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妄想を具現化したのが上記。 ホイートストンブリッジの 33Ω は作例に従って、調整することにした。 具体的には、基板の電源を入れずにLM1875 の出力端とスピーカー側との間に適当な電流を流し、LM1875 の入力端同士の電圧が最少になるように調整する。 実際にやってみると、この調整は結構クリティカルで、デジタルマルチメータの GDM-8261A の 6 1/2 桁表示にて調整で追い込んだ。
まず最初に、±22V に耐えられる LT1115 + LM1875 にチャレンジしたところ、コンパレータ状態(出力電圧が電源電圧に張り付く)になってしまい不可。
そこで、±18V が最大電圧であるオペアンプでチャレンジしたところ、OPA627, OPA827, JRC5534D, LF357, OP117 全て駄目。 唯一 MUSES05 + LM1875 の組み合わせだけがコンパレータ状態にならずにすんだ。 正弦波をいれてみると、正常に増幅が確認できた。
ところが、周波数特性をはかると・・・ 100kHz 前後にピークをもつ珍妙な特性である。 こんな特性は見たことがない。 作例をよくみると、シミュレーションが掲載されており、それに少し似ている。
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NFループのコンデンサとして、いろいろ試してみると、150pF 程度が妥当であることがわかる。 ピークが収まってほっとした。 位相特性のあばれが、かなり認められるが、150pF ではそれなりに安定している。
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ところが、1kHz の方形波をいれると著明なリンキングが認められ、10kHz の方形波で発振してしまった。 ここまでくると、LM1875をあきらめ、TDA2030L に変更することにする。 Class AA ヘッドホンアンプ、ミニワッターでも、こちらを利用してみることにした。 ところが少し良いだけで、状況は変わらず (T-T);
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以上の実験の際には、電流リミットの設定ができる、トラッキング式定電圧電源 TEXIO GwINSTEK GPS-2303 にとてもお世話になった。 もし普通の電源で行っていたら、何個も LM1875 を破壊してしまっていたことであろう。 無信号時には、±電源とも 0.06A 程度であるが、-10dbV にて周波数特性を測るときには、0.15A 程度に増えていた。 こういう消費電流が測定できるのも、トラッキング式安定化電源の強みである。 ちなみに、発振しているときには、マイナス電源のみが電流が増加して保護が働いていたので、発振の原因は C-Amp TDA2030L 側にあることは明らかだ。 何か対策は立てられないだろうか・・・。
to be continued…