アナログ対応のプリアンプを作ろう・・・電源をどうするか

電源を考えた時に、以前に作ったバランス型プリアンプとは異なる難しさがある。 ひとつは、MCカートリッジ対応のためにノイズ対策を厳重に考える必要があることだ。 もうひとつは、Unbalanced-Balanced 変換基板 でも苦労したように、スペースがないことだ。

バランス型プリアンプでは、デジタルアッテネータの部分と、2つのフラットアンプの電源を、すべてトランスを分けることができた。 今回は不可能だが、せめてデジタル部分とアナログ部分ぐらいはわけたい。 また、ノイズ対策を考えると Rコアトランスを使いたい。 既製品があるわけではないので、特注品となるが、やむを得ないと思っていたところ、ヤフオクに 12V 2回路のRコアトランスが2個セットで出品されたので、手に入れた。 コアの大きさから 30VA 程度と考えられ、このプリアンプには十分だ。

ぺるけ師匠の私のアンプ設計&政策マニュアルのアース回路の解説にあるように、電源ラインにある電解コンデンサには、リップルフィルタとして働いているものと、信号電流の帰路として働くものがある。 このふたつを区別しておくことが大切で、ローカルの基板にもコンデンサを置くことが結構大切だと私は考えている。

たかじんさん設計の Blue Snow DAC でも、デジタル部分とアナログ部分でトランスが分けられており、トランスの近くにリップルフィルタと三端子レギュレータがある。 アナログ部分では、部品近くにローカルのリップルフィルタ&コンデンサが配置されている。 今回はこのパターンをそのまままねすることにした。 お気楽オーディオさんの TypeJ電源基板を利用した。 ショットキーバリアダイオードで整流後、デジタル用では日本ケミコンの105℃低インピーダンス・高リプル電流品で低Z のKZH電解コンデンサの並列使用、アナログ用では、オーディオ用ハイグレード品電解コンデンサ MUSE KZ 電解コンデンサの並列使用とした。LM317/337 で定電圧化後のパスコンには、MUSE KZ と OSコンデンサを併用した。スペースの関係で、チャンネルごとにイコライザ関係部分と ClassAA フラットアンプには、CRとトランジスタによるリップルフィルタをいれ、それ以外には電源供給部にパスコンをいれた。 これらの電解コンデンサはすべて MUSE KZ を使った。 おかげで、MUSE KZ 1000μF 25V の在庫をかなり使うことができた。

ローカルリップルフィルターとパスコン

アナログ対応のプリアンプを作ろう・・・Unbalanced-Balanced 変換基板

このプリアンプは、電気工作作業部屋に置くので、いろいろな入力があったほうがよい。 ところが、とにかく場所がない。 当初、たかじんさんの アンバランスTOバランス変換基板 BLA-01を用いるつもりであったが、95mm × 65mm と大きく、これを乗せるスペースはない。 よって、Unbalanced-Balanced 変換には、できるだけ小さくユニバーサル基板で組むことにした。

いろいろ調べてみて、目を付けたのは、ぺるけ師匠の OPアンプを使ったバランス型ヘッドホンアンプ  である。 特徴は、オペアンプを反転型として利用しているところにある。反転型の良さはたかじんさんの記事に詳しい。 ぺるけ師匠は、OPA2143 を使っているが、OPA2134 は手元に数個しかなく、入手難であるため、MUSES8920 を利用した。 MUSES01が大好きな私ではあるが、あまり使わないところに高価な MUSES01 を使う気にはさすがにならない。 回路図は以下の通り。 ぺるけ師匠の設計だけあって、実に安定。 特性は、DC ー 70kHz(-3dB)で、最小歪み率は WaveGene/WaveSpectra では測定限界以下。

この他、電源供給部に、MUSES KZ 電解コンデンサがパソコンとして入っている。

この基板で苦労したのは、とにかく小さく組むこと。 思考実験を繰り返し、Takachi TNF34-49( 34 x 49mm)に組み上げた。 裏面にも抵抗を配置しないと間に合わない。 BLA-01基板の1/4の面積ですますことができた。 でも、二度とやりたくない・・・。

