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Pure Audio でも Subwoofer を使おう・・・はらわた

(クリックで拡大) 左側上段は、INA2134平衡ー不平衡変換基板、中段には切り換えリレーとローパスフィルタ、下段は MUSES72323基板。 右側に電源部がある。
(クリックで拡大) ローパスフィルタ部: オペアンプ NE5532 に、純正の証の PHILIPS マークがある。
(クリックで拡大) 入力部の GND は電源ーシャーシGND から得ている。 ハンダ面で左右ジャンパあり。 出力部は距離が短いためシールド線を使用していない。
(クリックで拡大) 電源の出力のところで立てラグを使って、シャーシGND としている。
表示部: 小さいながら視認性はよい。
表示機は、ホットボンドで無理矢理固定している。

Pure Audio でも Subwoofer を使おう・・・試聴編

たかじんさんの MUSES72323 電子ボリュームは、電源をのぞき、指定通りに作成した。 電源電圧が±12V と低いため、シャントレギュレータなしで直結となっている。 オペアンプは、たかじんさんおすすめの、NJM5534D を用いた。 たかじんさんのおっしゃる通り、DCオフセットは、0.2 mV 以内におさまった。 

AVプリアンプ CX-A5100 の SW出力との切り替えはリレーを用いた。 本機の電源が入ると、スピーカ端子→ハイローコンバータ(INA2134 による平衡不平衡変換基板)→ ローパスフィルタ(40Hz, 12dB/Oct) → MUSES72323電子ボリューム側になる。 4回路の G6A-474P DC24V により、GNDラインも切り換えている。 なお、CX-A5100 の SW出力には、4.7k/510Ωによる固定アッテネータが必要だったことを覚え書きとしておきたい。

ケースは最低限ということで、タカチ YM-350 を選択した。 置き場所考えたときに、大きさ的に最も適切と考えた次第。 今回のように、搭載する基板等の重さが軽く、薄型のケースが必要な場合には良い選択だと思うが、見栄えは余り良くない。 しかしながら、タカチ CU-N 型だと、だいぶ高さがでてしまうので、これまた痛し痒し。 トロイダルトランスの止めねじは、たかじんさんのサイトのコメント欄を参考にして、磁気によるノイズが最少になるように、プラスチック製のネジを調達した。

雑音ひずみ率をいつものように測定しようとしたが、10Hzとか20Hzでは、サウンドカードの入出力をショートして測定しても、最低雑音ひずみ率が 0.7% より下がらなかった。 本機を間に入れても雑音ひずみ率が変わらないことのみ確認した。 入力ショートで、デジタルマルチメータで測定した雑音は 7µV であったが、マルチメータの端子をショートしても同じであり、ハムは皆無といってよいだろう。

さて、Pure Audio で、Fostex CW-250A 2台を使い試聴してみた。 試聴には、Robert Schumann Missa Sacra Op.147(EBS EBS6078)と大西順子 ピアノ・クインテット・スィート(東芝EMI TOCJ-5576)を用いた。 いずれの CD もリッピングしており、foobar2000 での再生である。 foobar2000 で Peakmeter Spectrum を表示させておくと、超低音が再生されているかどうかがはっきりわかる。 Missa Sacra ではオルガンの音が心地よく聞こえるように、大西順子のほうでは、不自然な低音にならないように電子ボリュームを調整してみると、なかなかスィートスポットが狭いようだ。 再現性よく設定するために、電子ボリュームの ATT表示機を付加することにした。

必要なハードウェアは、Arduino Pro Mini 互換基板と OLED 表示器である。 Arduino にプログラムを書き込む USBシリアル基板が付属しているセットを私は購入した。 たかじんさんの記事通りにして問題なく組み上げることができた。 ただし、電源は MUSES72323基板からではなく、別途三端子レギュレータで供給することにした。 もともと、電源のインピータンスを下げるために、470Ωの抵抗が電源にぶらさがっているので、その抵抗代わりということだ。

