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6AQ5全段差動 3段化の夢・・・6R-HH8 でチャレンジ

6R-HH8 に前段管を変更したところ、激しく発振(笑)した。やはり、一筋縄ではいかない。 6R-HH8 のグリッド周りに他の配線が近づかないように配慮しつつ、グリッドへの発振止め抵抗を 3.3kΩにしたら、発振は止まった。

無帰還での -3dB 点は、55kHz まで伸びた。 Analog Discovery によると Zobel Network を 15Ω + 0.1μF にしたところ、1MHz 周辺の位相回転が改善するので、この定数で NF 量を検討することにした。

クリックで拡大(右Ch を示した)

 低音がボンつかないように、NF量を決定したところ、測定してみたら4dB ほどの NF量であった。 70kHz にわずかな盛り上がりがあるので、NF抵抗に少量のコンデンサを抱かせて調節した。 330pf ちょうど良さそうだ。

クリックで拡大(右ch を示した)

最終的な回路図を示す。

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ここまで調整して試聴したところ、ピアノのキータッチの違いがわかるかどうかという点では、みごとに合格。 よかった!

はらわた(クリックで拡大)

歪み率測定・・・WaveSpectra 覚え書き

歪み率測定は、WaveGene / WaveSpectra を利用している。 高機能なフリーソフトに感謝している。 高機能な分だけ、使いこなしが大切。

サウンドカードは、ESI Juli@Xte である。24-bit 192Khz ADC (114dB) / DAC (112dB) で、Balance / Unbalance 両方の I/O が使える。 音質的にもかなり良い。 ディスコンになってしまったのが残念でならない。

さて、本題の WaveGene / WaveSpectra 覚え書き。 説明書き を忠実に守ることから。

  • WaveGene / WaveSpectra を同じサウンドカードで動作させる
    ESI Juli@Xte の場合、WaveGene を Wasapi 、WaveSpectra を ASIO に設定する必要がある。 さもないと動作しない。
  • ESI JUli@Xte の ASIO入出力は 1+2 を指定する(3+4 はデジタル出力)
  • 窓関数は「なし(矩形)」
    FFTに最適化 をすれば、窓関数「なし(矩形)」がノイズ成分による誤差が少ない。
  • WaveGene の周波数は、必ずFFTに最適化を選ぶ
  • WaveGene / WaveSpectra ともに、サンプル数を指定する。
    100 Hz  – – –  16784
    1 kHz – – – – – 4096
    10 kHz – – – – 2048  or 4096
  • WaveGene / WaveSpectra ともに、-3dB 程度までで利用する
    Juli@Xte の入力は、2V 程度で飽和するので、アッテネータを利用しないと正しく測定できない。
  • 以上の注意書きを守った場合、ループバックによる測定限界は、100Hz で 0.0023%、1kHz で 0.0030%、10kHz で 0.0031%である。 アマチュア測定用としては十分すぎる。

測定器など・・・

電気工作の三種の神器といえば、ミリバル、オシロスコープ、低周波発振器と決まっていた。 学生時代にもらった、Trio CO1303D と AG-202 は 200MHz までということもあって、トランジスタ系は発振をみつけられなかった。

現在使用しているのは、次の通り。

  • ファンクションジェネレータ AFG-2025(Texio)
  • デジタルオシロスコープ DPO2002B(Tektronix)
  • デジタルマルチメータ GDM-8261A(GwInstek)
  • アナログ万能測定ツール Analog Discovery

Analog Discovery は、Arito さんが頒布してくださった FRAplus アダプター を利用して、周波数特性や位相を簡便に測定させてもらっている。 ありがたい限りだ。

6AQ5全段差動 3段化の夢・・・仕切り直し

さて、次なる一手は、前段に違う真空管を使うことであろう。
手元にあるNOS(New Old Stock)電圧増幅管には、ECC81/12AT7, 7DJ8, 12BH7A, 6350, 6R-HH8 があるが、利得の点で ECC81/12AT7 が脱落、ヒータ電圧の観点で 7DJ8 が脱落した。 残るものから考えると、12BH7A, 6350 はそれ自体がミニワッターに使えるぐらい大きく、見栄えやヒータ電流の小ささから 6R-HH8 が残る。