バランス入力・アンバランス入力が自動で切り替わるように、TRS入力端子は2回路の独立スイッチ付き。 TRSに差し込むと、TRS入力に切り替わる。 小林電機商会で入手した。

アナログ対応のプリアンプを作ろう・・・ClassAA フラットアンプ

とにかく場所がない。 先のバランス型プリアンプでは、フラットアンプとして、たかじんさんの HPA-12 を使い、それぞれに専用トランスをつけた。 場所がない以上、オペアンプで作成することになるが、少しでも音質的に有利になるようにしたい。

目を付けたのは、たかじんさんによる禁断のClass AA ヘッドホンアンプである。 ClassAA とは、Technics が開発した疑似A級アンプ方式だ。 電圧増幅と電力増幅を別々のオペアンプに行わせるので、単なるオペアンプ一発よりも、低歪み率で高ドライブ能力を誇る。 動作原理は、たかじんさんが、テクニクス ClassAA回路とはテクニクス ClassAA回路の実際 のページに詳細な解説をしてくださっている。

ClassAA フラットアンプ

上図の実験(ただし CNF なし)で、-3dB が 900kHz と極めて優秀な周波数特性を示した(下図)。 位相補正を加えた上で、この回路に決定だ。 最終的には位相補正は、6.8pFが最適であった。

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なお、実装して、VOL-12/01 基板につないでみたところ、上図の回路のままだと発振してしまった。 バランス型プリアンプは完成するか・・・またもトラブル発生と同じかもしれない。 HPA-12基板と比較して、この ClassAAフラットアンプが圧倒的に広帯域であることを考えると、当然かも知れない。 先の例にならって、入力に 1kΩ ー 220pF のハイカットフィルタをいれたら、安定しましたとさ。

アナログ対応のプリアンプを作ろう・・・フォノイコライザーのサブソニックフィルターとバランス対応

出典: https://www.analog.com/jp/products/lt1115.html

フォノイコライザーは上記の回路で、この出力を平衡出力にすることと、サブソニックフィルターをいれることが目標だ。

最初のアイディアは、オペアンプによる unbalance-balance 変換回路を付加し、その後に CR型の 6dB/Oct のハイパスフィルターをいれるというアイディアだ。 比較的シンプルと言えるが、フィルタ特性は良くない。

アクティブフィルターにするというのも可能性としてはあり得る。 実際に計算してみるとわかるが、アクティブフィルターにすると低域特性が波打ったり位相がとんでもないことになったりということで、どんなアクティブフィルターにするかという設計思想の問題が多数出てくるようだ。 本格的なアクティブフィルターをつくることにすると、間違いなくそれだけでオペアンプ2回路を要するし、設計もいろいろ大変だ。 周波数特性を優先すると、位相特性が悪化したり、波形応答が悪化したりとといったジレンマが生じる。 回路規模がだいぶ大きくなることは必定だ。

unblance-balance変換回路後に、CR型のハイパスフィルター程度しか自分では設計できないなぁと思い始めたが、unbalance-balance 変換に優秀なライントランスを使うというのはどうかと思った。 優秀なライントランスなら、イコライザー出力程度の電圧なら、10Hz-100kHz 程度を 0~-1dB 程度 の周波数特性を保証できる。 サブソニックフィルターは考えなくてもそうなる。 手元に、TAMURA TAM121115 150Ω:600Ω とちょうど良いトランスもあるので実験してみた。

LT-1010CT は出力電流 ±150mA とかなり強力なので、そのままドライブできるのではとつないでみたところ、イコライザーのNF素子と両方の負荷はさすがに重すぎるようで、波打った周波数特性になってしまった。

オペアンプ一段のバッファ(LME49720)をかませてみると、低出力インピータンスでのドライブになるためか、数10kHz に急峻なピークが現れた。 これを是正するために試行錯誤したところ、R=680Ω/C=1000pF のローパスフィルタを一次側に挿入し、二次側の負荷抵抗を3.9kΩとしたところ下図の特性(オリジナルのEQアンプからの偏差)を得た。

