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Desktop Audio でも Subwoofer を使おう・・・PM-SUBmini2

電子工作部屋では、10cm 2way の Tangent Evo E4 を使っている。 密閉型でぺるけ師匠も使っておられたようだ。 サイズのわりにしっかりした低音がでる。 メインのシステムでもサブウーファを使って満足したとなれば、こちらにも足してみたくなる。 実際、寝室では、Tangent Evo E4 に Evo E8 を追加して良い結果を得ている。

しかしながら、電子工作部屋は狭い。 Evo E4 も机の上においており、Subwoofer を置くスペースはあまりない。 Evo E8 は余りに大きい。 小さい Subwoofer を探していたところ、Fostex PM-SubMini2 をみつけた。 ローパスフィルタ、ボリューム付きだが、スピーカー入力はない。 メインのシステム用のハイローコンバータ(平衡ー不平衡コンバータ INA2134)のみで使える。 こちらのシステムは、6R-HH2 バランス入力全段差動ミニワッター なので、入力される電圧は最大でも2Vだ。 手元の Rコアトランス、メインシステム同様の電源部で作成して、早速試してみた。  ただし、電源電圧は±9V と低めだ。 ミニワッターの出力は1W未満(4Ω)なので、低めの電源電圧でもだいぶ余裕がある。

置き場所は、ディスプレイのかげで、スピーカ全てはみえない。 条件的には良いとは言いかねる。 Crossover 周波数は、設定できる最低の 60Hzとしてみた。 Evo E4 のウーファー面と、PM-SUBmini2 のウーファ面は10cm 程度しか異ならないので、位相は 180° に設定して調整してみた。 メインシステム同様に、Robert Schumann Missa Sacra Op.147(EBS EBS6078)と大西順子 ピアノ・クインテット・スィート(東芝EMI TOCJ-5576)で試聴してみると、メインシステムのような重低音は無理でも、Missa Sacra では、オルガンの低音進行がはっきり聞こえる。 一度聞いてしまうと、PM-SUBmini2 なしには戻れない。 大西順子 ピアノ・クインテット・スィートのほうでは、雰囲気感がよく出る程度の差違だが、よく聞き込むとベースの沈み込みがよくわかる。 PM-Sibmini2 のボリュームは、クリックがあるボリュームなので、設定の再現性は楽に思えた。

低音を豊かにするテクニックとしては、私のようにサブウーファを使う方法もあれば、電流帰還アンプバスブーストイコライザ もある。電流帰還アンプは、高域も影響してしまうので、特定のアンプと特定のスピーカーでないと採用しがたいが、バスブーストイコライザは、手軽で良い方法だと思う。 ただ、バスブーストイコライザとサブウーファは、得意とする音域が違うように思う。 いかにバスブーストイコライザで周波数特性を変えても、10cm 2way の Tangent Evo E4 から、30Hz 前後の低音を歪みなく出すのは困難だ。 サブウーファならなんとかなるといったところだろうか。 繰り返すが、サブウーファで低音のボリューム感を向上させるのではない。 雰囲気感の向上である。 サブウーファが鳴っているのが、ちょい聞きではわからない程度に使って、満足しているのだ。

Pure Audio でも Subwoofer を使おう・・・はらわた

(クリックで拡大) 左側上段は、INA2134平衡ー不平衡変換基板、中段には切り換えリレーとローパスフィルタ、下段は MUSES72323基板。 右側に電源部がある。
(クリックで拡大) ローパスフィルタ部: オペアンプ NE5532 に、純正の証の PHILIPS マークがある。
(クリックで拡大) 入力部の GND は電源ーシャーシGND から得ている。 ハンダ面で左右ジャンパあり。 出力部は距離が短いためシールド線を使用していない。
(クリックで拡大) 電源の出力のところで立てラグを使って、シャーシGND としている。
表示部: 小さいながら視認性はよい。
表示機は、ホットボンドで無理矢理固定している。

Pure Audio でも Subwoofer を使おう・・・試聴編

たかじんさんの MUSES72323 電子ボリュームは、電源をのぞき、指定通りに作成した。 電源電圧が±12V と低いため、シャントレギュレータなしで直結となっている。 オペアンプは、たかじんさんおすすめの、NJM5534D を用いた。 たかじんさんのおっしゃる通り、DCオフセットは、0.2 mV 以内におさまった。 

AVプリアンプ CX-A5100 の SW出力との切り替えはリレーを用いた。 本機の電源が入ると、スピーカ端子→ハイローコンバータ(INA2134 による平衡不平衡変換基板)→ ローパスフィルタ(40Hz, 12dB/Oct) → MUSES72323電子ボリューム側になる。 4回路の G6A-474P DC24V により、GNDラインも切り換えている。 なお、CX-A5100 の SW出力には、4.7k/510Ωによる固定アッテネータが必要だったことを覚え書きとしておきたい。