6R-HH8(6KN8)は、ECC81/12AT7 や 6DJ8 と同様のカスコード増幅用高周波双三極のTV球である。 6DJ8 を元に日立が開発した 6R-HH1 の改良版が 6R-HH8 とのことだ。

情熱の真空管(ぺるけ師匠)による全段差動アンプの1号機(6AH4GT)でも、前段増幅は当初 6DJ8 が使われており、良いかもしれない。 問題は 6R-HH8 は、6DJ8 より 3割方 high Gm であり、発振させないで使いこなせるかどうかが不安だが、困ったら掲示板で相談すればいいだろうと軽く考えて、ロードラインをひいてみた。 ぺるけ師匠の6AH4GT より、少し高めの電圧のほうが良さそう。 当初ロードラインを引き間違えたのはないしょ。 下図は6R-HH8 のデータシートから、プレート電流 10mA以下のところ書き直して、ロードラインを引いてみたところ。

前段にあまり多くの電流を流せないので、このぐらいで勘弁してもらうことにした。 ぺるけ師匠の6AH4GT でも、6DJ8 を 2mA で使用する予定だったようだし。

6AQ5全段差動 3段化の夢・・・現実は厳しい

設計はしてみたものの・・・現実は厳しい。

触れる程度ではあるが、結構、温度が高いので、電解コンデンサは105℃品を使いたいが、なかなか手に入らない。
→ ヤフオクを通して購入。

12AU7/ECC82 はどこのを買ったらいいの? さっぱりわからない。 久しぶりすぎて、どこから買ったらいいのかも不明。
→ Electro-Harmonix のを購入した。

22V/50mA を整流したけど、電圧が低い! LM317 だとうまくいかない。 電圧がたりず、スパイク状のノイズが残る。
→ ディスクリートでやりなおし。

手持ちの 2SK30ATM だと、情熱の真空管のサイトに掲載されているちょうど良いぐらいのIDSSのものがない。 せっかく、選別用のFET & CRD選別冶具を作ってがんばったのに・・・
→ 掲示板で教えてもらって、設計やりなおし。 IDSSが少ない場合は、ドレイン抵抗を少し増やせば良いとぺるけ師匠より助言あり。  参考になるページがあって、ここをみて設計し直せばなお良い。

こんな感じでがんばってつくったのに、できあがってみたら、いまいち。 以前より良いのだが・・・

どんな機材でも、システムに入れるかどうかを決めるときの基準に、ピアノのキータッチの違いがわかるかどうかというのがある。 「シューマニアーナ 8」(FOCD9328)シューマン:ピアノ・ソナタ 第3番 ヘ短調 Op.14 の冒頭の数十秒が、この基準の良い題材である。 余談だがシューマニアーナシリーズは、このころが全盛のようだ。 楽譜を見ながら聞けば、私が言いたいことはわかるだろう。

閑話休題。 定位感とか音場感とかは妥協できるが、楽器の鳴きがわかるのは最低限の条件だ。 せっかくの全段差動アンプ3段構成なので、この基準を満たして欲しい。 ピアノのキータッチの違いがわかるかどうかという基準で聴くと、3段構成化した6AQ5全段差動は落第とは言わないが、赤点なのだ。 このままなら、よく使うアンプにはならないだろう。 現実は厳しい。 さてどうしよう・・・

6AQ5全段差動 3段化の夢・・・なぜ

情熱の真空管でも、全段差動ベーシックアンプのグレードアップとして、3段構成化をとりあげている。 私の6AQ5全段差動ベーシックアンプの場合も、高域特性は良いとは言えない。 AMP-3の場合、中国製の出力トランスだし、期待できないよな・・・と思っていた。 ところが、トランスの特性を Analog Discovery でとってみると・・・

意外なほど良い。 200kHz の暴れはあるが、100kHz 程度までは、-1dB 程度。 このアンプも3段構成化の夢をみていいのでは・・・

乗り越えないといけないのはいくつか。 ひとつは熱の問題。 初段の電圧は低いので、200V近い電圧ドロップが必要となるが、そうでなくても、いろいろなところが暖かい。 B電源のフィルタ用のメタルクラッド抵抗、定電流用のLM317と発熱するものが多い。 さらに発熱するのが増えたら、どこで放熱?

