Frauenliebe und -leben, Op. 42 | (98/3/8 記) |
Frauenliebe und -leben (女の愛と生涯、op. 42)は、8つの曲から成っています。
Chamisso が書いた詩の内容は、こんなところでしょうか。 まさに夫唱婦随の、いささか古典的な女性像ではあります。 ここドイツの友人の話では、こんな女性像は、R. Schumann が生きていた当時でも、たぶん古典的すぎる女性像であろうとのことです。
第一曲〜第三曲の恋心にゆれるさま(特に第三曲の不安さを奥底に秘めた部分)、第四曲〜第六曲の結婚へ向けての幸せの時、第七曲では母として、落ちついた家庭のもつ静かな喜び、そして、最終曲での悲しみの表現・・・ 感情の起伏の表現がうまい演奏家にとっては、聴かせどころにあふれた曲であるといえましょう。
閑話休題。 女声歌手に関して、だれに、どこで、いつ、すりこまれたのかわかりませんが、とにかく私は、Elly Ameling が好きなのです。あのきらきらと輝いていて、清純で、それでいて温かいあの声を聴いていられるだけで、もう満足なのです。 さよならコンサートの感激がよみがえる・・・ もっと長く、現役でいて欲しかった。
Frauenliebe und -lebenの私にとってベストの演奏は、もちろん Elly Ameling です。 清純な乙女が、恋に落ちて行くさまが、美しく表現されています。 彼女の清純でしかも暖かい声が十二分に生きています。 その一方で、最終曲でははりつめた緊張感がみなぎります。 Dalton Baldwin の伴奏も見事です。 特にうまさを感じるのは、最終曲の後奏です。 はりつめた緊張感をうまく解きほぐして、曲全体に、温かみある味わいを残して、曲が終わります。
もちろん、他にもいい演奏がいっぱいあります。 例えば、Mitsuko Shirai / H. Hoell も、おすすめの好演奏です。 アメリンクが引退してしまった現在、私が一番期待している歌い手でもあります。 うれしいことに、この方は、結構 Schumann を唄ってくださるのも、ありがたい。
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