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20 – 20kHz はほぼフラットで、8- 300kHz(0~3dB) と理想的な特性とといえる。  この解決策の問題点は、トランスを利用するため場所をとるということに尽きる。

アナログ対応のプリアンプを作ろう・・・フォノイコライザー

アナログ対応プリアンプなので、フォノイコライザーも必要だ。 スペースファクタの問題から、ディスクリートは無理なので、オペアンプによる回路にならざるを得ない。 使用するカートリッジも、Denon DL-103、Shure V15-TypeIV、Philips GP-422Z/II、GP-922ZとMC型もMM型もあってさまざまだ。 気楽に楽しむという点からは、MM型を常用する可能性も高い。 MM型にしておいて、MCヘッドアンプ・トランスを利用するのも良いが、スペースファクタを考えると内蔵がありがたい。

フォノイコライザでは、RIAA特性を得るために、50Hz(3180μS)から 500Hz(318μS)まで +6dB/oct の低域ブーストを行ったうえで、2.12kHz(75μS)から上の周波数では -6dB/oct の減衰を必要とする。CRによるハイカットフィルターを用いる場合は、フィルターを低インピータンスドライブかつ高インピータンス受けが必要なため、2段の増幅器を重ねる必要があり、S/N比の悪化が問題となる。 その一方で、上記の時定数をNF回路で行う場合には、低域と高域でNF量が数十dB異なる上に、そのインピータンスが低いため、その対応が必要という面倒くさいことになる。 もちろん、そういううるさいことを言わなければ、オペアンプ1本に適当な時定数のNFをかければ、音は出るのだが・・・。

今回の目的には、さらに、MC/MMの両対応が望ましい。 検索エンジンで調べてみると、MC/MM 切り換え機能付きのCR型イコライザーアンプが結構多い。 Linkman(マルツ)の LV3-PE はサブソニックフィルターもついており、仕様も悪くない。 欠点は単電源であることなので、改造すれば使えなくはない。 さらに調べてみると Analog Device 社の超低ノイズ、低歪み、オーディオ・オペアンプ(とメーカーが称している) LT1115 のデータシートには、今回の目的にぴったりの使用例が掲載されていた。

出典: https://www.analog.com/jp/products/lt1115.html

これはよい。 上記の回路が今回の目的に合致するうえに、高速±150mAパワー・バッファ LT1010CT でNFB回路を強力にドライブしており、オペアンプ1本のNF型とは段違いの制動能力が期待できそうだ。 実際、この回路を試した方が、色気があって情報量が多く、かかったコストの低さからは信じられない音と評している。

作成する上での困難さは中途半端な値の抵抗を要することだが、GOOGLE で検索をかけたら、ありがたいことに完成基板として売っていた~!

さっそく取り寄せて、バラックで聴いてみると、本当に低ノイズで音質的にもいい感じだ。 問題点はサブソニックフィルターをどうするかと、unbalance – balance 変換をどうするかだ。

to be continued….

アナログ対応のプリアンプを作ろう・・・妄想編

気軽に使えるLPプレーヤーが欲しいの記事にあるように、新たにKENWOOD KP-9010 を手に入れた。 これに使えるカートリッジとしては、いまさらながら Audio Craft AC-3000 用ストレートアームパイプを入手 の記事で示した Philips GP922Z (このカートリッジは未使用品も含めて数本ある)だけではなく、Denon DL-103、Shure V15-TypeIV、Philips 422Z/II がある。