表示器ができてみると、スィートスポットはせいぜい数dB 程度しかないことがわかった。 ATT表示機を作って正解だった。

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Subwoofer を使うというと、低音がたっぷり出るようになるという印象があるかもしれないが、私の使い方ではそのような変化はない。 オルガンの超低音ががっちりはいっているソフトを除くと、雰囲気感がよくなるというか、部屋が広くなったように感じる程度であり、Subwoofer が鳴っているのがはっきりわかることはあまりない。 よく聴きこむと低音進行がはっきりしたのがわかる程度である。むしろ、Subwoofer を使っての変化としては、高域の音像がシャープになった印象ほうがよく目立つ。 高域の定位感が良くなり、音の粒立ち・キレがよくなった感じがしている。 どうしてなのかは、よくわからないが・・・

Pure Audio でも Subwoofer を使おう・・・ローパスフィルタをどうする

ローパスフィルタをどのように作るか。 当初は、ユニバーサル基板に自分で組むつもりだった。 回路自体は下記の通りだ。 オペアンプには、たかじんさんから譲っていただいた、PHILIPS 純正の NE5532 だ。 パスコンは、オペアンプの近くに PILKOR 1µ、基板上には、KZ 330µ である。

手元に、イトウ電子のオペアンプによるバッファアンプ基板があり、それを活用できないか考えてみた。 結果は下記の通り。

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このようにすることで、小さな基板で実装できることがわかった。周波数特性は、Fc = 40 Hz, 12dB/oct を確認できた。

Pure Audio でも Subwoofer を使おう・・・電源をどうする

電源をどうするか。 当初は、三端子レギュレータで簡単にすますつもりでいた。 三端子レギュレータは、過負荷に対する保護もあり、とても使いやすいからだ。 ところが、たかじんさんのコメントに下記のようにあった。

NJM7815は、 なんというか音が暗いのでお気を付けください。

15Vクラスのレギュレータでしたら、6.8Vのツェナー2直列にしてトランジスタでディスクリート電源を組むというのも良いと思います。 電流リミッターなどいらないのであればですけど。
マイコンやデジタル系なら音に違いが出ない可能性が高いですが、OPAMP回路だと三端子レギュレータとの音の違いに驚くと思います。

当然、試してみるしかない。 ちょうど、たかじんさんのサイトではDC Arrow のプラスマイナス版の話題で盛り上がっていて、試作されていた。 試作された回路をもとに、手元にあるお気楽オーディオさんの基板を改造して、作ってみることにした。

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上記で苦労したのは、ブリッジダイオードの配線だ。 基板はプラスマイナス別のブリッジダイオードになっていないので、空中配線でブリッジダイオード(SDI2100)を配線したら、ちぎれてしまった。 仕方がないので、ミニ基板上にブリッジダイオードを半田付けし、そこからスズめっき線で配線した。 ツェナーダイオードも1本分しか基板上には配置されていないので、空中配線とした。 なお、チェナーダイオードは降伏電圧を測定して、選別して使用した。 こういうあたりは、自作ならではといえる。 結果として、プラス側とマイナス側の電圧差は 0.002V である。 回路図では、PMLCAPを使用したが、実際には場所の関係で使用できず、PILKOR 1μ とした。

to be continued…

Pure Audio でも Subwoofer を使おう・・・構想編

Multi-Ch Audio / Hometheater でも、Pure Audio でも使えるようにするには、Fostex CW-250 のスピーカー入力相当の部分を自作して、AVプリアンプの SW Out → CW-250 Line IN と同様につなげられるようにすれば良い。

我が家の Pure Audio のパワーアンプは、たかじんさんの VFA-01基板による フルバランス・フルディスクリートパワーアンプなので、必要な機能は次の通り。
 1) カーオーディオで用いられるハイローコンバータ
 2) ローパスフィルタ
 3) ボリューム調整と送り出しバッファ

カーオーディオで用いられるハイローコンバータは、廉価品ではトランスだが、ここではオペアンプによる整合を考える。 グランドリフト付きで、Balance – Unbalance 変換を行えば良い。 ここでは、共立エレショップから発売されている平衡-不平衡変換アンプキット を用いることにした。説明書はこちら。オペアンプで作っても良いのだが、せっかくの専用基板があるのがうれしい。 ただし、パスコン等は自分の好きな銘柄に変えよう。 ニチコンKZ 330µ + PILKOR 1µ で。

ローパスフィルタは、スピーカ入力での成果から 40 Hz 12dB/oct でよいことがわかっている。 よって、ローパスフィルタの回路は下記の通り。 オペアンプには、たかじんさんからお譲りいただいた PHILIPS 純正 NE5532 を採用したい。 ローカルのパスコンには、当然ながら、ニチコンKZ 330µ + PILKOR 1µ で。