ケースは最低限ということで、タカチ YM-350 を選択した。 置き場所考えたときに、大きさ的に最も適切と考えた次第。 今回のように、搭載する基板等の重さが軽く、薄型のケースが必要な場合には良い選択だと思うが、見栄えは余り良くない。 しかしながら、タカチ CU-N 型だと、だいぶ高さがでてしまうので、これまた痛し痒し。 トロイダルトランスの止めねじは、たかじんさんのサイトのコメント欄を参考にして、磁気によるノイズが最少になるように、プラスチック製のネジを調達した。

雑音ひずみ率をいつものように測定しようとしたが、10Hzとか20Hzでは、サウンドカードの入出力をショートして測定しても、最低雑音ひずみ率が 0.7% より下がらなかった。 本機を間に入れても雑音ひずみ率が変わらないことのみ確認した。 入力ショートで、デジタルマルチメータで測定した雑音は 7µV であったが、マルチメータの端子をショートしても同じであり、ハムは皆無といってよいだろう。

さて、Pure Audio で、Fostex CW-250A 2台を使い試聴してみた。 試聴には、Robert Schumann Missa Sacra Op.147(EBS EBS6078)と大西順子 ピアノ・クインテット・スィート(東芝EMI TOCJ-5576)を用いた。 いずれの CD もリッピングしており、foobar2000 での再生である。 foobar2000 で Peakmeter Spectrum を表示させておくと、超低音が再生されているかどうかがはっきりわかる。 Missa Sacra ではオルガンの音が心地よく聞こえるように、大西順子のほうでは、不自然な低音にならないように電子ボリュームを調整してみると、なかなかスィートスポットが狭いようだ。 再現性よく設定するために、電子ボリュームの ATT表示機を付加することにした。

必要なハードウェアは、Arduino Pro Mini 互換基板と OLED 表示器である。 Arduino にプログラムを書き込む USBシリアル基板が付属しているセットを私は購入した。 たかじんさんの記事通りにして問題なく組み上げることができた。 ただし、電源は MUSES72323基板からではなく、別途三端子レギュレータで供給することにした。 もともと、電源のインピータンスを下げるために、470Ωの抵抗が電源にぶらさがっているので、その抵抗代わりということだ。

表示器ができてみると、スィートスポットはせいぜい数dB 程度しかないことがわかった。 ATT表示機を作って正解だった。

(クリックで拡大)

Subwoofer を使うというと、低音がたっぷり出るようになるという印象があるかもしれないが、私の使い方ではそのような変化はない。 オルガンの超低音ががっちりはいっているソフトを除くと、雰囲気感がよくなるというか、部屋が広くなったように感じる程度であり、Subwoofer が鳴っているのがはっきりわかることはあまりない。 よく聴きこむと低音進行がはっきりしたのがわかる程度である。むしろ、Subwoofer を使っての変化としては、高域の音像がシャープになった印象ほうがよく目立つ。 高域の定位感が良くなり、音の粒立ち・キレがよくなった感じがしている。 どうしてなのかは、よくわからないが・・・

Pure Audio でも Subwoofer を使おう・・・構想編

Multi-Ch Audio / Hometheater でも、Pure Audio でも使えるようにするには、Fostex CW-250 のスピーカー入力相当の部分を自作して、AVプリアンプの SW Out → CW-250 Line IN と同様につなげられるようにすれば良い。

我が家の Pure Audio のパワーアンプは、たかじんさんの VFA-01基板による フルバランス・フルディスクリートパワーアンプなので、必要な機能は次の通り。
 1) カーオーディオで用いられるハイローコンバータ
 2) ローパスフィルタ
 3) ボリューム調整と送り出しバッファ

カーオーディオで用いられるハイローコンバータは、廉価品ではトランスだが、ここではオペアンプによる整合を考える。 グランドリフト付きで、Balance – Unbalance 変換を行えば良い。 ここでは、共立エレショップから発売されている平衡-不平衡変換アンプキット を用いることにした。説明書はこちら。オペアンプで作っても良いのだが、せっかくの専用基板があるのがうれしい。 ただし、パスコン等は自分の好きな銘柄に変えよう。 ニチコンKZ 330µ + PILKOR 1µ で。

ローパスフィルタは、スピーカ入力での成果から 40 Hz 12dB/oct でよいことがわかっている。 よって、ローパスフィルタの回路は下記の通り。 オペアンプには、たかじんさんからお譲りいただいた PHILIPS 純正 NE5532 を採用したい。 ローカルのパスコンには、当然ながら、ニチコンKZ 330µ + PILKOR 1µ で。

ボリューム調節と送り出しバッファは、当初アルプス RK-27 と NE5532 によるユニティゲインバッファと考えていたが、RK-27 のボリューム位置によって、微妙に周波数が変わることを嫌うと、バッファを2段重ねる必要が出てくる。 それぐらいならばということで、電子ボリュームを採用することにした。 当初は、たかじんさんの基板から、製作が楽な PG-2311 基板を使おうかと思っていたが、たかじんさんのホームページをよくみると、MUSES72323 ボリューム基板だと、NE5532 の 1回路版である、NE5534 がおすすめとなっているではないか。 0.65mm ピッチの IC 取り付けでまた失敗するかもしれないけれど、こちらを選択することにした。

to be continued…