ところが、現在手元にある動作可能フォノイコライザーアンプは、メインシステム用の Soulnote ph1.0 しかない。 すなわち、新たなフォノイコライザーアンプを作る必要がある。 バラックとしては、過去に使用していた2SK-117 MCヘッドアンプ真空管式CR型 SRPPイコライザがあるが、現時点で聞いてみると明らかにS/N比の点でも音の鮮度の点でも見劣りする。 当時使用していたのは、6G-A4 single アンプなどで、6R-HH2全段差動アンプ6G-A4全段差動アンプのように残留雑音 0.数mV なんて低雑音のアンプではなかったのだ。 すなわち、6R-HH2全段差動アンプに組み合わせられる新しいプリアンプ、それもMC/MM対応フォノイコライザー内蔵のアンプが欲しい。
(最初から、そのつもりだったんでしょ・・・・)

電気工作の作業部屋には、現在、6R-HH2全段差動アンプ と音源の MOTU M2 オーディオインターフェースがある。 スピーカーは、Tangent EVO4である。 メインシステムを置いているリビング兼用15畳と異なり、たかだか4畳半の狭い部屋であり置くスペースもあまりない。 しかしながら満足できない音のプリアンプでも困ると思ったときに、バランス型プリアンプに用いた、たかじんさんの MUSES72320ボリューム基板(VOL-12/VOL-01/SEL-12)のことがふと浮かんだ。 これらの基板は自分が作成に失敗したときのことを考えて配布終了になる前に予備を購入しておいた。 もう手に入らないので非常に貴重な基板だ。 非常に貴重な基板ではあるが、このまま死蔵するのはあまりにもったいないのではないか。 私には貴重な基板だが、その価値がわからない人にはただのゴミだ。 そもそも主要なパーツである MUSES72320 でさえも、後継品の MUSES72323 が発売された以上、いつ手に入らなくなってもおかしくない。 よって、アナログ対応のプリアンプにもこの基板を使おうと決めた。 実を言うと、デスクトップオーディオでの使用なので、すぐ手の届くところだから、普通のロータリースイッチ+アルプス RK27ボリュームでいいじゃないかとも思ったのだが。

電気工作の作業部屋で使うプリアンプなので、これから作成するさまざまな装置につなげることも重要だ。 メインシステムのバランス型プリアンプのようにバランス入力(平衡入力)専用のシステムというわけにはいかない。 アンバランス入力(不平衡入力)でも使えるようにしておきたい。このように考えると、MUSES72320ボリューム基板(VOL-12/VOL-01/SEL-12) を用いる以上、入力は3系統に限られるので、次の3系統の使い方になる。
1: MC/MMフォノイコライザーで平衡出力
2: バランス出力のMOTU M2 or ESI juli@ 用
3: 作成中の機材にも用いるバランス/アンバランス対応入力

ここまで決まると、おのずと決まってくることがある。 バランス型プリアンプのようにフラットアンプにディスクリートの基板(HPA-12)を用いたり、それに対して左右独立したトランスを使ったりということは無理ということだ。 さらにフォノイコライザーアンプを付け加えるとなったら、どれだけ大きなケースが必要になるのか・・・ということだ。 すなわち、フラットアンプにせよ、フォノイコライザーアンプにせよ、オペアンプを使ったタイプで満足できるものを作るという制約でもある。 置き場所の制約から、数多くのトランスを使う(バランス型プリアンプでは3つ)のも難しいだろう。

ここまで妄想がすすむと、何を考えていくべきかがはっきりしてくる。 ひとつは、バランス型プリアンプと似た構成であり、良質のフラットアンプがいるということ。 この点については、たかじんさんのサイトにヒントがあって、禁断のClassAAヘッドホンアンプをフラットアンプとして採用するのが一案。 次に考えるべきは、バランス/アンバランス対応入力を実現するためのアンバランス→バランス変換基板も必要と言うことだ。 これも、たかじんさんののアンバランスTOバランス変換基板 BLA-01 を使えばいいので心配はない。問題は MC/MMフォノイコライザーアンプである。 どんな構成にすべきかたかじんさんのサイトにはヒントがない。 平衡出力を得るために一工夫が必要なことも大きな問題だ。  そして、デスクトップオーディオで用いることから、超低域のカット・・・サブソニックフィルターをいれておくことも音が濁らないようにするために必要というわけで、問題は山積みだ、

to be contined…

いまさらながら Audio Craft AC-3000 用ストレートアームパイプを入手

LPレコードを気軽に聴きたいの記事で示したように、中古のターンテーブルと中古のアームを探して組み合わせるか、良質な中古を探し出すかを考えつつ、中古市場やオークションで出物を探しているときに、Audio Craft AC-3000 用のストレートアームが時折オークションに出品されたり、中古市場に出回っているのをみつけた。

