Der Rose Pilgerfahrt, Op. 112 (その2) | (99/7/18 記) |
Nr. 6 (第6曲)
Rose
Bin ein armes Waisenkind,
Dem seine Lieb'n gestorben sind.
ぱら
わたしは愛する家族に死なれた、あわれな孤児です。
Martha
Habt lhr ein Zeugnis, einen Schein.
Da man euch auch trauen mag?
マルタ
何か、身分を証明できるものをお持ちですか、 あなたを信頼できるような証書を。
Rose
Ach nein!
Wenn Euch mein Bitten nicht bewegt-
ぱら
いいえ、持っていません!
わたしの頼みが容れられないのなら−
Martha
Das Mitleid saure Fruchte tragt,
Hat man im Haus erst Euresgleichen,
Pflegt Ruh' und Frieden d'raus zu weichen,
Geh' du nur fort!
マルタ
人を見たら泥棒と思えといいます。
あなたのような人をいったん家に入れると、 家のなかはめちゃめちゃになるのです、
ここから出て行って!
Rose
O nehmet auf mich mildgesinnt,
lch will Euch lohnen, was lhr thut
An mir, mit meinem Herzensblut.
ぱら
ああ、どうかわたしをやさしく受け入れてください。
そのかわりなんでもいたします。
わたしの心の血をもってしてでも。
Martha
Versprechen lasst sich viel mit Worten,
Geht, pocht dort an des Nachbars Pforten!
Geht fort!
マルタ
ロでならなんとも言うことができます、
さあ出て行って! お隣の家の扉を叩いてみたら!
出て行けって!
Nr. 7 (第7曲)
Tenor-solo
Es war der Rose erster Schmerz!
Trostbittend schaut sie himmelwrts;
Und weiter unter Abendglh'n
Wallt still die Blumenknigin.
テノール独唱
それが、ばらのはじめての苦しみであった!
ばらはすがるように、天に眼を向けた。
そして夕映えのなか、なおも、花の王様(ばら)は、ひとりさまよい歩く。Ein einsam Huschen,unscheinbarm,
Nimmt jetzt ihr Auge wieder wahr.
Am friedhof liegt es angelehnt,
Vom Fliederbaume rings verschnt;
すると、今度は、みすぼらしい小さな家がばらの目にはいってきた。 その家は墓地の隣にあって、美しいライラックの樹に囲まれていた。 Durch's off'ne Tor ragt Kreuz und Stein,
Verklanrt vom gold'nen Abendschein.
Sie tritt hinein, da steht ein Greis,
Gebckt das Haupt,wie Silber,
金色の夕日に照りはえた中で、開いた門を通して十字架と墓石がみえた。
ばらはなかに入った、そこには白髪の老人が、頭を垂れて、立っていた。Ergrbt,den Spaten in der Hand,
Ein Grab in's grune Land.
老人はスコップを手にもって、 緑の草地に墓穴を掘っていた。 Rose
Fr wen ist's Grab hier, tief und klein?
ぱら
こんなに深い小さい墓はだれのため?
Totengrber
Fr uns'res Mllers Tchterlein.
墓堀りの男
この墓は、粉屋の娘さんのだ。
Rose
O arme Schwester, tief beklagt!-
ぱら
ああ、かわいそうな娘さん、お悔やみ申しあげます!
Totengrber
Ein schwerer Tod,ein Tod voll Schmerzen
Zu sterben am gebroch'nem Herzen-
墓堀りの男
恋に破れてしまった心のために、死んでしまうことほど つらい、苦しみに満ちた死はない。Rose
Wie soll ich mir dein Reden deuten?
Bringt treue Liebe solche Leiden?
