ROBERT SCHUMANN って? | (98/2/8 記) |
「シューマン? 知らないなぁ?」
このホームページを訪れてくれた、あなたはそんなことありませんよね。 私はあなたが、シューマンを結構好きだと知っている。 「管弦楽法がへたで、思いつきでしか作曲できず、せっかくのメロディも最後にはずたずたにしてしまう奴だろう・・・」 ほら、批判しながらも、気になっているんでしょう。 このページは、そんなあなたにシューマンを好きになってもらうためのページです (^^)。
さて冗談はさておき、R. Schumann (1810 - 1856) は、初期ロマン派の作曲家として知られています。 R. Schumann が盛んに音楽活動をした時期は 1830〜40 年代で、ちょうど L.V. Beethoven (1770 - 1827)、F. Schubert (1797 - 1828)亡き後から、J. Brahms (1833 - 1897)が世に認められる、ちょうど合間に位置します。 後に、指揮者でもあり、批評家でもあったビューローが、J. Brahms を J.S. Bach と L.V. Beethoven とともにドイツ三大Bの一人に数えたり、J. Brahms の第1、第2交響曲を L.V. Beethoven の第9交響曲に続く第10、第11と呼んだりしたこともあって、R. Schumann の果たした役割は、その間に沈んでしまっているようです。 下記の余談に記したように、奥方の Clara のピアニストとしての評価が高いことも、R. Schumann を影においやる(まるで、Clara のヒモのよう)一因になっているかのように思います。
私がなぜ、R. Schumann の音楽に惚れ込んでいるか? ピアノ曲や歌唱曲にちりばめられている、天才のひらめきともいうべき美しい旋律ではありません。 他の作曲家では得られない、ハーモニーや響きの溶け具合や絶妙な交じり具合が、たまらないのです。 管弦楽法がヘタと批判されるむきもあるようですが、交響曲などで、いくつかの楽器がユニゾンで、同じ音を奏することがあります。 こういうときに、力のある指揮者&オーケストラなら、それぞれの楽器の音量や響かせ具合を加減して、本当に美しい illusion - fantasy を聞かせてくださいます. 絵画に例えれば、光の魔術師と言われたレンブラントの作品のように。 その一方で、指揮者あるいはオーケストラが、そういう理解がない、あるいはその能力がなければ、それこそこの世の地獄としかいいようのない音楽を作り上げます。 もちろん、重厚な響き、がっちりした和音の構築、ぽーんと一本抜けてくるような、切れ込みのよいトーンは、間違っても R. Schumann からは得られません。 そういうのが欲しいときは、例えば、L.V. Beethoven や J. Brahms、あるいは G. Mahler, R. Strauss を味わう方がよほど良いと思います。 私だって、R. Schumann ばっかり聞いているわけじゃない (^^)。
同じことは、ピアノ曲でも言えます。 ピアニストが、そういうところにまで、気が及んでいるかどうかは、クライスレリアーナを聞けば一発でわかります。 ピアノの響きは、音階によってかなり異なります。 だから、異なる音程で同じメロディ進行があるときに、どう調和した響きを作ってくれるかで、ピアニストの R. Schumann への理解がわかるように、感じています。
これから、このホームページでは、手持ちの CD / LP を中心に、私のお勧め CD / LP を紹介していこうと思います。 私のスタンスは、常に上記に記したように、パステル画のような、ハーモニー・響きのバランスの良さの有無にあります。 従って、世間一般の評論家の方々の評価とは、全く異なった評価をくだすことになります。 お気に入りが、ひどい評価をされても、メール爆弾なんか送ってこないでくださいね。 (でも、私に対する批判は大歓迎!) ご期待ください。
ROBERT SCHUMANN のドイツでの知名度 シューマンの故郷、ドイツではシューマンは知られているでしょうか? もちろん、誰でも知ってます。 クララ・シューマンなら。 残念ながら、多くの人々にとっては、フィッシャー・ディスカウが、ディスカウ魚屋さんに変身してしまうぐらい(わかる?)、ロベルトにはなじみがありません。 なぜ誰でもクララを知っているかって? 誰もが毎日のように、クララの肖像つきのお金を使っているからです。 クララは、100 マルク紙幣に描かれているのです。 加えて、クララの良妻賢母ぶりは、ドイツ人のお好みにそうので、一層、彼女の名声を高めているのでしょう。 それに加えて、ここデュッセルドルフを初めとして、どこにでも、クララの名前を冠した音楽学校があります。 日本で言うと、ヤマハやカワイのピアノ教室のごとく、クララ・シューマン音楽学校があるのです。 私のふたりの娘にも、ダイレクト・メールが送られてきたぐらいですから・・・。 デュッセルドルフで一番大きな本屋の Stern Verlag に行くと、クララの伝記は、厚い本から小冊子まで、10 冊以上並んでいますが、ロベルトのほうは、たった1冊、薄いのがあるっきりでした。(xx);;;
そのたった1冊の伝記も、映画「クララ・シューマン物語(主演:ナターシャ・キンスキー、パガニーニ役でクレーメルが出演)」をなぞるがごとくで、私は悲しい。(xx);;;