現在使用しているカートリッジは、Philips GP922Z で、針圧はやや重めだが、ハイコンプラインス型のカートリッジだ。 AC-3000用のストレートアームとしては、MC-S/T が適応となっている。 MC-S/Tはストレートアームタイプとしては標準添付品の製品が存在したこともあり、比較的入手は容易なはずだが、アーム本体と一緒に出品されることが多く、単独で入手することは意外に難しいようだった。

手持ちのカートリッジには、DENON DL-103、Shure V15 TypeIV、Philips 422Z/II があるが、手持ちのフォノイコライザーは、soulnote の ph1.0 で MC専用タイプである。 以前は Philips LHH-P700 をプリアンプとして使用していたので、MM型のカートリッジも楽しんでおり、それが残されている。

よって、アーム本体と一緒にMC-S/Tを手に入れて Philips 922Z に用いて、手元のAC-3000に付属する MC-300を他のカートリッジに使えば、一挙両得だと思っていた。 だから、中古のターンテーブルと中古のアームを探して組み合わせる考え方あったわけだ。

しかしながら、中古のターンテーブルの良品はなかなか出てこないことがわかったり、かなり高価になってしまうことから、気軽に使えるLPプレーヤーが欲しいに示したように、ぺるけ師匠おすすめのKENWOOD KP-9010 などを中古市場やオークションなどで探し回っていたところ、Audio Craft AC-3000 用のストレートアーム MC-D がオークションに出品されていた。 このストレートアーム MC-D は、AC-3000/4000 series の取扱説明書には記載がない。 実は、MC-D のD は、Denon の D で、今は亡き DL-303・305専用のストレートアームである。DL-303・305 のコンプライアンスは 、それぞれ 13 x 10-6 cm/dyne・14 x 10-6 cm/dyneで、私が使用している Philips GP922Zは20 x 10-6 cm/dyne とほぼ同程度で、自重も全て6g 程度であり、形状もよく似ているため、MC-D は Philips GP922Zにも、ベストマッチするストレートアームであろうと考えた。

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実際、MC-D に GP922Z を取り付けてみると、当たり前ながらオーバーハングはぴったり。 ただし、ストレートアームが軽量なため、通常は取り付けておく標準サブウェイトを外さないといけないのを知らず、針圧バランスが取れなくて焦りまくったのはナイショ(^^;

さて MC-D + GP922Z として、驚いたのは音数が増えたこと。 ひと皮むけたという表現ではたりない。 GP922Z の本性があらわになったと言ったら良いのだろうか。 これまでのS字アームでも十分に楽しめていたのだが、MC-D にして音の鮮度がさらに上がって、音像の定位感も鋭くなったようだ。 例えば、イ・ムジチの四季を聴くと、楽器の分離が良くなって、奏者の位置がはっきりとわかるようになるとか。 こういうあたりがアナログの楽しみとも言えるが、AC-3000MC のアームを買って、30年以上たってから、こういう強烈なジャブを食らうとは思ってもみなかった。

気軽に使えるLPプレーヤーが欲しい

LPレコードを気軽に聴きたいで書いたように、昔のように廉価で気軽に使えて、高音質なものはなかなかないようだ。

中古市場やオークションなどを見ながら、自分で組むことを考えると意外に費用がかさむようだ。 ターンテーブルは古いものだと、自分でメインテナンスすることも含めて考えないといけないようだ。 そう考えると、既存機種の方がよさそう。

