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6G-A4全段差動アンプ・・・NFB量の決定

聴感にて、NFB量を決定することにした。

NFBをかけないで聞いてみると、端正ですなおな音という印象である。 音数は 6AQ5全段差動アンプより多く、期待が持てる。

情熱の真空管のコンテンツ「Building My Very First Tube Amp講座」の掲示板のログに、12AX7 ー 6G-A4 の2段構成の全段差動アンプを作成した方がおり次のような感想を述べていらっしゃいました。

絶滅寸前6GA4の全段差動が、一応の完成をみました。(中略)その音色は「スジ肉というよりはブロイラー」という印象です。ただほんのすこし良質のブロイラーらしく「味わいはないけど、臭みは少ない」といったところ。この先、熟成して味が出るか? ただ腐るか?

無帰還出来いてみて、「味わいはないけど臭みは少ない」のはわかるような気もしました。

さて、ここからが本題。 低域がボンつかないようにとNFBをかけてみるわけで、当初、期間定数βを 0.1 程度(Rin 100 / Rnfb 910)にして、がっちりNFBをかけてみたところ、躍動感に乏しい、死んだような音になった。 まさにブロイラー。

それではと、NFBを減らしてみると、なかなか良い点が見つからない。 上原ひろみのALIVE~ワンダラーのドラム、ベースがはじける様子が出ないか、ボンついてしまうか。 仕方がないので、Rnfb を 5kΩのトリマポテンショにして、いろいろ聞きながら、よい点を探ってみた。

わかったことは、良いポイントが本当にピンポイントであること。 メインのスピーカーである Dynaudio Contour 3.3 でも、
サブの ALTECLANSING Mini Monitor 8A  でも、同じポイントで良い感じで聞けることが分かり、Rnfb = 2kΩがベストポイント。 NF量は 8.6 dB  となった。

さて、ここで周波数特性を取ってみると、両チャンネルとも125kHz あたりに、1 dB 程度の盛り上がりがある。 220 pF で、盛り上がりは消える。 左チャンネルは 220 pF できれいななで肩になるが、右チャンネルはわずかに盛り上がる。 しかし、右チャンネルの補正コンデンサを 330 pF にすると、左チャンネルとの差が大きくなりすぎるようだ。 よって、補正コンデンサを 220 pF とすることにした。

補正コンデンサもつけて、Dynaudio Contour 3.3 で試聴してみると、端正な鳴りながら、ごきげんなサウンドだ。 私がいつも気にしている、ピアノのキータッチの差がわかる件については、無帰還のときからかろうじて合格で、補正コンデンサまでつけた現時点では、これまでのメイン装置の SOULNOTE ma 1.0  よりも、キータッチの差を露骨に表現する。 ブラスバンドを聞くと、管楽器のしなやかさの表現もうまい。 マーラーのような大編成のオーケストラものを聞くと、SOULNOTE ma 1.0 に 一日の長を認めるが、モーツアルトやシューベルトの交響曲ではいい勝負だと思う。

6AQ5 全段差動と比較すると、似たような傾向のアンプだとは思うが、格の違いを感じる。 6AQ5 全段差動のトランスが中華製でちょうどよい負荷抵抗ではないのに対し、6G-A4全段差動は、TANGO FX40-8 なので、勝負にならないか。

長時間の試聴をしてみると、予想通り、真空管を除いて一番熱いのは終段の定電流をささえる放熱器である。 幸い、触って心地よい程度なのでちょうど良かったようだ。

さて、最後に、このアンプの作成を他人にお勧めできるかと問われると、答えは NO だ。 発振の件でわかるように両チャンネルで状況が異なるにもかかららず、理由がわからないこと。 すなわち、私の記事は再現性が保証できないからだ。