ヤフオクで Softone Model 7 を、気がついたら購入していた。 Softone Model 7 は、技術解説によれば、2本の出力管を独立定電流回路を設けたカスコード差動単段増幅で、各種の真空管を調整なしで使用できる。 私が購入した商品には、オリジナルEL34に加えて、ElectroHarmonix の EL34EH、Golden Dragon 350B、Tube Amp Doctor 6L6GC/KT66、東京電気商会 KT88、CCI EL156 も付属していた。 これで大出力の全段差動アンプを自分で作成せずともよいと思っていたが、手元の全段差動アンプのほうが良いような気がしていた。
ぺるけ師匠の掲示板の過去ログをみていたら、ぺるけ師匠は独立定電流回路では、全段差動らしい良さに欠けるところがあるという書き込みがあった。 既にその掲示板の過去ログは失われているが、やはり自分で作って比較してみようと考えた。
当初は、Softone Model 7 と同じ出力トランスを使うことを考えたが、メインスピーカーのインピータンスが4Ω であることから、ARITO’s Audio Lab の DE-8K20W を使用することにした。 置き場所を節約する意味でステレオ構成と考えた。 電源トランスは Tango MX-280 をヤフオクで購入した。 ケースは、Lead MK-400 だ。 真空管がむき出しになっているほうが見栄えは良いが、子ども(孫たち)が触ってやけどしたりするのは困る。 それに、真空管破損もあり得る。 実際、先日 6G-A4 が被害にあった。
メインシステムで使うことを考え、バランス入力は当然だが、回路構成はどうしようか迷った。 ぺるけ師匠による 平衡型EL34全段差動プッシュプル・モニター・アンプ をデッドコピーすることも考えた。 手元に 5687 もあることだし。 しかしながら、へそ曲がりの私は同じはつまらないかなぁとすぐ思ってしまう。 デッドコピーは無理というぺるけ師匠の本音爆裂・神経逆撫は存じておりますが・・・
6G-A4 全段差動アンプで採用した 2SK-117 +カスコードブートストラップによる2段増幅アンプが頭をかすめた。 2段増幅アンプは、上記のデッドコピーの3段増幅アンプより、位相回転の点から安定しているからだ。 6G-A4 全段差動アンプでは直結アンプにしたが、今回のアンプでは終段のプレート電圧が高いため、直結アンプは 500V 以上の電圧を扱うことになるため避けたい。 段間をコンデンサで切ることになる。
6G-A4全段差動アンプでは、電源トランスから出力トランスへの誘導ハムが存在していた。 このような影響を避けるために、入念にトランス位置を考えた。 ぺるけ師匠の 6AH4GT 全段差動アンプのデザインを踏襲することを考えたが、出力管のスペースが狭すぎることから断念した。 左右対称型で真ん中に電源トランスをおき、その前にチョークをおくことにした。 こうすることで、出力管同士のスペースを広くできるので、放熱対策として有効だ。 一次側 P-P管の誘導ハムを最小にできる場所も確認した(下図)。