そんなときに他の件で、ぺるけ師匠の情熱の真空管で調べ物をしていたら、アナログLPレコードを楽しむというコーナーがあることに気がついた。 ぺるけ師匠といえば、真空管式MCヘッドアンプ付きプリアップのイメージがあって、気軽に使える・・・ではなかった様に思っていたが、あに図らんや。 一からはじめる人、再スタートする人のために・・・レコードプレーヤの選び方 2018.7.18 という記事があった。 この記事の中で、ぺるけ師匠は次の条件で選んだとある。

  1. ベルトは劣化するしピッチが狂うことがあるので精度が高いダイレクトドライブであること
  2. トーンアームはカートリッジ・シェルが交換できるユニバーサルアームであること
  3. 居眠りしたり席を立ってどこかに行ってしまうことが多いのでオートストップ&オートリフトがついていること
    (以下略)

「気軽に使える」ためには、なるほどと思う条件ばかりだ。 その上で、ぺるけ師匠はこうおっしゃる。

過去モデルの中から性能・音質ともに優れたものを選ぶのであれば、LPレコードプレーヤの黄金時代ともいえる1980年代後半に良いものがたくさんあります。ここでは極端に高価なものは避けつつ、お財布的に少し頑張れば入手できそうなものの中から、私の趣味で選んでみました。

KENWOOD KP-9010、KP-1010・・・・抜群の静粛性を誇ったフラグシップモデルがKP-9010・・・中略・・・実物のトーンアームを見るとその作りの良さについ欲しくなります。
YAMAHA GT-2000、GT-750・・・・迷走気味だったYAMAHAが、基本に戻って作った力作・・・中略・・・ともに音の良さが売りで、LPレコードってこんなに音が良かったのかということを教えてくれます。私の愛機はGT-750です。

どうしてよいのかわからなくなっていた私には、良い指針に思えた。 当時の思い出では、Exclusive P-3, Pioneer PL-70 といったあたりしか思い出せなかったが、ジャンク出品が多く、中古市場にはあまりでてこない。 YAMAHAはともかく、KENWOOD??

ネットで調べてみると、KP-9010 は、新規のLPプレーヤーが発売されなくなってから、大ヒットした KP-1100 のリバイバルとして塗装を変えて出てきたとか、KP-1100はアームのできの良さに、補修部品として手に入れた方がいたりとか。 ぺるけ師匠が欲しくなると書いているのもわかる気がする。 スペック上驚いたのは、S/N比で、DIN/B 補正で 90 dB とのこと。 本当???

良品を探すと、当時の新品価格と変わらなくなってしまうようだが、KP-9010 を無事に手に入れましたとさ。

LPレコードを気軽に聴きたい

アンプの自作の記事ばかり載せているので、忘れてしまいがちだが、旧ホームページにあるように、私はどちらかといえば音楽ファンであって、アンプ自作マニアではない(・・・と書くと、うそをつくなと、石つぶてが飛んできそうな気もするが)。

我が家には、30歳ごろまでに集めた LPレコードがおおよそ1500枚ある。 もちろん、LPレコードを聴く装置はあり、今はなき Micro SX-111FV Audio Craft AC-3000MC アームの組み合わせだ。 Micro SX-111FVは、当時としても珍しかったレコードの全面吸着ユニットつきのベルトドライブプレーヤーで、Audio Craft AC-3000MC は、当時主流だったハイコンプライアンス型のMCカートリッジに対応しつつ、従来のローコンプライアンスのカートリッジにも、オイルダンプの程度を変えて対応するという当時の流行の最先端のようなアームだ。 このアームは、交換用アームパイプもあって、ハイコンプライアンス型のカートリッジでは軽量のストレートアームパイプを使うのが定番だった。 私自身は、このアナログプレーヤーを購入したのが、CDが出現してからかなりたった1988年ごろで、すでに LPレコードはだいぶCDに駆逐されていた。 当時の行きつけのレコード屋であった、仙台レコードライブラリーが、日本ではCDしか発売されていなくても、LPバージョンを買い続けられたことが大きい。 しかしながら、Ingrid Haebler の新しい Mozart Piano Sonata 全集(Denon)が、CDのみの発売となり、やむなくCDプレーヤーを購入すると、便利さから、LPレコードを聴く頻度は激減したのだった。

