こんにちは、Pioneer Puremalt Speaker(その2) (99/11/17 記)
  

この文章は こんにちは、Pioneer Puremalt Speaker(その1)の続編になっています。
まだ、お読みでない方は、そちらを先にお読みください。

 
伊藤恵さんのピアノに聞き入って、余韻の消え入り方や、ピアノの響きの美しさに酔っていられたのは、わずか数日であった。 サイズ上、仕方がないことだが、低音の量感は不足している。 それを Superwoofer で補うつもりであった。

ところが、スーパーウーファとのうまく、つながってくれない。 小さめのスピーカーなので、100 Hz ぐらいから、試行錯誤してみた。 聴感で調整してみても、はっきり良いポイントが見つからない。 それではとばかりに、いつもの簡易測定器も使って調整してもみた。 60 Hz から 10 Hz ごとに測定しながら、良さそうな周波数を探すと、110 - 130 Hz あたりとなった。

ずいぶん高いカットオフ周波数だなぁと感じたが、小さなスピーカーだから、100 Hz 程度のところになっても仕方がないのかもしれない。 まずは、この設定で聴いてみる。 ピアノ曲を聴いてみると、さほど違和感はないし、低音の量感不足もない。 まずは、合格だと思いながら、数日聞き込んでいた。

ところが、なんとなく、どこかおかしい感触がとれない。 管弦楽など、編成が大きくなるほど、違和感を感じる。 オルガンがはいる曲(たとえば、Schumann の ミサ・サクラ Op. 147, フーバー指揮)を聴くと、低音に拡がりが感じられない。 ここまで聞き及んで、どうして違和感を感じていたのか、やっとわかった。 Superwoofer のカットオフ周波数が高いので、低音域に達するにつれて、定位感が失われるのだ。 低音の定位感に気をつけながらカットオフ周波数を下げていったところ、カットオフ周波数が、80 Hz を切るあたりから、低音の定位感の違和感がなくなることがわかった。 こういったところは、伝達特性をはかっても、わからない。

さて、80 Hz 以下のカットオフ周波数で、どの程度まで良くなるか。 今度は聴感で調整してみたが、低音の音量感がいまひとつで、満足からほど遠い。 参考のためにとったデータが、下図だ。

Puremalt 失敗例 (7K)

見ての通りの、惨憺たる伝達特性だ。 200 Hz 前後の dip が 10 dB に達し、それを補うがごとく、 100 Hz 前後にも大きな peak が生じている。 これでは、まともに聞こえないのは、当たり前と言える。 また、逆に、この特性表から鑑みるに、110 - 130 Hz でのクロスオーバーとなるのも、無理はないように思われる。 そのあたりのカットオフになれば、200 Hz 前後の dip もある程度カバーしてもらえる。

ここまできて、Puremalt speaker のもともとの周波数特性が気になってきた。 カタログを見ても、ウェブサイトをみても、周波数特性表はない。 それならば実測してみるしかない。 無響室での測定ではないので、部屋の中央にスピーカーをおいて、25 cm という近傍にマイクを置いて測定したのが、下図だ。

Puremalt 単独(7K)

バスレフ型のシステムであることから推測すると、本体のスピーカーユニットからの直接音は、200 Hz 程度までの伸びで、150 Hz あたりに、小さな Dip が存在する。 そして、100 Hz 前後でわずかに盛り返して、その後はだら下がりになる。 図から判断すると、80 Hz より下はまず望めない。 これでは 100 Hz 前後から、Superwoofer にある程度がんばってもらう設定となるのもやむを得ないと思われる。 やはり、Puremalt Speaker は大きさ相応で、サブシステム程度の能力しかないのかもしれない・・・。 これは無駄なものを買ってしまったかと、気分は最悪で次回へと続く。

(to be continued...)

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