ヒータも6AQ5が4本で、1.8Aになっている。 残容量は1.2Aしかない。 もともと電流容量には余裕がないと思われるので、6FQ7あたりを前段に使うと、いっぱいいっぱい。 また背格好が6AQ5と同じで、前段球に見えなかったりして。 常識的には、直線性は悪いけど 12AU7あたりを使う? しかし、手持ちにはジャンク球しかない。 仕方がない、買うか。 これなら背格好もいいし、ヒータ電流も少ない。

そうだ、いいことがある。 固定バイアス用の電源を初段のFETの電源に使おう。 そのほうが、都合がいい。

こんな妄想を膨らませながら、とりあえず設計したのが下記。

暫定回路図(クリックで拡大)

6AQ5全段差動アンプへの道・・・測定とNFB

Analog Discoveryで測定したところ、 無帰還では10Hz~40kHz (-3dB)程度だ。 この帯域の狭さは、全段差動ベーシックアンプでは仕方ない。 高rp三極管によるドライブですので、ミラー効果が影響してしまう。 情熱の真空管のサイトでも説明がある。 200kHz でわずかなこぶがあるが、位相回転が180度にいたることはない。

聴感で、低域がボンつかないようにNF量を決定してみた。 ある程度NFをかけたほうが、音質的にはよいようだ。 結果的に、NFBを 5.6 dB かけた。 このときの周波数特性は、下記の通りで 8Hz~50kHz(-3dB)程度。 大きな暴れもない。

10kHz の方形波もすなお。 NFの補正コンデンサは不要らしい? 補正コンデンサ無しでよいかを知るために、木村哲(著)真空管アンプの素 を買って読んだ。 なるほど、いらない。

 

歪み率を WaveSpectra で測定してみた。 最低歪みでは、0.1%を切っていた。 驚いた。 5%歪みで2.5W程度取れており、今回の目的には十分。

ダンピングファクタは ON/OFF法で、4 程度。

残留雑音は、左右とも 0.17mV 程度。 クロストークは、50kHz で-72dB で、可聴帯域では、-80dB 以上とれた。正直、残留雑音の測定と変わらない。

6AQ5全段差動ベーシックアンプは、前哨戦のつもりだったが、あまりにできが良いで、さらなる改良をしたくなった。

6AQ5全段差動アンプへの道・・・設計と製作

全段差動ベーシックアンプの場合、ここまでくると迷いは少ない。 前段は μ = 100 の 12AX7 しか選択肢はない。 あとは、どれだけ電流を流すかとか、どれだけゲインを稼ぐかとか。 今回の場合は、電流を増やしたくないし、ゲインはできるだけ稼ぎたい。 6AQ5のグリッドリークが470KΩなので、12AX7のプレート抵抗はその1/2程度が精一杯。 全日本真空管マニュアル(ラジオ技術全書)から、動作例を選ぶだけ。 定電流ダイオードは、何本か買って、1.0mAに近いものを選んだ。

回路図(クリックすると拡大)

もともとのセメント抵抗を使うと、中のコンデンサがあぶられてしまうので、放熱を筐体でできるメタルクラッド抵抗に。 電解コンデンサはよくわからないメーカーだけど、とりあえず、そのまま。 たぶん、後で交換するんだろうな。

意外に困ったのは、6AQ5のバランス取り用の半固定抵抗。 立てラグと相性が悪いようで、右タイプのものは、いつのまにか足が取れてしまう。 平ラグなら大丈夫なのかもしれないが。 回すときに、ハンダしている足に力がかかってしまうからだろう。

マルツの店頭でよさげなのを探したら、東京コスモス電機のトリマポテンショをみつけた。 これは大丈夫なようだ。 足もかなりしっかりしていて、折れそうにない。 これからは、基本的にこのトリマポテンショを使おう。