Micro SX-111FV と Audio Craft AC-3000MC は現在も問題なく動作するので、それで聴けばいいじゃんと思うかもしれないが、たまにしかか聴かないとなると、まざまな儀式(調整)が必要になることも多く、気軽に聴くという感じにはならない。 子どもたちが巣立ち、電気工作のための作業部屋を手に入れ、そこで音楽を聴くことも増えてきたので、そこにLPプレーヤーを導入してはと考え始めた。 最初に考えたのは、省スペースを考えて、LPジャケットサイズの Technics SL-10 とそのファミリーだ。 片付けておけることもありがたい。 ネックになったのは、やはり寄る年波には勝てないことや、特殊なカートリッジ(TP4)が必要なこともあげられる。

次に候補となったのは、DENON のLPプレーヤーである。 現在も新品が手に入る。 しかし、取扱説明書をネットでダウンロードして、驚いてしまった。 現在も新品が手に入る DP-500Mは、アームの高さ調整ができない。 調べてみると、最近の機種では、超高級機を除いて、アームの高さ調整ができないのが普通らしい。 そうなると、DENON などの中古を探すか・・・ 実際、某所から DP-55M を3か月保証で購入したところ、針圧調整がおかしい。 ゼロバランスを取っても、トーンアームを上下に操作すると頭が上がったままになったり、はたまた下がったままになったりする。 調べてみると、これは DENON のトーンアーム特有の業病のようで、単品売りの高級アーム(DL-307など)でも起こるらしい。 よって、DP-55Mは返品。

他社の新品を目を向けると、Technics の製品がよさそう。 でも、いかんせん高い。 安めのほう(SL-1200GR)でも15万円強。 SL-1500はイコライザーアンプ内蔵とのことだから・・・(以下略) ディスクジョッキー用は一聴してSNが悪い。

こうなると、機種選定はなかなか。 新品だと、 気軽に聴くために10万円を超える金額をだすわけにもいかない。  中古のターンテーブルと中古のアームを探して組み合わせるか、良質な中古を探し出すか。 ふたつにひとつだ。

… to be continued.

Blue Snow DAC ・・・はらわた

Blue Snow DAC は電源からIV変換までの全てが ALL IN ONE の基板なので、あまり独自の工夫はないが、私なりにまとめてみた。 基板本体の部品は、手に入らない部品を除いて、たかじんさんの指定通り。 Panasonic の PMLCAP は、音質向上(音数が自然に増える感じ)が出るようなので、オプション箇所も全ていれた。

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電源入力には、EMI対策に、TDK EMC FILTER RPE-2003 をいれた。 電源は、SPD-IF(秋月電子 AE-DIR8416編) および COMBO384互換基板に使用する分で、Blue Snow DAC と同じくコンデンサをおごっている。 なお、両者の電源は整流部分までは同じだが、定電圧部はわけてある。

前面の様子は上図で、上が Blue Snow DAC で下が、バランス型プリアンプだ。 斜めには知っているのは、地震対策のためのステンレス線である。 役に立っているかどうかは不明だが、精神衛生上とても良い。 このようにデザインをあわせるために、Blue Snow DAC の前面基板に配置するはずのロータリーエンコーダを移して独自に配置し、もともとはロータリーエンコーダに付属しているフルカラーLEDを使用せずに、独立させている。 画面左側のホットボンドの山の中に、フルカラーLEDが配置されている。

Blue Snow DAC の完成で、アナログ系を除いた機器が、たかじんさんの基板による自作品にかわった。 自作オーディオの楽しみをおおよそ40年ぶり(年がばれる ^^)にあじわえるのは、とてもありがたい。 下の写真は、フルバランス・フルディスクリート構成パワーアンプ6G-A4全段差動アンプが写っている。 なお、右にあるのは、市販品の真空管アンプで、いずれ売却予定だ。