ボリューム調節と送り出しバッファは、当初アルプス RK-27 と NE5532 によるユニティゲインバッファと考えていたが、RK-27 のボリューム位置によって、微妙に周波数が変わることを嫌うと、バッファを2段重ねる必要が出てくる。 それぐらいならばということで、電子ボリュームを採用することにした。 当初は、たかじんさんの基板から、製作が楽な PG-2311 基板を使おうかと思っていたが、たかじんさんのホームページをよくみると、MUSES72323 ボリューム基板だと、NE5532 の 1回路版である、NE5534 がおすすめとなっているではないか。 0.65mm ピッチの IC 取り付けでまた失敗するかもしれないけれど、こちらを選択することにした。

to be continued…

Pure Audio でも Subwoofer を使おう・・・妄想編

ここ数年の間に、たかじんさんのアンプ基板、DAC基板のおかげで、Pure Audio (2ch Stereo)が復活しているが、一時は Pure Audio が、Multi-Ch Audio / Hometheater に乗っ取られていた。 ヤマハの AVプリアンプ CX-A 5100 が Pure Audio のリファレンスCDを、しっかりならしきったからだ。 試聴室で初めて聴いたときに、嘘だと思った。 DVD の DTS から、Blu-ray のロスレスDolby True HD、DTS-HD Master Audioに対応した Marantz AV8003 に始まり、AV8801に乗換え、AV8802を視聴しにいったときのことだ。

リファレンスCD とは、シューマニアーナ8 (フォンテック FOCD-9328)で、ピアノ・ソナタ 第3番 ヘ短調 Op.14 の冒頭の部分だ。

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上図の1段目から2段目にかけて、左手が重々しく通奏低音を奏でる一方で、右手はメロディラインを、輝かしく、明るく歌い上げる対比がある。 2段目の最後に向かって、上声部も下声部も壮大さを増しつつ、まばゆいばかりに光り輝く。 ところが3段目からは、うってかわって、優しく、おだやかな風景に移り変わる。 上記の楽譜では明るく輝かしさを橙、赤で、重々しさを水色、青で示し、下声部の歌い上げを紫で示した。 黄色系の色は優しさを示しているが、下声部は春風を思わせる温和さだ、 伊藤恵 によるこの CD は、まさに楽譜の指示通りと思われる演奏で、しかも、音量だけではなく、キータッチの違いでもこれらを表現した名演といえる。 長いこと、私はこのCD をリファレンスとしている。 この CD の良さを表現できない機材は、原則として我が家に招き入れないことにしていたが、例外は AVアンプであった。 さすがに映画鑑賞用の機材なので無理なのだと思っていたのだ。

ヤマハ CX-A5100 が、全てのプリアンプ機能を担うようになって、良かったことのひとつに、SACD Multi-Ch の楽しさを知ったことだ。 1960 -70 年代の録音にも Multi-Ch 録音のものがあり、2 ch のステレオ版より楽器の定位感をはじめとして、優れた録音がある。 もうひとつは、サブウーファを使えることだ。 CX-A5100 の特徴のひとつに、Dolby Atmos への対応があって、我が家では 本機の最大限 7.2.4ch を活かしきる構成とした。 すなわち、耳と同じ平面上に Front / Center / Surround / Surround Back の 7台のスピーカー、天井に Front Height / Rear Height の4台、さらに、サブウーファ 2台だ。 Pure Audio 相当の 2ch を聴く場合には、2.2ch で聴ける。 この体験で、50Hz 以下の超低音であっても方向性があって、サブウーファによってホールの雰囲気感が伝わってくる経験をした。

さて、やっと本題だが、たかじんさんの基板によって、Pure Audio が復活しているが、こちらの機械でもサブウーファを使えるようにしようというわけ。 2台のサブウーファは、Fostex CW250 シリーズだ。 このサブウーファはスピーカー入力で、クロスオーバー周波数や音量、位相を調節できる。 スピーカー入力で聴いてみると、やっぱりサブウーファがはいることで、ホールの雰囲気感が伝わってくると言うか、余裕を感じる。 ところが、スピーカー入力でこれらのサブウーファを使うと、Multi-Ch Audio / Hometheater のときにそのままでは使えなくなってしまう。 どちらも両立するためには・・・

to be continued…