ぱら
あなたが言っている意味がわかりません。
何故に真実の愛が苦しみをもたらすのか。Totengrber
Wer heiss geliebt und ward betrogen,
Der hat ein Todeslos gezogen-
Er wird beheit von seinen Schmerzen
Nur an der Erde Mutterherzen.-
墓堀りの男
誰しも、情熱的に恋して、そして裏切られれば、死する運命しか残っていないのだ。
そして、死んでしまえば、母なる大地に抱かれて、愛の苦しみからやっと免れることができるのだ。Rose
O Schwester, tief beklagt!ぱら
ああ、(私の姉妹ともいえる)娘さん、深くお悔やみ申しますTotengrber
Doch sieh', da kommt mit Trauersang
Der Leichenzug den Weg entlang.墓堀りの男
ほら、あそこにみえるよ。 弔いの歌をうたいながら、弔いの人たちが道をがやってくるのが。
Nr. 8 (第8曲)
Chor
Wie Blatter am Baum,
Wie Blumen vergeh'n-
Wie Blutenflaum
Die Winde vemeh'n
混声合唱
木の葉が散り、花が萎れ、 風が花の綿毛を吹き払うように、So geht vorbei
Des Lebens Mai
Eh' wir's denken,
Deckt das Grab,
Was das Leben
Liebes gab!
人生の5月(萌え盛り)は、考える間もなく、 過ぎ去ってしまう。
墓に土をかけなさい。
愛のある人生が与えた結果なのだ。Rose
Oh Schwester, tier beklagt!ぱら
ああ、娘さん、深くお悔やみいたします!Chor
Wir werfen in dein frhes Grab
Die Blumen betend still hinab.-
合唱 若くして死んだおまえの墓に、静かに 祈りながら、花を投げ入れたいと。 Totengrber
Sei dir die Erde leicht!墓堀りの男
大地のもと、安らかに眠りたまえ!Chor
Der Erde geben wir zurck Dich, uns're Hoffnung, unser Gluck.-合唱
わたしたちはふたたびおまえを、わたしたちの希望を、そして私たちの幸福とを、大地に返す。Rose
Schlumm're sanft!ぱら
安らかにお眠りなさい。
Chor
Schmerz ging mit uns ans Grab hinaus, Schmerz geht mit uns ins Trauerhaus!合唱
悲しみは、わたしたちとともにこの世の墓に残された。
悲しみは、わたしたちとともにこの世の残された家族のものとなった。Rose
Ruh' sanft!-ぱら
おだやかに、お眠りなさい。
Nr. 9 (第9曲)
Tenor-solo
Die letzte Scholl' hinunterrollt,
Die lezte Trne ward gezollt;
Und still nach Haus gewandelt sind.
Die zur Ruh' geleitet Mllers Kind.
テノール独唱
最後の土がかぶされ、最後の涙が流された。
粉屋の娘を弔った人々もまた、静かに家路についた。Auch der Totengrber verlasst den Ort,
Nur das Mdchen kniet noch am Grabe dort.
Schon glanzet aus tiefblauem Himmel
Der Sterne gold'nes Glanzgewimmel;
墓掘り人もまた、立ち去った、
それでもなお、ばらだけがまだ墓についていた。
暗さを増してゆく空に、金色の星が光っていた。
Das Mondlicht lauscht durchs Laub der Linden,
Als sucht' was Liebes es zu finden.
Die Pilg'rin hebt sich jetzt empor,
Und wandelt nach des Kirchhofs Thor.
なにか愛をさがし求めるように、月の光が、ほだい樹の葉陰から漏れ出でていた。 巡礼者(ばら)はやっと身をおこし、墓地の門に向かって行った。 Totengrber
Wo willst du hin, feucht wird die Nacht.墓堀りの男
こんな冷たくなった夜に、どこへ行くんだい?Rose
Mich leuchtet heim der Sterne Pracht.ばら
星が、明るく、私の行く末を照らしてくれます。Totengrber
Denk', Kind, es sei des Vaters Bitte:
Verweil' die Nacht in meiner Hutte,
Das Wenige, was mir gehrt,
Sei dir, mein Kind, gewhrt.
墓堀りの男
子供よ、どうか、父親のいうことだと思って聞きなさい。
今夜は私の小屋に泊まるがよい。
もてなせることは少ないが、私の子よ、ここにいなさい。
Rose
Hab' Dank - mit neuer Lebenslust
Erfullt dein freundlich' Wort die
Brust-
Ich folg' dir, bis zum Morgenschein
Will ich dein Gast, mein Vater, sein.
