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いまさらながら Audio Craft AC-3000 用ストレートアームパイプを入手

LPレコードを気軽に聴きたいの記事で示したように、中古のターンテーブルと中古のアームを探して組み合わせるか、良質な中古を探し出すかを考えつつ、中古市場やオークションで出物を探しているときに、Audio Craft AC-3000 用のストレートアームが時折オークションに出品されたり、中古市場に出回っているのをみつけた。

現在使用しているカートリッジは、Philips GP922Z で、針圧はやや重めだが、ハイコンプラインス型のカートリッジだ。 AC-3000用のストレートアームとしては、MC-S/T が適応となっている。 MC-S/Tはストレートアームタイプとしては標準添付品の製品が存在したこともあり、比較的入手は容易なはずだが、アーム本体と一緒に出品されることが多く、単独で入手することは意外に難しいようだった。

手持ちのカートリッジには、DENON DL-103、Shure V15 TypeIV、Philips 422Z/II があるが、手持ちのフォノイコライザーは、soulnote の ph1.0 で MC専用タイプである。 以前は Philips LHH-P700 をプリアンプとして使用していたので、MM型のカートリッジも楽しんでおり、それが残されている。

よって、アーム本体と一緒にMC-S/Tを手に入れて Philips 922Z に用いて、手元のAC-3000に付属する MC-300を他のカートリッジに使えば、一挙両得だと思っていた。 だから、中古のターンテーブルと中古のアームを探して組み合わせる考え方あったわけだ。

しかしながら、中古のターンテーブルの良品はなかなか出てこないことがわかったり、かなり高価になってしまうことから、気軽に使えるLPプレーヤーが欲しいに示したように、ぺるけ師匠おすすめのKENWOOD KP-9010 などを中古市場やオークションなどで探し回っていたところ、Audio Craft AC-3000 用のストレートアーム MC-D がオークションに出品されていた。 このストレートアーム MC-D は、AC-3000/4000 series の取扱説明書には記載がない。 実は、MC-D のD は、Denon の D で、今は亡き DL-303・305専用のストレートアームである。DL-303・305 のコンプライアンスは 、それぞれ 13 x 10-6 cm/dyne・14 x 10-6 cm/dyneで、私が使用している Philips GP922Zは20 x 10-6 cm/dyne とほぼ同程度で、自重も全て6g 程度であり、形状もよく似ているため、MC-D は Philips GP922Zにも、ベストマッチするストレートアームであろうと考えた。

(クリックで拡大)

実際、MC-D に GP922Z を取り付けてみると、当たり前ながらオーバーハングはぴったり。 ただし、ストレートアームが軽量なため、通常は取り付けておく標準サブウェイトを外さないといけないのを知らず、針圧バランスが取れなくて焦りまくったのはナイショ(^^;

さて MC-D + GP922Z として、驚いたのは音数が増えたこと。 ひと皮むけたという表現ではたりない。 GP922Z の本性があらわになったと言ったら良いのだろうか。 これまでのS字アームでも十分に楽しめていたのだが、MC-D にして音の鮮度がさらに上がって、音像の定位感も鋭くなったようだ。 例えば、イ・ムジチの四季を聴くと、楽器の分離が良くなって、奏者の位置がはっきりとわかるようになるとか。 こういうあたりがアナログの楽しみとも言えるが、AC-3000MC のアームを買って、30年以上たってから、こういう強烈なジャブを食らうとは思ってもみなかった。

気軽に使えるLPプレーヤーが欲しい

LPレコードを気軽に聴きたいで書いたように、昔のように廉価で気軽に使えて、高音質なものはなかなかないようだ。

中古市場やオークションなどを見ながら、自分で組むことを考えると意外に費用がかさむようだ。 ターンテーブルは古いものだと、自分でメインテナンスすることも含めて考えないといけないようだ。 そう考えると、既存機種の方がよさそう。

そんなときに他の件で、ぺるけ師匠の情熱の真空管で調べ物をしていたら、アナログLPレコードを楽しむというコーナーがあることに気がついた。 ぺるけ師匠といえば、真空管式MCヘッドアンプ付きプリアップのイメージがあって、気軽に使える・・・ではなかった様に思っていたが、あに図らんや。 一からはじめる人、再スタートする人のために・・・レコードプレーヤの選び方 2018.7.18 という記事があった。 この記事の中で、ぺるけ師匠は次の条件で選んだとある。

  1. ベルトは劣化するしピッチが狂うことがあるので精度が高いダイレクトドライブであること
  2. トーンアームはカートリッジ・シェルが交換できるユニバーサルアームであること
  3. 居眠りしたり席を立ってどこかに行ってしまうことが多いのでオートストップ&オートリフトがついていること
    (以下略)

「気軽に使える」ためには、なるほどと思う条件ばかりだ。 その上で、ぺるけ師匠はこうおっしゃる。

過去モデルの中から性能・音質ともに優れたものを選ぶのであれば、LPレコードプレーヤの黄金時代ともいえる1980年代後半に良いものがたくさんあります。ここでは極端に高価なものは避けつつ、お財布的に少し頑張れば入手できそうなものの中から、私の趣味で選んでみました。

KENWOOD KP-9010、KP-1010・・・・抜群の静粛性を誇ったフラグシップモデルがKP-9010・・・中略・・・実物のトーンアームを見るとその作りの良さについ欲しくなります。
YAMAHA GT-2000、GT-750・・・・迷走気味だったYAMAHAが、基本に戻って作った力作・・・中略・・・ともに音の良さが売りで、LPレコードってこんなに音が良かったのかということを教えてくれます。私の愛機はGT-750です。

どうしてよいのかわからなくなっていた私には、良い指針に思えた。 当時の思い出では、Exclusive P-3, Pioneer PL-70 といったあたりしか思い出せなかったが、ジャンク出品が多く、中古市場にはあまりでてこない。 YAMAHAはともかく、KENWOOD??

ネットで調べてみると、KP-9010 は、新規のLPプレーヤーが発売されなくなってから、大ヒットした KP-1100 のリバイバルとして塗装を変えて出てきたとか、KP-1100はアームのできの良さに、補修部品として手に入れた方がいたりとか。 ぺるけ師匠が欲しくなると書いているのもわかる気がする。 スペック上驚いたのは、S/N比で、DIN/B 補正で 90 dB とのこと。 本当???

良品を探すと、当時の新品価格と変わらなくなってしまうようだが、KP-9010 を無事に手に入れましたとさ。