒切り出せば、1波長のみになるので、PCからのUSB入力によって得られた信号と、HDMI経由の信号をオシロでみて、同じようにすればよい。 我が家のオシロはデジタルオシロなので、何らかの形でトリガを決めて記録すればよいはずだが、やりかたがわからないので、何回も再生して、画面を見て判断したところ、PHASE INV の項目を Enable にすればよいことがわかった。

これで一件落着のように思えたが、よく考えると、PHASE INV の項目を Enable にしなければならないということは、I2S over HDMI コンバータによる HDMI出力が、Gustard などの中華DACに対応した C2配列であることと相反している。

Gustard A22 HDMI Input(http://www.gustard.cn/?post_type=products&page_id=8942 より)

もしやと思って、CDを再生してみると、違和感がある。 左右が逆かもしれない。 テスト信号を作ってみると、まさにその通り。 どうしよう・・・。

to be continued….

Gustard A22 の HDMI入力 を使ってみよう

I2S over HDMI コンバータによる SACD再生等で実績があるのは、元記事のTOPPING D90 であった。 I2S over HDMI のコンバータに関するWeb上の情報では、TOPPING、S.M.S.L、Gustard、LOXJIE、Sabaj、BRZ HIFI、 DENAFRIPS、MUSICIAN PEGASUS、HOLO AUDIO あたりが動作可能性が高いとのこと。

しかしその一方で、上述の メーカーの DAC製品が、Audio Science ReviewのSINAD(歪とノイズの少なさの指標)ランキングの上位を占めている一方で、音質的に優れているという review が少ないとの指摘もあった。 「高特性は正義か?ASR推奨製品の実力を検証」記事で、同じ中華製のなかで、Gustard A22 が音質的に一歩飛び抜けているとの記載があることから、Gustard DAC-A22 をヤフオクで手に入れることにした。 もちろん、I2S over HDMI 入力で DSD入力によるSACD再生を行うためだ。

Guastard DAC-A22 は、旭化成の AK4499 を DUAL で使用しているDAC だ。 AK4499はTHD + Nが124dBで、ESSのフラッグシップ製品である9038Proチップをデュアル構成した際の122dBと比較しても優秀で、市場に出ているどのチップよりも低い高調波歪みという渾身のチップだが、工場火災により、入手困難となっている。 当然ながら、Guastard DAC-A22 すでに製造中止になっている。 このDAC-A22 の情報は、http://www.gustard.cn/?post_type=products&page_id=8942 にある。 右上の【简体中文】をクリックして、English に変更すれば、英語で情報が手に入る。 ネットからひろったマニュアルは、こちらにある。

Pioneer DV-A610AV のマニュアルに従い、デジタル音声出力の【HDMI出力】をデフォルトの【自動】から、【自動(DSD)】に変えることで、SACD のDSD音声を、HDMI出力からデジタル出力できる。 Gustard DAC-A22 を通して、音が出た。 とりあえず、成功だ。このほかの注意事項としては、SACD再生が、デフォルトの 2ch エリアになっていることの確認も必要だ。  HDMI-INPUT と同じ面にある HDMI-OUTPUT からモニターに接続して設定を行う必要がある。

なお、SACD再生のときの注意事項として、PCMからDSDに移り変わるときに、大きなノイズがでる。 Gustard のリモコンの左上・・・ちょっとみると電源スイッチのようにみえるところが、MUTEボタンであり、これを利用することを忘れないように。

to be continued….