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6G-A4全段差動アンプ・・・トラブル発生

トラブルは、わずかながら、右チャンネルからハム音が聞こえること。 残留雑音が左チャンネルは 0.2mV なのに、右チャンネルは 1mV を超える。 アース処理が悪いのか? どこかにループがあるのか。

ボリュームの触ると雑音が増えるので、ボリュームがアースから浮いているのだろう。 塗装をはがして菊座金を着けた。 ボリュームを触っても雑音が増えなくなった。 でも、雑音は相変わらず。

アースを見直すと、前段は前段定電圧電源に、終段はリップルフィルターのアースにつないでいた。 これも悪さしているのかもしれない。 前段定電圧電源からアース母線をはって、そこに全てのアースをつないだら、少しハムは減った。 それでも、1mV 近い残留雑音だ。

雑音を WaveSpectra でみると、50 Hz 100 Hz といった電源周波数とその高調波がたくさんあることがわかる。 左チャンネルはレベルが全然違っていた。

そのうち、奇妙なことに気がついた。 ボリュームを最低に絞ると、雑音が増える。ぺるけ師匠の「電子工作・自作オーディオ Tips  & トラブルシューティング・ブック」の  p. 126 には、「ボリュームポジションで変化するようであれば、高周波発振の疑いはさらに濃くなります。」とあり、発振を疑わざるを得ない。

しかし、6G-A4 のグリッドにオシロをあてても、ふらふらと基線が揺れる様子がうつるのみで、強烈に発振している様子はない。 手元のオシロは周波数帯域 200MHz のデジタルオシロなので、それより高い周波数の発振? やっぱりエミッタフォロワが悪さしている? 前段のユニバーサル基板から、全ての部品を取り外して、(ハンダシュッ太郎、大活躍!)エミッタフォロワ段のベースに抵抗を入れてみたが、雑音は変わらず。 原因不明で、困ってしまった。

ありそうなトラブルとしては、やっぱりエミッタフォロワの部分。 ベースに 100Ω の抵抗をいれてみるが、状況は改善せず。 さらに、エミッタフォロワ段をなくして、直結しても、状況は変わらず。 すなわち、エミッタフォロワ段はこの発振には関係がない。

電源を入れたまま、取り回しを工夫していたところ、初段のFET のソース間のボリュームにさわると、ノイズの様子が変わることに気がついた。 そして、ソースとアースの間に、10pFのコンデンサを入れると、見事に雑音が消えた。 両チャンネルとも、雑音は 0.15-17mV に減った。 結果オーライといったところか。

掲示板で相談していたら、菊池さんという方から、ハムが聞こえるのに、そのハム成分がオシロで映らないときには、発振を疑うのだと教えられた。 言われてみればその通りだ。

その後、オシロのアースの取り方次第で、発振が見えたり見えなかったりすることがわかった。 今回の発振は、20.8MHz で、200 mV p-p 程度の発振であることがわかった。 何しろ、オシロのプローブ自体が発振の状況を変えてしまうこともあるようで、良い経験になった。

さらに、掲示板で flip-flopさんより、下記のコメントをいただきました。 確かに、20.8MHz の発振なので、ストレー容量による発振も十分にあり得る周波数かと。

回路的には、初段のソース回路(ブートストラップや半固定含む)とエミッタフォロワ出力(真空管ゲート配線含む)は同相なので、ストレーによる飛び付きがあると発振します。

対策としては、すでにやったようにブートストラップ又は差動のソースを小容量CでGNDに落とすか、コレクタ22kΩ負荷に並列に小容量Cを抱かせるか、ですね。 初段のソース回路(ブートストラップや半固定含む)をシールドしても効果があると思われます。