Der Rose Pilgerfahrt, Op. 112 (その3) | (99/7/25 記) |
Zweiter Teil (第2部)
Nr. 11 (第 11 曲)
Tenor-solo
lns Haus des Totengrbers
Fallt durch die Fensterlein,
Umrankt vom Epheugitter
Der holde Morgenschein.
Es weckt mit leisem Grue
Der Greis die Pilgerin.
テノール独唱
墓掘り人夫の家のつたのからまる窓から、朝日がさしこんでいる。
老人はやさしく、巡礼者(ばら)を目覚めさせる。Rose
Hab' Dank fur deine Gte,
Nun will ich weiter zieh'n,
Und woll' die Hande legen
Aufs Haupt, mein Vater, mir,
Begluckt mit deinem Segen,
Nur so geh' ich von dir.
ぱら
あなたのご親切に感謝します。
おかげで、これからさきも、歩む気力が出てきました。
父よ、どうかわたしの頭に手をおき、わたしを祝福してください、
こうしてお別れしたいと思います。
Totengrber
O glcklich, dreimal glcklich ist,
Wer dich als seine Tochter kut,
Hor' meine Bitte: folge mir,
lch gebe treue Eltern dir.
墓堀りの男
ああ、1回でも、3回でも、祝福しましょう。
あんたを娘としてくちづけするから、わたしの言うことを聞いてほしい。
わたしについてきなさい。 おまえを祝福してくれる両親を紹介してあげよう。
Tenor-solo
Die Rose sinkt an seine Brust,
Sie grt des Lebens erste Lust.
テノール独唱
ばらは、老人の胸のなかに、飛び込んでいった。
こうして、ばらは、この世に生まれてはじめて、よろこびを知った。
Nr. 12 (第 12 曲)
Frauenchor
Zwischen grnen Bumen
Schaut des Mllers Haus,
Wieder Sitz des Friedens,
Auf das Thal heraus.
女声合唱
緑なす樹々のあいだから、粉屋の家が見えてくる。
それは谷間のなかで、平和なたたずまいをかもしだしている。Waldbachs wilde Wege
Treibt das rasche Rad.
Das, wie Liebessehnen,
Niemals Ruhe hat.
森のなかの急流が水車を勢いよくまわしている。
それは愛への憧れのように、休むことがない。ln dem Grtchen neben
Schmuckt die Frhlingslust
Sich mit frischen Blumen
Locken, Haar und Brust.
そのとなりの庭には、春の新鮮な花が いっぱいに咲き乱れ、髪や胸を飾っている。 Glne Epheuranke
Hat die Gartenwand
Mit dem Bltterneze
Zierlich berspannt.緑濃いつたが、庭の塀全体にわたって、 たくさんの葉っぱをしげらせている。
Nr. 13 (第 13 曲)
Tenor-solo
Von dem Greis geleitet,
Mit dem Sonnenstrahl,
Kommt die Mdchenrose
Jemt zur Muhl' im Thal.
テノール独唱
明るい陽の光の中、老人の後をしたがい、
ばらは、いま、谷間の水車小屋へおもむいた。
Totengrber
Auf dieser Bank, von Linden
Beschattet, harre mein!
墓堀りの男
このぼだい樹の木陰のベンチに座って、待っていなさい。
Rose
Gesegne Gott den Schritt!
So soll das hochste Gluck auf Erden,
Das sheissersehnte, mir doch werden,
Teilnehmen wird an meinem Schmerz,
An meiner Lust ein Elternherz?-
神様、どうかうまくいきますように。
この世のいちばん高貴で、いちばん憧れていた幸福が、私のもとへにとどくでしょうか。
(新しい)両親は、わたしの悲しみやよろこびを、分かち合ってくれるでしょうか。Totengrber
Komm, liebes Kind, zu uns herein!
墓堀りの男
愛する子供よ、私たちのほうへ、こっちにおいで!Mller
Wie, ist es Tauschung, ist es Schein?
粉屋の主人
なんと。 これは夢か、幻か。Mllerin
Der Tochter gleicht sie auf ein Haar.
粉屋の奥さん
本当に、髪の毛の先まで、私たちの娘と同じだ。Rose
Mir ist so selig - wunderbar.
ばら
私は幸せ。 とってもすばらしい。Totengrber
Nun, lieben Leute, hatt' ich Recht?
墓堀りの男
さて、私の愛する人たちよ。 私は正しかっただろ。Mller
Bewhrt ist stets, was lhr auch sprecht.
粉屋の主人
あなたが言うことは、いつも正しい。Totengrber
lst's nicht ein schmuckes Mgdelein
Der Rose gleich, so zart und fein?
墓堀りの男
ちょうどバラのように、美しく愛らしい、すてきな娘さんではないだろうか。Mller
Aus ihren Augen spricht es laut:
Wohl bin ich wert, da ihr mir traut.
粉屋の主人
娘さんの眼が、高らかにこう語っている。
私は、あきらかに、信頼に値する娘ですと。Mllerin
So flle denn in Brust und Haus
Den leeren Platz der Toten aus!
粉屋の奥さん
これで、私たちの娘の死によって、私たちの心の中と家の中にぽっかりとあいてしまった場所を、(ばらが)ふさいでくれますわ。Rose
O Wonne, o du Himmelslust,
lhr nehmt mich an die Elternbrust.
Nehmt meiner Liebe ganzen Schatz,
Nur lat mir diesen teuren Platz.
