「Hifiman Edition XS」タグアーカイブ

ようこそ、Hifiman Edition XS, Ratoc RAL-DSDHA2 & M-Audio MicroDAC 24/192

バランス改造した Philips SBC HP1000 のおかげで、久々に物欲大魔王がやってきた。 欲しいものは、新しいヘッドホンと市販品のヘッドホンアンプだ。 いずれヘッドホンアンプは作るだろうけれど、比較対象としての市販品が欲しい。 手元には、たかじんさんのヘッドホンアンプ HPA-12基板をミニパワーアンプ化したA級アンプがある。

最初に欲しくなったのは、たかじんさんのサイトに記事があった Fostex TH500RP だ。 なじみの Fostex の平面磁界駆動型とあって、なんとなく音の傾向が想像できるからだ。 イヤーパッドの交換でアコースティックギターが綺麗に鳴るとあれば、欲しくなって当然。 でも、すでに旧機種で後継機はない上に、推奨イヤーパッドもすでに手には入らない。 たかじんさんからのアドバイスは、とにかく試聴してみなさいとのことで・・・。 当然だよね。 ところが地方都市には、試聴できる場所がない。 東京出張した折にでもと、思っていた。 また、試聴するにしても、スマホの出力をそのままではだめだろう。 ポータブル DAC がいるよね。 でも、そのポータブル DAC を買うには、ヘッドホンがいるよね・・・ということで堂堂巡り。

ポータブルDAC の方を調べてみると、知らないメーカーばかり。 そんな折りに、DTM 機器で有名な M-Audio の MicroDAC 24/192 という機種を見つけた。 M-Audio は懐かしいメーカーだ。 Audiophile 24/96 というオーディオカード(DOS/V普及当時は高級サウンドカードをオーディオカードと呼んだ)を長らく使用した。 堂堂巡りから脱却する意味でも、まずは、MicroDAC 24/192 を購入。 M-Audio らしく 、かっちりとソリッドに音を出してくれる。 この機種を選んだもう一つの理由は、ハードウェアボリュームがついていることだ。 電子制御ボリュームの場合、DAC のビット落ちがある機種も散見されるからだ。

コロナウィルス感染症流行が理由で、東京出張はなかなかやってこない。 ところが、ヨドバシカメラ仙台店で、ヘッドホンコーナーがあって試聴可能であることがわかった。 いてもたってもいられず、早速試聴に出かけた。 スマホに Amazon Music HD のお気に入り曲をダウンロードして、MicroDAC 24/192 をつないでの試聴だ。 幸い、私のスマホは、MicroDAC 24/192 をフルに利用可能だ。  下調べはたかじんさんのサイトに出てくるヘッドホンあたりだ。 たかじんさんのサイトでは、平面磁界駆動型の Hifiman Arya の記事があり、とても良さそうだが、完全に予算オーバー。

  • DENON AH-D1200 / 5200 / 7200 / 9200
    比較的優しい音色で楽しいが、もう少し分解能が欲しい。 何を聴いても同じように聞こえるところがある。 値段は正直で、リファレンスのピアノのキータッチの差は 7200 / 9200 でははけっこう良くわかった。 購入したいと思えるのは 9200 だが予算オーバー。
  • SONY MDR-CD900ST / MDR-M1ST
    SONY らしいモニター調の音色で端正な感じが良い。 しかしながら、リファレンスのピアノのキータッチの差は全くわからず。 購入候補にならず。
    後日、MDR-Z1R を TA-ZH1ES 試聴したが、これまたリファレンスのピアノのキータッチは全くわからず。 SONY とはやはり相性があまり良くないようだ。
  • AudioTechnica ATH-WP900
    明快でかっちりしたサウンド。 高域の明快さがあるのに、リファレンスのキータッチの差はわかりにくいが、SONY より良い感じ。 弦楽器のしなやかさの表現は、あまりじょうずではない。 女性ボーカルが際立って聞こえるのだが、色っぽい表現は苦手かもしれない。
  • Sennheiser HD 660S
    SONY の端正さを持ちつつも、楽器の差がよくわかる。 Steinway & sons と Bösendorfer の違いが一聴してわかるのも、とても好ましい。リファレンスのピアノのキータッチの違いもわかる。 バランス接続に最初から対応しているのもよい。 難を言えば、音が軽いというか弦楽器やピアノの低音の沈み込みがいまひとつか。
    後日、HD 820 を試聴して、難点が見事に解消されているのがわかった。 HD 800S だとちょっと不満が残るか。
  • AKG K712 PRO-Y3
    聴いていて楽しい。 鳴りっぷりが良い。 しかしながら分析的に聴くと、少々物足りないか。 例えば、リファレンスのピアノのキータッチの違いはよく聞き込まないとわからない。 バランス接続に対応していないのもマイナスポイント。
  • STAX SRS-3100
    昔聴いたSTAXの音。 きれいだが、蒸留水のようで面白みに欠ける。 AKG の直後に聴いたから、なおさらそう感じたのかもしれない。 期待が大きすぎたのかも。
  • Hifiman Edition XS
    予算的になんとか購入できる Hifiman の機種。 STAX を楽しくした感じに聞こえる。 少々明るすぎる音に聞こえるが、 Steinway & sons と Bösendorfer の違いもわかりやすい。リファレンスのピアノのキータッチの違いはよくわかるし、バランス接続にも最初から対応している。

当初は試聴のみのつもりだったが、物欲大魔王にまけて、Hifiman Edition XS を購入した。 次点というか、Sennheiser HD 660S には未練が残った。不思議と AKG K712 PRO-Y3 の良さも心に残った。 ヘッドホンで散財してしまったので、市販品のヘッドホンアンプは中古を探した。 バランス駆動と DSD再生、USB Audio Class2.0 対応を条件にして探していたら、Ratoc RAL-DSDHA2 を廉価に購入できた。 標準価格 ¥120,000 とのことだから、とんでもないモノではないだろうという予測の元に。

Ratoc RAL-DSDHA2 を Windows PC につないだら、勝手にドライバが組み込まれ、音が出た。 ところが、出てきた音は、とてもお粗末で、聴けたモノではない。 電源を入れっぱなしにして、エージングしても同じ。 安物買いの銭失いになってしまったと後悔しきりだったが、テスト用音源が必要で、横着して Android Tablet につないで音を出したら、端正なのに艶やかな音が出てきた。 驚いて、 Windows PC につないでみると 、またもひどい音に戻ってしまった。 キツネにつまされた思いで、RATOC のサイトを見たところ、Windows 10 用ドライバが準備されているではないか。 さっそく、指示通りにしてドライバを再導入したところ、Android Tablet と同じく良い音でなり出した次第。 Google 先生で検索してみると、同様のj事例がいろいろあるようだ。