無帰還で聴いてみると、さらに良くなった感じ。 低域はぼんつくけど、以前よりはるかにいい。 思った以上に良いアンプになりそうで、うれしい。

はらわた(電解コンデンサを変更した後

6AQ5全段差動アンプへの道・・・準備

まずは下準備を・・・

1) もともとのAMP-3では、各チャンネルの 6AQ5(2球)に30mA しか流れていない。 AB級だから当然か? このままで、バイアス電流を増やすと、電源フィルタの抵抗が焼けてしまう。 300Ω/220μF 2段のフィルタ回路を、抵抗を並列にして 150Ωに変更し、ダイオード保護に 10Ωを追加。 電圧は265V程度となって、自己バイアスならちょうど良くなった。 ラッキー!

2)6AQ5を三結にして、LM317による定電流回路に変更。 定電流としては62.5 mA(2球分)で、6AQ5のプレート損失は 7.8W で、データシートによれば、三結垂直偏向出力時は 9W の最大設計中心なので、まあいいだろう。

上記のようにしてみたら、異音がする。 定電流回路の発振はよくあるトラブルらしい。 解決方法をググって、0.01μ のコンデンサを入れましたとさ。

この状態で聴いてみたところ、もともとの状況だと、よく言えば懐かしい音・昭和の音だが、はっきりいうとチャンネルセパレーションが取れていない、ステレオイメージが広がらない、狭帯域の音だったのが、だいぶ改善された感じ。 全段差動アンプは、電源の影響を受けにくいことが、功を奏しているのだろうと思った。

幸いにして、トランスはあまり熱くならない。 長く使っても、手で触っていられる程度。 よって、電源トランスの 235V/150mA は、DC電流値に決定!

3) ボリュームはいつも ALPS RK-27 を使っている。 ところが、AMP-3 付属のつまみはローレットタイプ。 せっかくだから、デザインを壊さずにしたいので、探してみたら、ローレットタイプの音響用(RK2122G-A10K L-20KC)があったので、これを採用。

6AQ5全段差動アンプへの道・・・ラジオ少年 AMP-3

ウェブ上で大変評判の高い全段差動アンプを作ってみたいと思っていた。 情熱の真空管(http://op316.com/tubes/tubes.htm)に、設計マニュアルを始め、たくさんの資料がある。 シャーシ加工が大変なこともあって、なかなかやれずにいたが、ヤフオクで、ラジオ少年 AMP-3 を手に入れ、改造することとした。 6AQ5(実機は高信頼管の6005)を選んだのは、6V6三結の音が割と好みだから。 6G-A4がもったいないので、BGM でいいときは、6V6三結で聴いていたことも多い。 今なら、6EZ5/6EY6あたりを手に入れて使うんだろうと思うが・・・。

元々の回路図は、こちら。 設計者による記事もある。 12AX7によるPK分割で、AB級、ビーム管接続、固定バイアスである。情熱の真空管にも書かれていたが、普通のプッシュプル・アンプを差動プッシュプルに改造するのは、乗り越えないといけないことが多数。

すなわち、AB級からA級への変更に伴う電源電圧の変更、出力トランスのインピータンスの問題などである。 電源トランスは、235V/150mA, 22V/50mA, 6.3V/3A となっている。 AC表示だったら、どうしようと思いつつも、まさか6AQ5PP ステレオを、DC 100mA のトランスでまかなうことはないだろうと、勝手に DC 150mAだと考えた。 電源トランスが熱くなってしまうなら、6AQ5の電流を減らせばいいやと見切り発車。 出力トランスは、5KΩ PP で、8Ωのみの出力。 15W用とのこと。 こちらは一次インピータンスが低すぎるけど、あきらめるしかないか。

「情熱の真空管」のBuilding My Very First Tube Amp講座や、情熱の真空管アンプ(書籍:もはや中古かアマゾンのオンデマンドしかないらしい)を読んで、まずはベーシック2段アンプを作ってみることにした。