ばら
ああ、なんという幸せ、天のよろこび。
わたしを娘として、両親の胸へと連れていってくださるとは。
わたしの愛をありのままにお受け取りください。
そして、どうかわたしを、この家に置いてください。Mller und Mllerin
O Wonne, o du Himmelslust,
Wir halten dich an uns'rer Brust,
Wir geben dir den besten Platz,
Seid eine Liebe uns Ersatz.
粉屋の主人と奥さん
ああ、なんという幸せ、天のよろこび。
わたしたちは、あなたを胸に抱き続けよう。
あなたにこの最良の居場所をあげよう。
そのかわり、わたしたちを愛してください。
Totengrber
O Wonne, o du Himmelslust,
Sie ruht an treuer Elternbrust;
So wird ihr doch an disem Platz
Fur manches Leiden nun Ersatz.
墓堀りの男
ああ、なんという幸せ、天のよろこび。
この娘はやさしい両親の胸へと導かれる。
この場所にとどまり、これまでの幾多もの苦しみが すっかり癒されることだろう。
Nr. 14 (第 14 曲)
Tenor-solo
Bald hat das neue Tchterlein
Der Eltern ganzes Herz,
Und um die Heimgegangne bleibt
Nur noch der Wehmut Schmerz.
テノール独唱
まもなく、新しい娘は、完全に、両親の心をつかんだ。
それでもなお、死んだ娘への悲哀と苦しみとは残っていた。lm ganzen Drfchen, weit und breit,
lst Kein's, das sie nicht liebt,
lm ganzen Drfchen, weit und breit,
Nicht Ein's,das sie betrubt.
村の隅々に至るまで、どこでも、彼女を愛さなかったものはいない。
村の隅々に至るまで、どこでも、彼女を悲しませることはなかった。
"Schn Rschen", Seufzt wohl manches Herz
"Du se Augenlust,
Ach durft' ich ruhen wonniglich
An deiner blh'nden Brust!"
美しい小さなばらよ。 幾多もの心が、思いを寄せた。
きみは、なんて愛らしいんだ。
ああ。 きみの胸に抱きしめてもらい、うっとりとしていたい。
Nr. 15 (第 15 曲)
Mnnerchor
Bist du im Wald gewandelt,
Wenn's drin so heimlich rauscht,
Wenn aus den hohen Bschen
Das Wild, aufhorchend, lauscht?
男声合唱
森がひそかにざわめいているとき、
高い茂みのなかで野獣が、耳をそばだてているとき、
おまえは森を歩き回ったことがあるか。Bist du im Wald gewandelt,
Wenn drin das Frhlicht geht,
Und purpurrot die Tanne
lm Morgenscheine steht?
森に早朝の光が射し、 もみの木が朝日に当たって 赤紫色に映えているとき、 おまえは森を歩き回ったことがあるか。 Hast du da recht verstanden
Des Waldes zaubrisch Grn,
Sein heimlich ses Rauschen,
Und seine Melodien?-
緑の森の美しさを、そのひそかなざわめきを、
そのささやくメロデイを、おまえは、本当にわかっているのか?O Herz, wenn dir die Erde
Nicht hlt, was sie versprach,
Wenn Lieb' und Treu' die Schwre
In arger Falschheit brach,
ああ、心よ。
この世がおまえに約束したことを守らなければ、
愛と忠誠の誓いが、悪知恵な誤りによって、破られることがあるなら、
Dann Komm', rufts aus dem Wald,
Komm' her in meine Ruh',
Mein leises, khles Rauschen
Kt deine Wunden zu.
それならば、森が招く。 おいで、と。
わたしの胸のなかで安らぐのだ。
わたしのやさしい、涼しげなざわめきで、
おまえの(心の)傷にくちづけしてあげよう。
Bist du im Wald geblieben,
Wenn's still zum Abend wird,
nur durch die dunklen Tannen
Der letzte Lichtstrahl irrt;
静かな夕暮れがきて、
暗いもみの木の間に、最後の日の光が射すとき、
おまえは森にとどまっていられるか?Bist du im Wald geblieben,
Wenn sich das Mondenlicht
Wie eine Silberbinde
Um jedes Bumchen flicht;
月の光が、銀の帯のように、おのおのの樹々を包みこむとき、
おまえは森にとどまっていられるか?Hast du da, an dem Herzen
Des Waldes angedrckt,
Nicht selig froh zum Himmel
Dein Nachtgebet geschickt?
そして、おまえは森の心に 身を委ねたことがあるか?
夜の祈りを天に向けて幸せを 感じたことはなかったか?O Herz, wenn dich die Menschen
Verwunden bis zum Tod,
Dann klage du, dem Walde
Vertrauend, deine Not.
ああ、心よ。
人間たちがおまえを死ぬほど傷つけたときには、
森にむかって心を開き、その苦しみを訴えなさい。
Dann wird aus seinem Dunkel,
Aus seinem Wundergrn,
Beseligend zum Herzen
Des Trostes Engel zieh'n.
そうすれば、森の暗闇から、森の不思議な緑から、
慰めの天使がきて、おまえの心を、
この上もなく喜ばせてくれよう。
みなさまのおすすめの演奏やご意見がございましたら、
n'Guin までメールをください。 お待ちしております。
続きに進む
このページのトップに戻る
R. SCHUMANN おすすめの曲 の一覧に戻る
原詩は、Huber 指揮の CD (ebs 6075)のライナーノートに従いました。
原詩の日本語訳は、私 n'Guin が気のおもむくままに、訳したものなので、誤りがたくさんあることだろうと思います。 誤りを見つけたら、あははははっ! と笑って、私に教えてくださいな。