【 目覚めのころ 】への脚注 | (98/2/15 記) |
[6W-C5] - [6C6] - [6Z-DH3A] - [6Z-P1] ← [12F] といった構成の真空管式の5球スーパーラジオ
6W-C5, 6C6.. etc は、いずれも ST 管の真空管の名前である。 ST 管というのは、右の図のように、上部が膨らんだ形の真空管のことで、戦前に多く用いられたタイプの真空管である。 スーパーというのは、ラジオの回路形式のことで、現在のラジオも、大半はこの形式そのもの、あるいはその応用形の回路が用いられている。
6W-C5 は周波数変換、6C6 は高周波増幅、6Z-DH3A は検波・低周波増幅、6Z-P1 は、低周波電力増幅に用いられている。 12F は、電源の整流管である。 この組み合わせなら、本来、整流管は、80 のほうが良いのだが、手に入らなかったらしい。 これらの真空管の写真は、町田秀一さんの真空管アンプのページでご覧になれます。
最初のトランジスタは、ショックレーらにより発明された接触型トランジスタである。 このトランジスタは半導体としてゲルマニウムを用いていた。 ゲルマニウムを用いたトランジスタの欠点は耐熱性にあり、より高温に耐えうるトランジスタとして、シリコンを用いたトランジスタが開発された。現在では、ゲルマニウムトランジスタを見ることさえない。
2SB54 は低周波電圧増幅用の、2SB56 は低周波電力増幅用のゲルマニウムトランジスタである。 右図は、私の記憶に基づく想像図である。
741 というのは、汎用型オペアンプの第一世代の機種である。 あらゆるオペアンプの祖先と言ってもよいかもしれない。 現在でも、オーディオ用途としては、NJM4580J などの発展形が残っており、よく使われているようだ。
LM 386 は、現在なお汎用されているオーディオパワーアンプ IC である。 サウンドカードなどに乗っていることもある。 音質は、現在でも、サウンドカードに使われている程度であるから、推してしるべし。
LF356 は、FET 入力型のオペアンプである。 私が使用した当時は、最新モデルのひとつでもあり、当時としては、high through-rate, 低ゆがみを誇っていた。 雑音の面でも、数個買えば、MM 入力に用いて、S/N 比 60 dB程度のもの選別するのは容易だった。 音質でもそれなりの評価を得ていたように思う。 現在でも、その後継の LF357 が手に入るが、オーディオ用に用いられることは、少なくなっている。 当時は1個 500 円ぐらいであったが、現在は、後継の LF357 が、100 円でお釣りがくるぐらいなので、私は今もって愛用している。