ばら
どうもありがとう。 あなたの親切な言葉が、新たな生きる勇気ともに、 私の胸にしみいってきます。
朝日が昇るまで、あなたを父と思って、あなたに従い、お世話になります。Totengrber
Du siehst, schmucklos ist meine Wand.墓堀りの男
本当に何にもない部屋だろ。Rose
Das Kranzchen dort am weissen Band?ばら
あの白いリボンにつるされた花の冠は何ですか?Totengrber
Das gilt mir wohl als hochstes Gut;
Mein liebes Weib, das drauen ruht,
Trug diesen Kranz im blonden Haar,
Als mein sie wurde am Altar.
墓堀りの男
あれは私のいちばんの宝ものだ。 もう死んでしまったが、私の愛する女と、夫婦になったときに 彼女がこれをブロンドの髪につけていたのだ。Doch lass die Toten ruh'n-
Sie haben Frieden nun.
Uns stelle Gott die Engelwacht
Zu unsrem Schlaf in dieser Nacht.
いやもう、死んだ妻のことを語ったところで - - -
死んだ者は、今は幸せなのだから。
ともあれ、神の命令で、今夜の眠りを、天使たちがお守りくださるように。Rose
Behut' sie Euch, wie alle Guten!ばら
あなたも天使たちがお守りくださるように。Totengrber
Schlaf sanft!墓堀りの男
ぐっすりお休み。
Nr. 10. Gebet.(第 10 曲、祈り)
Rose
Dank, Herr, dir dort Sternenland,
Du fuhrtest mich an Vaterhand,
Und in der Leiden Becher fiel
Ein Himmelstropfen, s und khl;
ばら
星空におわす、主に感謝いたします。
あなたはわたしを父の手にお導きくださいました。
そして苦しみのさかずきに、天から、あまく冷たい 大きなしずくをたらしてくださいました。
Nun wolle Ruh der Mden schenken
Da ich gestirkt dem jungen Tag,
Was er auch bring', entgegen blicken mag!
(lm Einschlummern).
Ob sie wohl mein gedenken?
今はただ、疲れを癒しましょう。
明日はたとえどんな一日になろうとも、 それに備えるためにも。 (眠り込みながら) わたしのこと思ってくれているかしら。Chor der Elfen
Schwesterlein!
Hirst du nicht beim Sternenschein
Unser Lied.
Horst du nicht die Glockchen fein,
Rosenblut?
Horst du nicht beim Sternenschein
Das Elfinlied?
妖精の合唱
愛する妹よ。
星のまばたく夜に、おまえは わたしたちの歌を聴きませんでしたか?
おまえは、美しい鐘の音を聴きませんでしたか?
星のまばたく夜におまえは妖精の歌を聴きませんでしたか?
La dich nicht berucken,
Kehr'zu uns zurck,
Hoffe nicht auf Glck!
無理することはありません。 私たちのもとへ戻っていらっしゃい。 幸福になることなど当てにしないで! Nur bei uns,
lm Reich der Elfen,
Wohnt die Lust,
Aber Schmerz und Leiden
in der Menschenbrust.
わたしたちのところだけに、この妖精の国にだけ、よろこびがあるのです。
悲しみと苦しみは人間の胸のうちにだけにあるのです。Schwesterlein!
Klingt in deinen Traum hinein
Nicht unser Gru?
Fhlst du nicht im Mondenschein
Unsern Ku?
かわいらしい妹よ。
おまえの見ている夢のなかで、わたしたちの歌が聴こえますか?
月の光を洛びて、わたしたちのくちづけに感じられませんか?
La dich nicht berucken,
Keh'r zu uns zurck!
Hoffe nicht auf Glck!
無理することはありません。 私たちのもとへ戻っていらっしゃい。 幸福になることなど当てにしないで。 Whnst du, da auf Erden
Wohne dauernd Glck?
ln der Schmemenstrne
Stirbt der Freude Blick.
地上には永遠の幸福があると思い込んでいるのではないでしょうね。
悲しみのあまり流す涙のなかでは、よろこびにかがやくまなざしが死んでしまいます。Rslein, komm zurck,
Hoffe nicht auf Glck,
Komm' zurck!
ばらよ、もどっていらっしゃい。 幸福など当てにしてはいけません。 戻っていらっしゃい!
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原詩は、Huber 指揮の CD (ebs 6075)のライナーノートに従いました。
原詩の日本語訳は、私 n'Guin が気のおもむくままに、訳したものなので、誤りがたくさんあることだろうと思います。 誤りを見つけたら、あははははっ! と笑って、私に教えてくださいな。