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6AQ5全段差動アンプへの道・・・準備

まずは下準備を・・・

1) もともとのAMP-3では、各チャンネルの 6AQ5(2球)に30mA しか流れていない。 AB級だから当然か? このままで、バイアス電流を増やすと、電源フィルタの抵抗が焼けてしまう。 300Ω/220μF 2段のフィルタ回路を、抵抗を並列にして 150Ωに変更し、ダイオード保護に 10Ωを追加。 電圧は265V程度となって、自己バイアスならちょうど良くなった。 ラッキー!

2)6AQ5を三結にして、LM317による定電流回路に変更。 定電流としては62.5 mA(2球分)で、6AQ5のプレート損失は 7.8W で、データシートによれば、三結垂直偏向出力時は 9W の最大設計中心なので、まあいいだろう。

上記のようにしてみたら、異音がする。 定電流回路の発振はよくあるトラブルらしい。 解決方法をググって、0.01μ のコンデンサを入れましたとさ。

この状態で聴いてみたところ、もともとの状況だと、よく言えば懐かしい音・昭和の音だが、はっきりいうとチャンネルセパレーションが取れていない、ステレオイメージが広がらない、狭帯域の音だったのが、だいぶ改善された感じ。 全段差動アンプは、電源の影響を受けにくいことが、功を奏しているのだろうと思った。

幸いにして、トランスはあまり熱くならない。 長く使っても、手で触っていられる程度。 よって、電源トランスの 235V/150mA は、DC電流値に決定!

3) ボリュームはいつも ALPS RK-27 を使っている。 ところが、AMP-3 付属のつまみはローレットタイプ。 せっかくだから、デザインを壊さずにしたいので、探してみたら、ローレットタイプの音響用(RK2122G-A10K L-20KC)があったので、これを採用。

6AQ5全段差動アンプへの道・・・ラジオ少年 AMP-3

ウェブ上で大変評判の高い全段差動アンプを作ってみたいと思っていた。 情熱の真空管(http://op316.com/tubes/tubes.htm)に、設計マニュアルを始め、たくさんの資料がある。 シャーシ加工が大変なこともあって、なかなかやれずにいたが、ヤフオクで、ラジオ少年 AMP-3 を手に入れ、改造することとした。 6AQ5(実機は高信頼管の6005)を選んだのは、6V6三結の音が割と好みだから。 6G-A4がもったいないので、BGM でいいときは、6V6三結で聴いていたことも多い。 今なら、6EZ5/6EY6あたりを手に入れて使うんだろうと思うが・・・。

元々の回路図は、こちら。 設計者による記事もある。 12AX7によるPK分割で、AB級、ビーム管接続、固定バイアスである。情熱の真空管にも書かれていたが、普通のプッシュプル・アンプを差動プッシュプルに改造するのは、乗り越えないといけないことが多数。

すなわち、AB級からA級への変更に伴う電源電圧の変更、出力トランスのインピータンスの問題などである。 電源トランスは、235V/150mA, 22V/50mA, 6.3V/3A となっている。 AC表示だったら、どうしようと思いつつも、まさか6AQ5PP ステレオを、DC 100mA のトランスでまかなうことはないだろうと、勝手に DC 150mAだと考えた。 電源トランスが熱くなってしまうなら、6AQ5の電流を減らせばいいやと見切り発車。 出力トランスは、5KΩ PP で、8Ωのみの出力。 15W用とのこと。 こちらは一次インピータンスが低すぎるけど、あきらめるしかないか。

「情熱の真空管」のBuilding My Very First Tube Amp講座や、情熱の真空管アンプ(書籍:もはや中古かアマゾンのオンデマンドしかないらしい)を読んで、まずはベーシック2段アンプを作ってみることにした。